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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
アリス編
37/121

37,2年前のアリス

約2年前 ライアス

ある一家に、アリス・ロカートナーという少女がいた。


アリスは一人娘で、両親からとても愛されていた。

アリスは愛されていた故に、おもちゃを沢山買ってもらったりしていた。それと、アリスの家の近くには同じぐらいの子供が沢山いたので、よく一緒に遊んでいた。


アリスは、あるおもちゃがとても欲しかった。

そしてそれが、サプライズとしてアリスの部屋に置いてあったのだ。おそらく両親からのプレゼントだろう。

そう思って、母親に確認しに行くと、笑顔で

「お誕生日おめでとう。まだ一週間早いけどね!」

っと言われ、頭を撫でられた。

両親の溺愛っぷりがよく分かる。

アリスはとても嬉しかった。

今にでもそのおもちゃで遊ぼうとしたが、アリスはちょうどその日に友達と遊ぶ約束があったのを思い出した。

正直に言うと、友達と遊ぶより目の前にあるおもちゃで遊びたいアリスであったが、約束をしてしまっていたので、当時まだ6歳ながらも悩みに悩みぬいた末、友達と遊ぶ方を優先した。

アリスは、おもちゃを貰えたことと、今それで遊べないことの落差で、少し不機嫌になってしまった。

なので、友達の家に行く時、母親に何も言わずに出て行ってしまった。

扉が開く音がしたため、母親は確認に行く。

もしかしたら、アリスがどこかへ行ったのか、と少し心配した母親は声をかけながらアリスの部屋に行くのだが……


そこにはアリスの姿があった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友達の家に遊びに行ったアリスは、初めこそ少し不機嫌であったが、友達と遊ぶことも結構楽しかったということもあり、すぐに上機嫌になった。


そして、少しだけ門限を過ぎてしまい、アリスは急いで家に向かったのだが、門の鍵が掛かっている。

アリスはすぐに、自分が門限を過ぎてしまったことを怒っているんだ、っと解釈した。そしてそのまま少し考えていると、友達の家に行く時に何も言わなかったことを思い出す。

アリスは、父親が仕事から帰ってくる時に一緒に入ろう、などの作戦を考えたが、父親は今日、早く帰って来る日だった。

本来ならば、インターホンを押せばすぐに済む話なのだが、アリスは怒られるのが怖くて押せない。

おもちゃのことをもう忘れてしまっているのか、あるいはおもちゃで遊ぶことの楽しみよりも怒られることの怖さが勝っているのか。

どうしようかと、門の前でモジモジしていると、優しそうなおじさんが話しかけてきた。


「どうしたんだい?門の前で。」


アリスは知らないおじさんには着いていくな、などしっかりと教育を受けていたので、少し警戒するが、おじさんはそんなアリスの心を読んだかのようにアリスの心を落ち着かせる。


「お母さんに怒られて閉め出されちゃった…」


っと今にも泣きそうな顔で答える。


「いくら怒っているとはいえ、まだこんなに小さい娘を締め出すなんて酷い母親だね。」


っとおじさんが言う。

アリスは母親のことが大好きだったので、すぐに否定しようとするが、おじさんが言葉を続けたのでそれが遮られる。


「お母さんは本当は君のことなんてどうでもいいんじゃないかな?」


「えっ?」


そんなことない。今日だってお母さんからプレゼントを貰った。きっと私のことを思って買ってきてくれたのだ。

また否定しようとすると、また遮られる。


「そんなことな———」


「仮に私が君のお母さんなら、興味がない子でもないとこんなマネはしないね。でもそう思っていると周りから見られると色々と大変そうだから、例えばプレゼントとか渡して娘を大切にしているように見せかけるかな。」


おじさんは饒舌にそう言う。

プレゼントという言葉に反応したアリスは、少し言葉が詰まる。なんとか反論しようと、必死に今まで母親からの愛を思い出す。しかしおじさんは、またまた饒舌に続ける。


「他にも、君が欲しいと言った物なら可能な限り買うだろうね。もし君に不満が出て、それを周りの人が見たらどう思うか、

君はそんな母親が憎くないのかい?」


「えっ、えっと、、」


それでも、やっぱりアリスは母親のことが大好きだったので、なんとか反論しようとする。


「今も、君を閉め出しているというのに、その様子すら見に来ない。もしかしたら君が自らいなくなるのを望んでいるんじゃないかな?」


このおじさんの言うことは、冷静に聞けばめちゃくちゃだ。

だが、アリスは当時6歳、それと冷静ではなかったためおじさんの言うことを聞き流すことが出来ない。


おじさんはアリスの顔を見ると、不敵に笑い、


「私は孤児院を経営しているのだが、私のところへ来ないかい?」


っと言って、アリスの肩に手を置く。

アリスは泣き出してしまった。

そのアリスを見ると、おじさんはさらに不敵に笑い、肩に置いていた手を首に持っていく。

そのすぐ後、アリスは気絶してしまった。

おじさんは常に笑顔のまま、アリスを抱える。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その頃、アリスの家では食事をしている最中だった。

父親と母親と………アリスとで…

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