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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
ルーグラン校編
31/121

31,放課後

まずは一日目の授業が全部終わった。

訓練の授業は、何か特別なことをしたわけではなく、普通の訓練だった。

それでもかなりしんどかったのだが、


「なあ、今日の訓練物足りなくなかったか?」


っとルビアが言ってきた。

いやいやいや、確かに大したことはしてないけどしんどかったぞ。

そう思ったのだが、オレは変な強がりをしてしまった。


「確かにな、ルーグラン校と言っても、何か特別なことをするわけではないんだな。」


オレがそう言うと、ルビアは喜んだ様子だ。

他にオレと同じことを言う奴がいなかったのか、初めて同じ人間を見たような顔をしていた。

まあ、とりあえず今日は帰ろうとしていたんだが、


「ならさ、放課後オレと模擬戦しないか?」


「え?」


こいつ…さっきあんなに訓練したばかりなのに…まだし足りないと言うのか?

正直言うとオレは疲れたので帰りたいのだが、さっき物足りないと言った手間断りずらいな…

どうしよう…用事があることにしようか?

オレは必死に断る理由を考える。


「別にいいんだけど、それって危険じゃないか?

どうせお前は本気の戦いじゃないと物足りないだろ?

でも、オレ達レベルで本気の戦いってなったら死人が出てもおかしくないぞ!

たしか校則に、自由に模擬戦をするのは構わないが、しっかりとした教師の立ちたいがなければ、相手が死なないように手加減すること。

みたいな校則がなかったか?」


オレは自分で言うのもなんだが、結構良い理由を考えたつもりだ。

流石に校則に絡めれば、ルビアも大きい口を開けないだろう。

それに、「なら教師に立ちあってもらおう」っと言ってきたら、「マイク先生以外の教師と話すのは、まだちょっと嫌だ」みたいな謎の人見知りキャラの用意もしてある。

ちなみにマイク先生は放課後に用事があるそうだ。

オレは帰る準備を整えようとしたが、


「大丈夫大丈夫。先生には立ちあってもらえないけど、代わりにソラに立ちあってもらうから。」


「ソラ?」


予想外の答えが返ってきた。

ちなみにソラはオレ達と同じクラスの人間だ。

いくらオレ達と同じと言っても、オレ達の本気の戦いに割り込み、お互いを止めるのは流石に厳しいと思うのだが…

そこでオレはソラの”スキル”を思い出してしまう…

(ああ…そういうことか…)

ソラの”スキル”は”バリア”だ。

“バリア”とはその名の通り、どんな攻撃でも防いでしまう。まあ本人曰く、限界があるらしいのだが、今日の訓練では、どんな攻撃をくらっていても余裕で防いでいた。

確かにソラなら、オレ達の本気の戦いも、”バリア”を使うことによって仲裁可能だろう。


「あ、ああ…なるほどね…そういうことか。」


オレは、もうほぼ戦う以外の選択肢が無くなってしまった。

別に前々から、アドランス家のルビアとは戦ってみたいと思っていたから、本来ならこちらからお願いしても不思議ではないような提案なのだが、

(今は違うだろ…)

しかし、物足りないと言ってしまった手前、やはり断れなかったようだ。

オレとルビアとソラは、そのまま第五訓練所へ行くことになった。


第五訓練所は、試験で使ったところだ。

中央に大きいリングがある。

ルーグラン校では、事前に申請を出せば、教師の立ちあいがなくても訓練所を使わしてもらえるようだ。


「本当に今日の訓練物足りなかったの?」


「なわけないだろ。ちょっと強がってしまっただけだ。」


みたいな会話を、ソラと小声でしていると、いよいよ訓練所へ着いてしまった。


「よーし。じゃあ始めるぞ!」


ルビアが、観客席から中央のリングに向かってジャンプする。オレとソラもそれについて行く。


「じゃあルールを説明するぞ。時間は無制限。どんな攻撃でもあり。たとえ相手を殺すかもしれないような攻撃でもだ。

ソラは、その殺してしまうかもしれないような攻撃が、オレ達のどちらかに当たるかもしれないと思ったら、すぐに”バリア”でオレ達を守ってくれ。他にも、致命傷になりうると判断したなら、すぐに”バリア”を使ってくれ。」


ソラが「うん」と言う。

するとルビアはオレの方を見てきた。

いよいよ勝負が始まるのか…





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