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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
プロローグ
6/121

6,実戦修行

自己紹介を終えた後、3人で少し話をしたり遊んだりしてから、修行をすることになった。それも、実戦修行だ。オレにとっては父以外の初めての相手である。負けが確定していない実戦修行は初めてするので、非常に楽しみだ。恐らく2人もそうだろう。

初めは、お互いの”スキル”は明かさないまま、三つ巴で戦うことになった。

ちなみにオレの”サイコキネシス”は、初めは自分の周囲1mのもの、それも軽いものを動かせる程度だったが、今は周囲10m、40kg以下のものまで動かせるようになっている。

つまり、オレと同じぐらいの子供なら余裕で操れるというわけだ。ただ、遠くて重いものほど操りにくく、まして相手に抵抗されるとさらに操りにくいので、今回の実戦で有用かは分からないが…。


オレ達は、周囲に何もないところへ移動し、それなりの距離をとった。審判は父親3人だ。大きな怪我をしそうになると止めに入るらしい。

勝利条件は、背中に貼った丸印に攻撃を当てられたら負けというルールで、最後まで生き残った人が優勝である。普通の模擬戦では、気絶させた方が勝ちというルールだが、今回は危険ということでこうなった。

いよいよ勝負のゴングが鳴る。


「まずは行くわよ、リエル!」


そう言って、初めは、アンが高く飛び上がってオレに殴りかかってきた。オレはそれを避けたので、アンは地面を殴ることになった。すると、アンの拳が地面を砕いた。アンはおそらく全力で殴ったのだろう。なのでアンの腕が折れていても不思議ではない、まして無傷などあり得ないのに、痛がる素振りを見せずに、またすぐに避けたオレに向かってきた。

(アンの”スキル”に関係しているのか?)


次に、オレがアンの相手をしようとしたのを見て、ウェアがオレに向かって走ってきた。

(いきなり2対1か、)

そう思った瞬間、ウェアが消え、気づいたらオレの背後にいた。オレは咄嗟に自分を”サイコキネシス”で操って空中へ回避した。オレが空中へ回避したことで、アンとウェアが1対1になる。それを、ウェアが後ろに瞬間移動して距離をとった。


「なるほど,ウェアの”スキル”は”瞬間移動”ね。」

「そう言うお前は”空中浮遊”か?」

「さあね。」


そう言ってアンとウェアから少し離れたところに降りた。

しばらく膠着状態が続きそうなので、オレは勝負に出ることにした。ウェアとアンは2人とも様子を見ているので、自分の前に集中している。だから後ろから”サイコキネシス”で攻撃することにした。その武器は、アンが砕いた地面の石礫だ。だからオレはちょうど10m以内に砕かれた地面が入るようなところに移動した。そして…


「2人ともビビってるの?2人がかりでもいいから早く来なよ。」


と、手を使って煽った。


「は?」

「あ?」


すると面白いぐらいに引っ掛かった。


「面白いこと言うじゃない?リエル。」

「望み通りやってやるよ。」


そう言って2人とも真っ直ぐオレに向かってきた。

2人が10m以内に入る。

その2人の後ろで、石礫を操り2人の背中に攻撃した。

2人が驚いたように後ろを見た。


「そこまで!!!勝者 リエル!!!」


父がそう言って勝負を終わらした。


「え?今ので終わり?」

「こんなの攻撃の内に入らねーよ。全然痛くねーもん。」


2人が文句を言う。オレはそんな2人を見て、面白くて笑っていた。

そんなオレを見て、ウェアが話しかけてきた。


「てゆーかお前の”スキル”何だよ?”空中浮遊”じゃねーの?」

「そうだと言った覚えはないけど?ウェアのは”瞬間移動”?」

「そうだよ。お前のは?」

「”サイコキネシス”だよ。自分の体を操ることで空を飛べるんだ。」


ウェアは大分イラついてる様子だ。


「そう言えば、アンの”スキル”は何なの?」

「私?私は”再生”だよ。」

「”再生”?てっきり身体強化系だと思ってた。」

「何で?」

「だって、地面砕いてたじゃん?」

「あれは腕が折れるほど強く殴ったからね。それを”再生”したから無傷に見えただけだよ。」

「痛くないの?」

「痛いに決まってるじゃん。もう慣れたけど、」

「…あ、そう」


オレは、オレ以上に辛い修行をしているやつもいるんだなぁと思った。


「もう一回しよ。」


ウェアがそう言ってきた。結局合計で8戦することになり。

オレが4勝、ウェアが3勝、アンが1勝という結果に終わった。





リエルの”スキル”の成長が早すぎるのは、子どもの頃の方が”スキル”は成長しやすいからです。

理由は、また後の話で説明する予定です。

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