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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
世界統一編
111/121

111,囮

グラムの元にローズン平野だけでなく、オンカロにも大量の兵が現れたという情報が入ってきた。


「どういうことだ!?」


「いえ…それが…私共にもさっぱりで…」


そしてグラムが少し思案した後、ある可能性に気付く。


「まさか……

おい、ローズン平野へ連絡を繋げ!」


そしてその兵士が急いで連絡を繋ぐ。

するとローズン平野では中将がでた。


「こちらグラムだ。」


「これはグラム大将!

わざわざどういったご用件で。」


「悪いが早速確認してもらいたいことがある。」


「それは?」


「ローズン平野にいるアルタミラ兵を攻撃してみてくれ。」


「……まだ開戦まで時間がありますが?」


「向こうが先に破ったことだ。

オンカロでも大量の兵が現れた。」


「……は?」


「分かってる、お前の疑問は最もだ。

流石にそんなに大量の兵は有り得ない。

そこであくまで俺の予想だが———」


グラムが自分の予想を話す。


「……なるほど、確かにその可能性が高そうですね…

確かめてみます。」


そう言って中将は連絡を切った。

そして部下に命令をする。


「おい、アルタミラ兵に向かって大砲を放て。」


「…はい? まだ開戦してませんが…?」


困惑して中将に聞き直す部下。

それに対して真っ直ぐ目を見て答える。


「悪いが詳しく説明している暇はない。

早くしてくれ。」


「は、はい。」


部下が急いで準備する。


そして大砲が放たれた。

その大砲の球は、アルタミラ兵に向かって真っ直ぐ飛んでいき、そして爆発した。アルタミラ兵の混乱している様子がよく見える。

部下は、本当によかったのか? という目で中将を見る。

しかし中将はそれに目もくれず、爆発した地点を見ていた。


「クソッ やはりか…」


「? 何がです?」


「よく見てみろ。爆発の煙が兵士を貫通している。」


兵士は何を言っているのか分からず、目を凝らしてよく見てみるが、遠く離れているため、そんな細かなところまでは見えない。


「私にはよく見えませんが、つまりそれはどういうことなんですか?」


中将はかなり不機嫌な顔をして答える。

ただしそれは部下に向けられたものではなくアルタミラにだ。


「煙が貫通、つまりあの兵士達は幻影だ。」


「! それってつまり…」


「ああ…やられた。かなりの兵力を吸われてしまった……

“幻覚”の超越者 クリス・リィールバン…!!」

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