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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
世界統一編
115/121

115,子供兵器

その頃、大将室では、オンカロに現れたアルタミラ兵についての対策に悩んでいた。

実は今、軍本部に兵はあまり残っておらず、唯一対抗出来そうなのはグラムだけだった。


「どうしようか、俺が行きたいところだが…」


するとその時、ある用で席を外していたガイアがちょうど戻ってきた。


「おぉガイア、戻ってきたか。

そっちは上手くいけたか?」


「はい、滞りなく。」


「そうか、よくやった。

それで、帰ってきて早々で悪いが、お前にはオンカロに行ってもらう。」


「オンカロ? どうしてまたそんなところに?」


「アルタミラの奇襲だ。

ローズンと同規模もしくはそれ以上の兵が見える。

前に言っていた子供兵器も確認されている。

お前はそこに行って、オンカロを守ってくれ。

あくまで守りが主だ。

特に相手に超越者の存在が確認出来たら、徹底的に守りに専念しろ。

すでに少し兵を送ってあるから、お前が指揮を務めろ。

以上だ。」


ガイアは2つ返事でオンカロへと向かった。


「さて、俺もそろそろ行くか、」


ガイアが出たあとに、そう呟いたグラムもまた部屋から出ていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オンカロに着いたガイアは、まず敵兵の多さに驚く。

多いとは聞いていたが想像以上だった。

そしてタイミングが良いのか悪いのか、ちょうど向こうが攻撃してきそうな感じだった。

グラムの言葉を思い出したガイアは、守りに徹するため、前方に巨大な壁を作り出した。こちらの視界を塞ぐ行為だが、壁を避けて回り込もうとしたら、時間がかかるし、戦力の分散も狙える。それにいざとなれば、ガイアは壁を前方向に壊して、そのままアルタミラ兵を巻き込むことが出来る。


少しすると、壁の方で何かを感じた。

壁を壊そうかと考えていると、ガイアが壊すまでもなくその壁は壊れた。

ガイアは驚いた。壊されないように、相当厚く作っていたからだ。クラントで言えば、中将クラスにならないとまず壊せなさそうな厚さで作ったはずだ。一体どんなやつが壊したんだと思って見ていると、そこには子供が1人立っていただけだった。


「まさかあれが……

あんなに強大な力を持ってるなんて、」


ガイアはグラムから聞いていた子供兵器のことを頭に浮かべていた。遠くからなのでよく見えないが、確かに意思がないように感じる。

壁が壊れると同時に他の子供兵器も後ろから近づいてきていた。しかし、アルタミラ兵は後ろで待機したままだ。

おそらく、クラントに敵意は向いてるのだろうが、強大すぎる力ゆえに味方も攻撃してしまうのだろう。

確認出来る子供兵器は20人程。

その全員が、さっき見せたような力を持っていると考えたガイアはある決心をした。


「生かしてなんとか元に戻してあげたかったけど、ごめんね…せめて、痛みも感じられないくらいに一瞬で、」


ささやくように小さく呟いたガイアは、ゆっくりと地面に手をつく。

すると次の瞬間、ガイアから子供兵器の方に向かって大きい地割れが起こった。それは後ろで控えていたアルタミラ兵も巻き込んだ。

子供達が全員落ちたのを確認すると、すぐに地割れを元に戻す。これで中の人間は痛みも感じられないほど一瞬で息絶えるはずだ。

後ろのアルタミラ兵はというと、半分以上がガイアの地割れに巻き込まれたようだ。

さらに追い討ちをかけることも出来たが、今回来た目的はあくまで防衛。そのため、ガイアの後ろで控えているクラント兵の元に戻ろうと後ろを振り返った瞬間、上空を黒雲が覆った。


「黒雲……まさか!?」


何かに気づいたガイアはすぐに地面で屋根を作った。

すると次の瞬間、雷が落ちてきた。ガイアの後ろのクラント兵の元に…

それにより、もともと少なかったクラント兵はほとんど全滅してしまう。



アルタミラ兵から1人の女性が歩いてきた。


「まったくやってくれたわね、あの子供達作るのにどれだけ大変だったと思ってるの、」


その女性とは、”電気”の超越者カミナ・ポールドットだった。

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