表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
ルーグラン校編
16/121

16,入学試験(7)

「じゃ、また後で。」


そう言って、オレ達は別々に分かれた。

アンとウェアは地上、オレは空中へ。


アンは足に怪我を負っている。


「まったく、なんで私がこんな危険な役を…まあ”再生”出来るからか…」


アンが1人で愚痴って1人で納得している。

この状態のまま25分が過ぎた。

すると、アンの背後からフォート先生が現れて、アンに攻撃を仕掛ける。それをアンは食らってしまうが、フォート先生の片腕を掴むことに成功。フォート先生の動きを少し鈍らせる。


「っん!!」フォート先生が少し驚いている。


次に、フォート先生の背後にウェアが”瞬間移動”をする。フォート先生のもう片方の腕、つまり腕輪をしている腕を掴もうとするが、それをフォート先生に阻止される。

だが、フォート先生の注意を2人に向けさせることには成功した。

そしてオレが腕輪目掛けて急降下。

フォート先生の腕輪を壊すことに成功した!!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜25分前〜

「あ、じゃあこうしよう!

オレ達は別々に行動するのは変わらないけど、それは逃げる意味じゃない。反撃するんだ。」


「どういうこと?」


「まず、アンには悪いが足に怪我を負ってもらう。そして、ウェアとオレは出来るだけ遠くからそのアンを見ていて、フォート先生が来たら全員でフォート先生の腕輪を狙うっていう作戦。」


「それ,フォート先生がオレかお前を狙ったらどうするんだ?」


「その場合は失敗だけど、おそらくそれはないと思うよ。まずオレは空中に避難しているから狙われにくい。そして狙いは地上に残ってるアンかウェア。だがそのどっちを狙うかって言われたらアンだろ?最初にアンに足を怪我してもらうって言ったのはそのためだよ。途中で足を怪我してしまって見捨てられた、と考えることが出来るからね。」


「それはフォート先生の”探知”はおそらく極められていて、相手がどういう状態かが分かるって予想か?」


「予想って言うかほぼ確信。初めにオレ達が襲われた時のことを偶然だと思えないと言うか、狙ってオレ達のところに来たなって思ったからね。オレ達が最初の試験で特に優秀だったから”探知”でオレ達を見つけて,上空へ行って奇襲を仕掛けたんだろう。」


「でもフォート先生がオレ達の”スキル”を知ってたら、アンの”再生”を警戒して、先にオレを狙いにくる場合もあるだろ。」


「これは確信ではないけど、おそらくフォート先生はオレ達の”スキル”を知らない。なぜなら、もしフォート先生がオレ達の”スキル”を知っていたら、真っ先にウェアがやられてると思うんだよね。」


「オレ?」


「だって、ウェアの”瞬間移動”ってかなりこの試験において厄介だろ?そのウェアを真っ先に追わないのは、オレ達の誰が”瞬間移動”持ちか分からないから。」


「…なるほど。オレは納得した。それで良いよ。」


「私もそれで良い。あんたって勉強出来ないくせにこういう時だけ賢いのね。」


「一言余計だ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

フォート先生が笑っている。


「はっはっはっは、まさかオレの方が腕輪を壊されるとはな。完敗だ。これにて試験終了だ。」


フォート先生は嬉しそうにそう言った。

オレ達はグロス山の外に出ると、みんなから視線を感じる。それも、受験生だけでなく、教師からもだ。

よく見ると、腕輪が残っているのはオレ達を含めて100人ぐらいだ。

まさかこの人、最初にオレ達を襲うまでの15分、次にオレ達を襲うまでの25分、合計約40分の間に約400人の腕輪を壊していたなんて…しかもよくよく考えると、オレ達の前にこの試験を受けた人もおそらくこの人が相手だよな。ってことはこの人、ずっと動きっぱなしなのか!?

そんな人の腕輪を壊したんだから、そりゃ注目されるのは当然か。ということは「目立って合格大作戦」は大成功という訳だ。


オレ達はまた広場で集まるように言われた。

なので、オレ達は戻ろうとすると、フォート先生に声をかけられた。


「おい、君達。さっきのは素晴らしい連携だったな。まるで君達の父親達のようだった。」


「先生!、父を知ってるのですか?」


オレは、父の軍人時代に興味があった。


「ああ、良く知ってるとも。リガルはかつてのオレの同僚でライバルだった。オレは戦うことが好きなんだが、あいつとの戦い以上に好きなものはないよ。今回の試験は、それを思い出させてくれるようなものだった。ありがとう。」


「はい、こちらこそ試験ありがとうございました。」


「ああ、またゆっくり話そうか。今はオレ忙しいしな。」


「はい。」


という会話を交わしてから、オレ達は広場へ向かった。


「ちょっと、何あんた1人でやりました感出してるのよ。」


「は?別に出してねーだろ。」


「いや、出してたぞ。」


アンとウェアにこんな文句を言われた。

オレは別に出してなかったと思うのだが…


とりあえずは、2次試験もクリアだ。

それにあんなにフォート先生に褒められた。

これならペーパーテストで落ちることも(多分)ないだろう。

次の試験は、おそらく”スキル”のテストだ。

はたしてどんなものなのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ