110,危機
ローズン平野には大量のアルタミラ兵が現れていた。
その兵の多さに驚愕するクラント兵達。
「おい…アルタミラってあんなに戦争強そうな国だったか…?」
「いや…長らく中立国だったからなぁ、イメージが全くなかった。」
「これは流石に本部に応援を要請した方が良さそうだな。」
本部に要請しにいく兵士達。
本部は、その敵兵の多さに、通常想定していた以上の応援を送った。
「なるほど、確かに聞いていた通り凄まじい量の兵だな。
しかし、言われていた”スキル”強化された子供とやらは見当たらないな。」
本部から送られてきた中将の1人が言う。
「まああくまでも予想でしたからね。」
「まあな。だが可能性が高いと聞いていたんだが、」
そう言ってテントに戻っていく。
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この時、本部には兵士がかなり少なくなっていた。
超越者であるグラム
そして中将クラスが4人
それ以下は全員を合わせて1万人にも満たない。
ツァンバルでの暴動、ローズン平野での想定以上の敵兵力。
これらによってかなりの兵力を削られてしまった。
だが、まだ超越者の中でも最強であるグラムが残っているだけでも幸いというべきだろう。
だが、それもすぐに———
「グラム大将!! 大変です、また暴動が!」
暴動が起きたのはツァンバルの隣の隣の街であるシーテンという街だ。
「おそらく同一犯だな…どうやって犯人を見つけるか…」
グラムが少し思案する様子を見せる。
「とりあえず兵士を送ろう。
そして、ツァンバルの近くだからリエルにそのまま向かわせるように指示しよう。
リエルならすぐに向かえるだろう。」
そしてそのとき、もう1人大将室に入ってきた。
「大変です!!
ローズン平野とは別の場所に…ほぼ反対側に位置するオンカロに大量のアルタミラ兵が現れました!!!」
「はぁ!?」




