45,やっぱり怪しい
結局あのまま一晩が明けてしまった。
八方塞がりとなってしまったアン達。
しかし、まだ誰も諦めてはいなかった。
アリスちゃんを助けるために、皆は意見を出し合う。
その結果やはり怪しいのはあの孤児院ということになった。
いや、この結果はあの孤児院の地下に入った者達だけが押した意見だが…
その者達は、”透視”の結果が間違っていなくて、尚且つあの孤児院が黒である可能性を考える。
すると答えはすぐに出てきた。
それは、”スキル”による妨害だ。
なんでこんな簡単なことが思い付かなかったのかと、シトラが自分に憤る。
その”スキル”をいつ仕掛けたのかは、言うまでもなくシトラ達が去った後と、”透視”前までの間であろう。なぜなら、あの孤児院がグレーになった理由が、あの地下に入った時なのだから、あの孤児院を黒とするなら自然とそうなる。
問題は、その”スキル”がどんな”スキル”なのかというのだが、これは、何となく幻系というのしか思い付かなかった。
そして、それがどういう仕組みなのかは実験が必要である。
つまり、作戦はこうだ。
アン達がもう一度孤児院に入り、それを外から”透視”で見てもらう。もし、外から見た時限定の仕掛けならそこで矛盾が生じるし、もし見る者全てに幻を見せるとかだったら、子供に話しかければ分かることだ。
とにかく疑いがある以上やるしかない。
怪しいのがこの孤児院ぐらいなのだから。
この孤児院が白だったらどうするのかとかは、あとから考えれば良いことだ。
ひとまずは、疑わしきは解消だ。




