109,首都崩壊
リエル達がツァンバルに着く。
しかし、着いた先はリエル達が知っている街とは随分と変わっていた。
建物はほぼ崩壊していて、辺り一面火の海。
「バカな、さっき報告を受けたばかりだぞ…」
どこかからそう言う声が聞こえてきた。
するとその時、1人の国民が近づいてきた。
しかし、その国民にはすでに正気はなく、白目をむいて、あり得ない方向に曲がっている片腕をしている。しかしそれに痛がる様子はなく、もう片方の手にハンマーを持っている。
その様子に全員が驚愕した。
その時、その人が急にリエル達に向かって走り出してきた。
その速さは常人が出来るそれではない。
それをリエルが”サイコキネシス”で止め、地面に押さえつける。
「おそらく操る対象を強化する効果もあるあようですね。
皆さんはこの洗脳の解除方法を探してください。
オレはとりあえず火を消してきます。」
そう言ってリエルは、国民を兵士に託し、1人上空に飛び立つ。
そして空気を”サイコキネシス”で操り、強風をツァンバル全域に作り出した。すると火は消え、あとは洗脳された国民だけだ。
「すごいな…」
「ああ、さすが超越者だ。」
ところどころでそんな声が聞こえる。
すると、リエルが降りてきた。
「分かりましたか?」
さっきリエルが国民を託した人に聞く。
「脳に強い衝撃を与えるとよさそうです。
ですが中途半端な強さではダメです。
この人も…ただ気絶してるだけかもしれませんが、ひとまず収まったようです。」
「いや、おそらくさっきの状態だったら気絶していても暴走が続いていたでしょう。つまり今大人しくなっているのは洗脳が解けたとみていい。」
するとリエルは全員に向き直る。
「ここからはチームを分けます。
基本的に3人以上の班で行動し、洗脳されている人がいたら今と同じように。
洗脳が解除された人はひとまず安全な場所に置いて次に向かってください。
相手は一般人ですが強化されているので舐めてかからないように。
では、行動開始!!」
全員が一斉に動き出す。
リエルはアン達の元へ行った。
「アン、お前はオレと。
シトラ、ルビア、イリアはさっき行った通り3人で行動してくれ。」
「うん。」 「了解」
「すっかり様になってるね。」
「まさか、内心はそんなじゃないよ。
自分より年上の人に命令するのは、なんか変な感じで、」
こんな感じで軽く会話して、リエル達はすぐに行動を開始した。
その頃、ローズン平野ではアルタミラの大量の兵が現れ始めた。




