63,それぞれの戦い
エガー・ティラミスという男は、ルビア達を少し見ると、
「流石に1対5は望むところではありませんね。」
っと言って、閃光弾を上に向かって投げる。
するとそれはすぐに光輝き、やがて何もないまま終わる。
全員が(何だったんだ今のは?)と思っている時、エガーの横から黒いゲートが現れる。
そしてその中から3人の男が出てきた。
「では後ろの3人を頼みます。私はあの子供2人と相手するので、ではカート、お願いします。」
そう言われると、1人の青年が少し前に出て「はい。」と一言だけ言うと、ルビアとシトラの後ろにゲートを作り出した。2人ともそれに少し驚きつつ、すぐに離れようとするが、前方からエガーが凄い勢いで突進してきたため、ガードをとらざるおえなかった。そしてそのまま、3人はゲートと共に消える。
残ったのは、クラントの大佐3人とヴァルランダの兵士3人。人数的には同じだが、明らかにクラント側が押されている。
その時、カートと言われたゲートを使う男が急に仲間に突き飛ばされる。それと同時に後ろの大地が少し抉れた。
突き飛ばした男以外、みんな頭にクエスチョンマークが浮かんでいる。
「な、何を!?」
「狙撃だ。しかも相当腕がいい。カート、お前はこっちはいいからあっちへ行け。このまま狙われて続けたら厄介だ。」
突き飛ばした男は、そう言いながらももう一発の狙撃を防いだ。
「早く行け。今ので大体の位置を掴んだろ?」
「はい!」
そう言ってカートがゲートを作りそれに入っていく。
よってここに残ったのはクラントの大佐3人とヴァルランダの兵士2人ということになった。
「さて、それぞれ戦うべき敵が決まったようだ。こっちもそろそろ始めようか。」
突き飛ばした男が少し笑みを浮かべながら大佐達に言う。
「望むところだ。」
エルヤー大佐がそう言い、3人一斉に戦闘体制に入った。
一方その頃、カートは狙撃手がいるであろうところに移動していた。そしてカートはその狙撃手の10mぐらい後ろから声をかける。
「やっぱり遠くになると正確に”ワープ”するのは難しいなぁ。おっと君が狙撃手かな? 驚いたまだ子供とはな。もしかして君もルーグラン生かい?」
そう問われ、その少女、イリアは答える。
「そうだけど? だったら何なの?」
振り返りざまに、いつの間にかスナイパーライフルからアサルトライフルに変わっていた”ライフル”をカートに向けて構える。
「おやあんまり驚かないね。」
「あんたの”スキル”はさっき見たからね。消えた瞬間こっちに来るんじゃないか、と予想はしてたよ。」
「へえ、結構賢いんだ。」
「それより一つ聞きたいんだけど、わざわざ後ろに回ってまで声をかけたのは何なの? スナイパーだからって近距離は無理だと思った?」
イリアがアサルトライフルを撃ち、それがカートの顔のすぐ横をすぎる。
「それともう一つ聞きたいんだけど、あんたを助けた男の”スキル”って何なの? 私のスナイパーライフルで撃った球は決して普通の人が見切れるレベルじゃない。まして他人を助けるなんて、」
「そんなことを聞いてどうするのかな?」
「決まってんじゃん。あんたをぶっ殺した後に大佐達の援護をするためだよ。」
「面白いことを言うね。」
カートが笑みを浮かべる。対してイリアの顔には笑みなどはなく、怒っているとも真顔ともとれる表情をしていた。
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一方ルビア達は、辺り一面真っ白なところに来ていた。
「あいつの”スキル”は”ワープ”と言ってね、ゲートを作りそこを通ることによって瞬間移動みたいなことが出来るんだ。そしてそのゲートを通して行き来出来るのは現実世界だけではなくてね、異空間とも繋げられるんだ。」
ルビアとシトラは立ち上がる。
「随分とおしゃべりが過ぎるわね。ちなみにおしゃべりついでに教えてくれる? ここからはどうやって出るの?」
エガーはニコッと笑い答える。
「そりゃあ、死人に口なしだからね。あーえっと、ここから出る方法だったかな? それはカートに頼むしかないね。彼がその内ゲートを開いてくれるのを待つしかない。」
「つまりあなたもここから出られないと?」
「そうだが?」
ここで初めてルビアが話す。
「つまりお前は逃げられないってわけだ。」
「意味が分からないな。」
ルビアとシトラは同時に前へ一歩踏み出す。
「お前は俺が倒すってことだ!」
「あなたは私が倒すってことよ!」




