表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界忍者はナリユキまかせ  作者: 宗谷ソヤナー
第5章 怪盗との対決
95/105

第95話 ダナシャス、現る!

「ナリユキとベルファはボクについて来て! レゼルブさんは、警備さんと一緒に宝石を守ってください! お願いします!」


 ユリカの悲鳴を聞きつけたエアリスが、素早くオレたちに指示を出した。オレとベルファは、エアリスを追うように大広間を飛び出して廊下を走る。

 台所は照明が消えて、真っ暗になっていた。台所の一番奥に大きな窓があり、その窓を塞ぐかのように誰かが立っている。あいつがダナシャスか……?


 窓の外には満月の光が差し込んでくるのだが、ダナシャスは窓の白いカーテンの裏にいるようで、顔は陰になって確認できない。スーツらしき服を着ていて背中にマントを装着しているのだけが分かった。


「あわ、あわわわわ……」


 台所の隅で、ユリカが腰を抜かしたかのように、床にお尻をついて、震えながらダナシャスを指差していた。


「ユリカ、大丈夫か!? ここは危険だ。お前は下がってろ!」


 オレは叫びながら、ユリカのそばへ駆け寄った。しかし、そんなオレたちをダナシャスは嘲笑った。


「ふははははっ! この怪盗ダナシャスを捕らえようなどとは、笑止千万! 全て無駄な努力なのだよ!」


 どうやら、まだ変身もしていないらしい。中年の男の声だ。


「ナリユキ! フォーメーションBだ! ベルファは正面から魔法で攻めて!」

 

 エアリスの指示が飛ぶ。彼女は同時に窓のある壁の左側まで走って、壁に身を寄せた。逆にオレは窓の右側の壁まで走って、エアリスと同じように壁に身を寄せる。左右からの挟み撃ち作戦だ。お互いにダナシャスまでの距離は、4~5メートルといったところか。

 そして、台所の中央に立つベルファは、呪文の詠唱を始めていた。


「全てを燃やし尽くせ! ファイヤーボール!」


 ベルファが魔法で放った炎の球は一直線にダナシャスまで飛んでいき、そして見事に命中した!


「やった!」


 オレは、思わず叫んでいた。オレとエアリスが壁際で身構えていたから、逃げ場を失ったのだろう。

 ダナシャスはカーテンもろとも体中が炎に包まれ、その場に立ち尽くしたままだ。


「おかしい……なぜ、よけないの……?」

 

 ベルファが、不審そうな声を漏らした。しかし、今は千載一遇のチャンスだ。そんなことを気にしている場合では無い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ