幼馴染と憧れの人
「じーん、久しぶり。」
「ヒカリか。こんな早くにどうしたんだよ。忙しいんじゃないの?」
「ちょっと時間できたから久しぶりに来たらなんか早くついちゃった。そっちこそ早いね。」
「あやとに頼まれものあってさ。」
「あやもくるの?」
「たぶん、来れるはず。」
「へー。それより洋輔どうしてる?」
「結局それ聞きたかったんだろう。」
「わかった?!」
どーしょ…。
花壇で水やりしてたらこんな声が聞こえてきた。
芸能科の人達ぽいなぁ。
こんなとこにいたら立ち聞きしたと思われるかな…。
あやとって彩人さんの事かな??
てことは、AJBoy'sの人かな?
女の人はひかりさんって言ってたっけ…。
まぁ、とりあえず水やりしちゃおう。
そう思って続きをやっていると…
「うわ!人いた。」
「ん?」
ひかり?さんが私に気づいたみたい。
「あー。りまか。」
ん??
りまって私の事だよね…?
この人AJBoy'sのJINさんだなぁ。
そして、もう一人はモデルで女優の戸田ひかりさんだった。
綺麗…。
すらっと背が高くて顔ちっちゃい。
めっちゃ綺麗。
「仁、知り合い?」
「小学校の途中まで一緒のクラスだったんだよ。変わってなくてすぐわかった。」
「へー。こんな可愛い子が同じクラスだったのか。」
戸田ひかりさんに可愛いって言われた!?
てか、小学校の途中まで同じクラス!?
JINさんが!?
まじまじと見てみる。
「仁、覚えてないっぽいけど?」
ケラケラ笑いながらそう言うひかりさん。
大きな口をあけて笑うひかりさん。
何しても綺麗…。
「なんか悲しくなってきたわ。」
苦笑いしながらそう言うJINさん。
ふとその顔に見覚えが…。
「仁ちゃん!江藤仁ちゃん!」
「プッ(笑)仁ちゃん…。」
「おい!ひかり!」
大笑いするひかりさんに仁ちゃんが睨む。
「すぐ思い出せなくて。あれだけテレビでも見てるのに全然気づかなかったよ。わぁ。仁ちゃん。カッコよくなったね。すごーい。」
苦笑いしながら仁ちゃんは
「相変わらずなりまでホッとしたよ。」
「相変わらず?小学校から変わってないってこと?少しは成長したと思うんだけどなぁ。」
「いや…。性格がそのまま天使りまで安心したよ。」
「なにそれ。天使りまって。」
「天使のように性格が滲み出てる可愛いりまって事だよ。」
「わかんない。」
「いいよ。わかんなくて。」
「面白い子ね。りまって。」
わぁわぁ。
ひかりさんからりまって言われた。
「で、りまはここで花壇のみずやりしてたのか。」
「そうそう。ここ手入れされてなかったから気になって、それで早く来てやってるの。そしたら聞いちゃいけないような話聞こえてきてどうしようかと思ってた。あ、私聞かなかったことにするの得意なので大丈夫です。」
「そんなのりまの顔見た瞬間に大丈夫だって思ったから大丈夫。」
笑顔でそう言うひかりさん。
「普通こういう状況で普通科の女子に合うと間違いなく仁をポーッと見つめるものなのにキラキラした目で私の方見られるとちょっと恥ずかしいよね。」
「あ、すみません。本当綺麗だなと思って。私、ひかりさんが出てるドラマ見てて、本当うまいなぁと思って。実は中学生の時演劇部だったので。ひかりさんの演技に憧れます。」
「そう言ってもらえると嬉しい。」
本当に嬉しそうな顔をしてくれるひかりさん。
「へー。演劇部だったの?」
仁ちゃんがそう聞いてきた。
「うん。従兄妹がなんか入れって。卒業生なんだけど脚本とか書いてて、お前も演技者として手伝えって。3年間
従兄妹が書いた脚本で舞台たったけど結構好評だったんだ。今大学生なんだけど、なんか脚本使われるだかなんだか?なんか出演しろとか言われたけどそんな暇ないって断った。」
「結構本格的な人なんだ。大学生の脚本家…」
「坂口大和さん?」
「大和お兄ちゃん、有名なんですか?」
「大和さんに出演依頼断るなー!」
いきなりひかりさんがそう言ったと思うと
「私だって出たいのにそれなのに…断るとは…その前に中学生の頃から出演してたとかうらやましい…。」
「大和お兄ちゃんそんな有名なんですね…。夢叶ったんだ。さすがだなぁ。」
「そんな事より出演しなさい!そして私も出演させて!」
「そんな無理ですよ。そもそも大和お兄ちゃんは妥協ゆるしません。普通の高校生の私が中学校の学祭のときとは違う何日もかけてやる舞台に出演するなんて無理ですよ。本当あの人鬼ですよ。」
「はいはい。ひかり、そこまでにしとけよ。それに予鈴鳴るぞ。俺らはいいけどりまはそろそろ行ったほうがいいだろ。」
「わぁ。やっば!仁ちゃん、ひかりさんお会いできて嬉しかったです。では、またお会いできたら嬉しいです。では。」
私は片付けてその場を後にしたんだ。
仁ちゃんに再会できて、憧れのひかりさんとお会いできて、しかも大和お兄ちゃんは凄いっていうのもわかってなんだか朝からびっくりで嬉しい1日のはじまりになったんだ。