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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
アリス編
33/121

33,特別授業

オレ達がルーグラン校に入学してから、1ヶ月ぐらいが過ぎた頃、オレ達は”スキル”の勉強ということで、”スキル”研究を主としているフシギノ研究所へ見学に来ていた。

研究所では、博士達が実際に研究している様子を見せてくれたり、オレ達に直接教えてくれたりした。

教師に教えられるのとは違った良さがある。

今は、少し若め(と言っても40代くらいだが)の博士が”スキル”について教えてくれている。


「”スキル”は普通、子供が自発的に使うことで判明すると思われていますが、実はそれ以外にも方法があるのです。」


そう言って、色々なコンピュータが置いてあるところへ移動した。そのコンピュータには人間の脳の画像が何枚も出ていて、それぞれの画面によって角度が違う。これは一体何なのか?


「これは、人の脳のスキレイトの部分を中心に撮った画像です。」


そんなことは分かってるから早く何なのか教えてくれ


「ほとんどの人は、生まれながらにして”スキル”を持っています。しかし、中には脳の障害で持ってない人もいる。その脳の障害というのは、脳を見れば分かるのですが、脳に障害が見られない人にも、自分の”スキル”が何なのか分からないという人がいます。そういう人達のためのこれです。」


そう言って脳が映っている画面を指差す。


「我々は、長年”スキル”と脳との関連性を研究していたところ、その脳がどんな”スキル”なのかが分かるようになりました。まあまだ、子供がそれなりに成長しないと分かりませんが…」


これは驚きだ。おそらくオレを含めここにいる全員が、そのことを知らなかっただろう。このまま研究が進めば、生まれる前からどんな”スキル”をもっているのかも分かるんだろうか?


この研究施設では、”スキル”が何か分からない人を呼んで、研究対象兼患者の役割を果たしているようだ。


今、3人家族の一つの一家が来ている。

“スキル”がなにか分からないのは、一人娘の女の子だ。どうやら8歳らしい。オレ達と2歳しか変わらない割には随分と幼く見える容姿だ。

今、画面にその子の脳が詳しく映されている。

すると、科学者達が少しざわつき始める。


「これは珍しいことです。良いものを見れましたね。」


っと科学者がオレ達に言うが、何が珍しいのかよく分からない。


「実はこの子は今”スキル”を使っているんです。しかし、本人含め、誰もそのことに気づかない。稀にこういったことが起こります。使用中の脳は非常に読み取りづらく、解析に時間がかかるので、今は違うところへ行きましょうか。」


なるほど、つまりこの子は今現在も”スキル”を使っているが、オレ達も親もこの子自身すら気づかないって言うことか。どんな”スキル”なのか非常に気になる。


オレ達は別のところへ案内された。

今度は動物が”スキル”を使えるのかの実験らしい。

人間の脳の一部を動物の脳に埋め込むらしいが、そんなので本当に上手くいくのだろうか?


他にも色々と教えてもらった。例えばスキルブレイク。

これは、”スキル”使用者が”スキル”を使用中に意識がなくなると、その使用中の”スキル”が故障してしまうというもの。

ティアラのお父さんがそうだ。ティアラが興味深そうに聞いていた。

これは非常に稀な出来事らしく、何故起きるのか、どうやって解除するのかも未だに分かっていないらしい。

しかし、何件か突然解除に成功した例があるそうで、解除の方法があるにはあるのかっと、ティアラが少し安心したように見えた。

解除方法は、今必死に研究しているそうだ。

どんなことが原因でこんなことが起こるのかは知らないが、早く解明してもらいたいものだ。

そんなことを思っていたら、やっとさっきの子の”スキル”が判明したらしい。

オレ達は、さっきの部屋に向かう。


「…”スキル” は…”ドッペルゲンガー”です…」


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