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異世界忍者はナリユキまかせ  作者: 宗谷ソヤナー
第5章 怪盗との対決
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第85話 謎の事件

「エルディア姫、泣かないでほしいのね」


 さすがに気の毒に思ったのか、ユリカが姫様に優しく声をかけた。彼女は残念女子だけど、意外なところで気配りができる。


「それで……私たちはこれからどうしたらいいの? 新しい任務はあるの?」


 彼女は、続けて姫様に問いかける。


「本当は、みなさんに休みを取ってほしいのですが、一つだけ解決してもらいたい事件があるのです」

「へ? 事件?」


 オレは、思わずマヌケな声を出してしまった。いけないいけない。


「そうです。まずは、冒険者ギルドへ向かってください。その受付で、解決してほしい事件に関するクエストを受けるのです。冒険者ギルドへは、私が遣いの者を送って話を通しておきますので」

「わ、わかりました……」


 オレは少し戸惑いながらも返答した。解決してほしい事件って、いったい何だろう?

 

「そして、そのクエストを達成する、しないに関わらず、終了したらしっかり休みを取ってくださいね。休みを取るのも、大事ですよ?」


 姫様はそう言って、ニッコリと微笑んだ。さっきまで辛い表情をしていただけに、その笑顔が眩しく見えた。


「えっ? でも姫様の方こそ、全然休みを取ってないじゃない。そんなに仕事ばっかりしてたら、体を壊すわよ?」


 ベルファは心配そうに声をかけた。口は悪いが、それなりに姫様のことが気になるのだろう。根は悪いヤツじゃない。


「私なら大丈夫ですよ。久々にみなさんと会えて、元気をもらうことができましたし……本当は、みなさんとは仕事でのお付き合いではなく、友達としてお付き合いしたかったくらいですから」

「何言ってるの! 私はエルディア姫のこと、友達だと思っているのね!」


 少し寂しそうに微笑む姫様に、ユリカが元気よく声をかけた。

 おいおい……ユリカにツッコもうと思ったが、やめておいた。

 組織を率いるトップという存在は、意外と孤独なのかもしれない。きっと、姫様には友達がいないのだろう……そう思ったからだ。


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