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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
世界動乱編
62/121

62,急襲

強い”スキル”使いには、強い”スキル”使いを当てるしかない。

だからルビア達は、その情報が入ってきたところへ向かう。


「オレ達はあっちに向かうらしい。よし行くぞ!」


エルヤー大佐が11時の方向を指差して言う。

ピース大佐もカイラ大佐も同じ大佐だが、3人の中ではエルヤー大佐が一番年上なため、リーダーはエルヤー大佐だ。

どうやらそっちに強い”スキル”使いがいるらしい。

少ししてその場所の少し前まで着く。


「よしじゃあこれより行動を———」


「俺がやってもいいですか?」

「私がやってもいいですか?」


エルヤー大佐の話を遮ってルビアとシトラが言う。

それに少し腹を立てたピース大佐が、


「おい、さっきも言ったが戦場を舐めてたら———」


っと言うが、エルヤー大佐がそれを手で遮り、ルビアとシトラに話しかける。


「自信はあるのか?確実に成功出来ると言うのなら構わないが。」


「エルヤーさん!!」


「ピース、お前の言うことは正しい、が経験を積ませることも大事だ。それが今回この子等を連れてきた理由だしな。見たところ相手は2人だけだ。もし2人が失敗しても、後から俺達がフォローすれば済む話だ。

で、どうなんだ?」


ピース大佐はまだ不満そうだったが、これ以上特に口を出すことはしなかった。


「「こいつがいなけりゃ楽勝です!」」


っと2人揃えてそれぞれを指差しながら言う。

その後、3人の大佐の呆れたような雰囲気を感じとったのか、また揃えて、


「「こいつがいても楽勝です…」」


と言った。エルヤー大佐は少し呆れながらも、


「そうか、ならやってみてくれ。」


っと言って2人に行ってくるようにジェスチャーする。

そう言われて2人は「はい!」っとまた揃えて言った。

そしてそのまま2人揃えて出発する。

相手の2人がルビアとシトラに気付いて戦闘体制に入ろうとした時、シトラが大きく一歩踏み出し、その足先から相手の2人目がけて大地が凍っていく。

1人はそれに足を捕らえられ、足の身動きが取れない状態に。

もう1人は、ジャンプで交わしたが、シトラの氷の大地からさらに氷が生み出され、空中で捕らえられる。

その捕らえられた2人目がけて、ルビアが蒼い炎の攻撃を放つ。

それに焼かれて、その2人は骨も残っていなかった。


「はい、俺の勝ちー」


「は? あんたの攻撃が当たったのは、私が動きを止めてたからでしょ? あんたは横取りしただけじゃん!」


また2人が言い合いを始める。

それを呆れながらも、遠くから見守る3人の大佐達。


「……え? マジで楽勝かよ……正直ルーグラン校生舐めてたぜ…相手の”スキル”すら見れなかったな…」


「まさかあれほどとはな…ルビアの炎攻撃の威力が高すぎる…」


「いやそれよりもシトラじゃないですか?1人ジャンプして完全に躱されたと思ったら、そこから瞬時に修正して捕らえる。ルビアよりそっちの方に驚きましたよ…」


「あいつら…軍で言ったらどんぐらい強いんだろうな?」


「さあ、少将にはまだ届かなさそうだけど…どうだろう? まあ私達より上なのは確かね。」


「まあそうだな、ちょっと自信無くすわ。」


「それにしてもまだケンカしてるのかあいつらは…」


「あいつらが手を組んだら、中将クラスまで届きそうなもんですがね…」


「いやさすがにそこまでは———」


その時、ドンっと音がする。何かと思えば大砲が撃たれた音だった。それもルビアとシトラ目がけて。


「危な———」


「危ない」と言おうとしたエルヤー大佐だったが、その時には、もうすでにシトラが氷の壁を作って大砲を防いでいた。


「……流石だな。」


「もう勝手にやらせといた方がいいんじゃないですか? あいつらは…」


「流石にそんなわけにはいかん。それに戦場で気を抜きすぎていたな。今一度気を引き締め直し———」


その時、またドンっと音がした。

その音に反応し、遠くで大砲が打ち出されたのを見たシトラは、また氷の壁を作って防ごうとする。それ故、視界が悪くなる。

しかし、氷の壁で守られていない大佐達からは、その球が何かおかしいことに気付く。


「おいおい、あの球何かおかしくないか…?」


初めに気付いたのはピース大佐だった。それは耳を傾けていたらやっと聞こえる程度の声だった、がすぐに声量を上げる。


「おい離れろ!! ルビア、シトラ!!!」


ピース大佐の叫び声が2人に届いたようで、2人は少し混乱しつつも氷の壁から急いで距離を取ろうと後ろに少しひいた瞬間、氷の壁が割れ、そのまま地面に激突し、土煙を上げる。


「な、なんだ!?すごい威力だな。」


大佐達3人とルビアとシトラは合流し、エルヤー大佐が呟く。


「あんなに強い威力の大砲は見たことがありませんね…ピース大佐に言ってもらわなければ危なかったです。ありがとうございました。」


「本当だね。それにしてもピース。なんで気付いたの?」


「いや…何か球の形が———」


「いやー躱されましたか。やはり一筋縄では行かないな。」


ピース大佐が説明しようとした時、土煙の中から声がした。それと同時に人影も現れる。

ルビア達5人は、みんな静まり返り、新たな脅威の対象へと集中する。


「初めまして、そちらの2人がルーグラン校の生徒ですね?」


「何故そんなことを知りたがる?」


「クラントが戦場に子供達を連れてくるというのは結構有名な話ですからね。将来の脅威を早めに潰しておこうかなと思いまして。」


ルビアとシトラが戦闘体制に入る。

そして土煙が晴れてゆく。


「今回の戦争のリーダー、エガー・ティラミスと申します。」


その男は、戦争が始める前にクラント兵にメガホンで話しかけていた男であった。

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