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来世は良い人生でありますように  作者: 三ki
アルタミラ編
104/121

104,目覚め

ガラス越しに見ていたアンは何となくリエルが目覚めたのを感じた。そして数秒後、それは確信に変わる。


「リエル? 起きたのリエル!!?」


ガラスを叩きながら大声でリエルを呼ぶアン。

そしてリエルがそれに気づき、身を起こす。

それを見たアンはリエルの姿に驚く。

以前のリエルよりもやせ細り、目に光がなかった。

そしてリエルを呼ぶ声を強める。

しかしリエルは、アンを見て喜ぶようなことはなく、逆にアンを遠ざけるような仕草をする。

リエルが何か言っているように見えたアンだが、ガラス越しのためよく聞き取れない。そのため、アンはガラスを破る。

すると、リエルの言っていたことが聞こえてきた。


「…くるな……アン…

オレの……そばにいれば…お前まで…」


細く弱い声でそういい放つリエル。

しかしアンは、ずっと心配していたこともあって、リエルに近づこうとする。


「来るなと言ってるだろっ!!」


次の瞬間、リエルが大声でアンに向かって叫んだ。

それと同時にアンの前に”サイコキネシス”で壁を作り、アンを寄せつけない。アンがそれに構わず入ろうとするが、壁は壊れず、病院が揺れるだけだった。


「リエル!! どうしてっ!!?

私…ずっと心配して…!!」


「オレと一緒にいれば…お前まで死ぬからだ……

オレはお前に死んでほしくない………」


「どういうことっ!!? 意味分かんないよ!!」


アンが”サイコキネシス”の壁をバンバンと叩く。

するとその時、グラムが入ってきた。


「どうした、大丈夫か!?」


「グラム大将!!

リエルが目覚めました!!

しかし近寄るなと言われてて…」


そう言ってアンはリエルの壁を触る。

それに促されグラムも壁を触る。


「なるほど、分かった。私に任せろ。」


そういうとグラムは、”聖剣”を作り出し、それでリエルの壁を破った。するとその衝撃で病院が半壊する。

無論、リエルとグラムとアン以外はすでに避難していて、アンとグラムは瓦礫を回避し、リエルには落ちてこなかった。

すると次の瞬間、リエルが”サイコキネシス”で瓦礫を操り、自分に向けて放つ。

それをグラムがガードする。


「何をしているんだ!?」


「…だって……オレがいるから、みんな死んじゃうんだ…

みんなが離れてくれないなら…オレが死ねば……」


リエルの声はまた細く弱くなっていた。


「リエル…どういうことなのかちゃんと説明して…」


「アン…だから来るなと言っているだろ…


「だからそれがなんでかちゃんと説明して、」


アンがリエルに1歩2歩と進んだ時、リエルはまた大声で叫ぶ。


「来るなっ!!!!」


リエルの叫びと同時にリエルの強力な”サイコキネシス”がリエルを中心に放たれた。

これにより病院は全壊、アンも吹き飛ばされそうになるが、耐えていたグラムに捕まえられ、なんとか吹き飛ばされずにすんだ。

グラムはまた”聖剣”を作りだし、それをリエルの肩に刺す。

リエルが痛みで声を上げ、”サイコキネシス”が止まる。


「グラム大将!?」


「こうして対象に”聖剣”を刺すことによって、対象の”スキル”を封じることができる。

リエルを傷つけることになるがこれが最善だと判断した。」


アンはグラムの説明を受けて、リエルに一歩ずつ近づいていく。


「来るなっ!! 来るなっ!!」


リエルが怯えるように叫ぶ。


「後は任せてもいいか?」


グラムがアンに聞く。


「はい、ありがとうございます。

なんとかリエルを止めてみせます。」

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