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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
ルーグラン校編
18/121

18,入学試験(9)

オレ達はまた広場に戻っていた。

辺りはもうすでに少し暗くなっている。


それと、オレ達と同等レベルのやつも段々と分かってきた。

受験番号501〜1000の氷使い,2001〜2500の炎使い,2501〜3000に2人,4001〜4500に2人

つまり合計6人いる。


“スキル”を司る部分は脳の中にあり、”スキル”を極めるということは、その部分が成長するということである。だから、子供の頃の方がより早く極めることが出来る。子供の頃の方が物覚えが早いのと同じようなものだ。父がオレの”スキル”が分かり次第、修行に入ったのはそのためだ。

成長スピードが早いということは、それほど差が開きやすいということである。だから、規格外の奴が毎年数人生まれるのだ。それに、”スキル”を極めるには、才能と努力もかなり大切である。

「”スキル”の早分かり」と「才能」と「努力」

この3つが揃った者が、今年はオレ達を含めて9人ということだな。

ちなみにこのことは、それなりにマイナーな情報のため、親が知らない可能性も十分ありえる。オレのところは親が元軍少将だから知っていて当然だが。

多分オレが知らないこともまだまだある。

父が「詳しいことは学校で聞け」と言っていたから、学校に入ればもっと詳しく知れるだろう。




オレ達は、第一訓練所へ呼ばれた。

主に身体能力の試験らしいが、どういったものなんだろう。


第一訓練所へ着くと、崖だった。それにかなり大きくて高い。

だが、こんなに高い崖がルーグラン校にあるなんて聞いたことがないが、まさか”スキル”で作ったのか?

ルーグラン校のことだからあり得る…

崖の周りは、第二訓練所と同じようなグラウンドの小さいバージョンだ。だが、この崖の部分もグラウンドなら、ちょうど第二訓練所と同じぐらいの大きさのような…まあいいか。それより試験に集中しよう。

例によって、また教師が前に立って説明する。


「この崖は、我が校の教師が”スキル”で作った崖です。」


…やっぱりそうだったのか…この大きさの崖を作ったとなると、かなり”スキル”が極められている。いや…もしかしてこれを作ったのは、ガイア・ラマスタートさんか?

ガイア・ラマスタートさんとは、我が国クラントに3人いるとされる超越者の1人で、”地形生成”の”スキル”を持っている。

超越者とは、”スキル”を究極まで極めたとされる者のことを言う。超越者は問答無用で軍の中将以上であり、この学校に教師としている可能性がある。

(確かに、ガイア・ラマスタートさんならこのくらいの崖ぐらい余裕だろうな。)

オレがそう思うぐらい、超越者は凄い存在なのだ。


教師が続けて説明する。

「この崖の上に、このバッジが置いてあります。」


そう言って、ルーグラン校の校章の入ったバッチを見せる。


「皆さんにしていただく試験は、”スキル”を使わずにこの崖の上まで登り、このバッジを取ってから降りていただきます。今回の試験は、そのタイムを測らせてもらいます。」


(なるほど、試験の内容は分かったが、”スキル”の不正使用をどうやって見つけるのだろうか。)

オレがそんなことを考えていると、すぐに答え合わせをされた。


「なお、皆さんの中には知っている方もいるかもしれませんが、”スキル”の使用を確認する装置がございます。それによって、皆さんが”スキル”を使っていないと判断させてもらいます。」


そんな装置があるのか。やはりまだまだオレの知らないことは沢山ありそうだな。


「なお、皆さまの安全性についてはご安心下さい。崖から落ちても、すぐに救助出来るように人員を配置させております。それでは、全員で登るのは少々窮屈だと思いますので、100人ずつ試験を行いたいと思います。」


いくら大きい崖と言っても、流石に500人が一斉に登るには無理がある。


「では、受験番号1501〜1600番の方は、崖の下へ移動して下さい。」


いよいよ試験が始まるようだ。


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