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非日常

「僕の名前は、ジルフリード・フォン・ブルグ。フィオナ嬢、君に会いにきたんだ」

 優雅にこちらへ微笑みかける、ジルフリード様。

 普段なら美味しく感じるはずの紅茶も味を感じないほどに、わたしの動揺は隠せない。

「……」

 社交界でも人気の高い、ジルフリード様。

 美しいハニーブロンドの髪はゆるくウェーブがかかっている。ピシッと着こなした正装も流行を抑えていて尚且つお洒落だ。

「君は……変わってしまったね。それでも、僕は君のことが好きなことに変わりはない」 

 綺麗な澄んだアイスブルーの瞳にまっすぐに見つめられる。動かずに固まっているわたしの手を机の上で両手でぎゅっと握りしめ、力強く語るジルフリード様。

「少しずつで良い。お互いのことを知っていこう。今日は驚かせてすまなかった……」

 そういって、目を伏せるジルフリード様。

 紳士的でお優しくて容姿も優れていて、次期公爵家跡取りの25歳の微笑みの麗人。憂い顔ですら格好いいのだから、イケメンはやはり得だと思う。

「ジルフリード様はなぜこちらへ?」

 努めて冷静な声で聞いてみるものの、心臓が煩い。

 調子が狂う。いつものわたしじゃないみたいだ……。

「突然の訪問でごめんね。君のことがどうしても忘れられなくて……」

 先ほどからの言葉の節々に感じる、違和感。

 変わってしまったねや忘れられなくてという言葉は、まるで今回会ったのが初めてのようには感じられない。

「ジルフリード様……」

 こんな時、どんな反応をしたらいいのかわからなくて、わたしは彼の名前を呟く。

「ジルと呼んでほしい。フィー」

 熱い眼差しで告げてくる、ジルフリード様。

 

「……それは、無理です」

 わたしは否定するのが精一杯だった。

表情はほとんど変わりませんが、内心動揺しまくっているフィオナちゃん。ジルフリード、落ち着いて‼︎

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