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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
ルーグラン校編
13/121

13,入学試験(4)

オレ達は第三訓練所に着いた。

大きさは第四訓練所より大きかったが建物ではなく、山だった。この山はルーグラン校が所有している、グロス山というものだ。標高は100mぐらいだが、横に長い感じだな。一体ここでどんな試験をするのだろうか。

教師が前に立って説明をする。


「皆さんには、この腕輪を付けて山の中に入っていただきます。」


っと言って、金色の細い腕輪を見せた。


「この腕輪は、ちょっとの衝撃では壊れませんが、大きい衝撃を与えるとすぐに壊れます。皆さんはこの腕輪を壊さないで、山の中に1時間の間いてもらいます。この腕輪を壊してしまうと、失格となります。」


これだけを聞くと、すごく楽そうな試験なのだが、やはりそんな訳はない。


「ただし、こちらから鬼1人を山の中に潜入させます。

ガメラ・フォート先生です。」


っと言って、いかにも戦闘タイプの男の先生を紹介した。筋肉は引き締まっていて、大柄な男だ。


「鬼というのは、皆さんの腕輪を壊しにかかる者のことです。皆さんは、この鬼から逃げるか、必要なら反撃しても構いません。」


とてもじゃないが、反撃など出来そうにない。

冗談のつもりだろうか。


「つまり、単純に言ってしまえば、

1,渡された腕輪を1時間の間守ること。

2,鬼のフォート先生から逃げる、もしくは反撃すること。

ということです。

また、この試験の結果も、直接合格不合格には影響しませんので、ご注意下さい。」


次に、フォート先生が前に立った。


「私がガメラ・フォートという。私は鬼であると同時に審査官でもある。それに、私も君達と同じ腕輪をしている。この腕輪が壊れれば、私もアウトだ。したがって、私に対する反撃は大いに結構。私を殺す気でかかってきなさい。それと、私の”スキル”は”探知”だ。これによって君らの居場所はすぐに分かる。隠れるのはオススメしないぞ。」


“スキル”はバラさない方が試験になるんじゃ…と思ったが、おそらく情報の流出による不公平を無くすためだろう。

オレ達はこの試験の前に一度広場に戻ったが、その時にフォート先生の”スキル”がバラされないとは限らない。

ちなみに、フォート先生の腕輪を直接”スキル”で壊すのは禁止らしい。オレならフォート先生の腕輪だけを”サイコキネシス”で操って壊すことが出来たのだが、禁止されてしまった。まあそれはそうか、壊すことに専門の”スキル”を持つ人がいたら、一瞬で試験が終わってしまう。


「このフォート先生の他にも、”千里眼”の”スキル”を持つ先生があなた達を審査しています。

それでは、そろそろ試験を始めたいと思います。」


いよいよ始まるのか。

それにしても、言ってしまえばこの試験って、受験者500人vs教師1人ってことだよな。流石はルーグラン校の教師だ。


「それでは、グロス山に入って下さい。10分後にフォート先生が入られます。フォート先生が入ってから、1時間を計測したいと思います。」


いよいよ2次試験が始まる。この試験でも出来るだけ好成績を収めて、ペーパーテストに備えないと…

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