第99話 ユリカ、愛の告白?
オレは思わず、言葉を失った。ユリカの豊かなおっぱいが、オレの胸に密着している……や、柔らかい……!
「ナ、ナリユキ君! ナリユキ君だけは、私のことを信じてくれるよね!? 私が無実だって、信じてくれるよね!?」
瞳を潤ませて、オレの顔をじっと見つめるユリカ。か、かわいい……!
「べ、ベルファ!? いくら何でも、お前の勘違いじゃないのか? 2人の警備兵が盗んだ可能性だって、消えた訳じゃないんだろ?」
オレはベルファに尋ねたのだが、彼女はそれを完全に無視して、ユリカへ話しかけた。
「ふうん……ユリカ。あんたって、ナリユキのことが好きだったのね?」
「そうよ! 私は、世界で一番、ナリユキ君のことが好きなのね!」
ユリカは断言した。そ、そうだったのか……!
しかし、ベルファの質問は続く。
「なるほどね……やっぱり、お金や宝石よりもナリユキのことが好きなんだ?」
「当たり前じゃない! 私の愛は本物なのね! ナリユキ君さえいてくれれば、私はお金も宝石もいらないのね!」
ユリカのその言葉を聞いた瞬間、オレは彼女を突き飛ばしていた。
「きゃああああっ!?」
悲鳴を上げて、床へ崩れ落ちるユリカ。
「ナ、ナリユキ君!? どうして……!?」
ユリカは瞳に涙を浮かべて、オレを見上げるが……その彼女の頭頂部目がけて、ベルファの杖が振り下ろされた!
「ぐわああああっ!?」
不気味なほど低い声を発して、ユリカは地面を転げ回った。
「お、おのれ……なぜだ……!」
姿や声はユリカのままだが、口調はさっきまでとは全く違う。
憎らしげな目をギラつかせて、オレとベルファを交互に睨んだ。
「ついにボロが出たわね、ダナシャス! 本物のユリカは、お金や宝石がいらないなんてセリフ、死んでも言わないのよ!」
勝ち誇ったように叫ぶベルファ。
「うんうん。その通りだ」
オレは思わず頷いていた。