表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界忍者はナリユキまかせ  作者: 宗谷ソヤナー
第4章 最初の使者
73/105

第73話 ゼグロンの猛攻

 しかし、エアリスはユリカほどのアホではない。


「こ、国王陛下! ご無事ですか!?」


 連れて来た5人の衛兵たちとともに、眠っている国王のそばへ駆け寄った。これで、国王を人質に取られる心配も無くなった。


「たかが人間ごときが……ここまで私にダメージを与えるとは……許さんぞ……!」


 青いフレームの眼鏡の奥に宿る眼光をギラつかせて、オレたちを睨みつけるゼグロン。大量の汗までかいていて、全く余裕は感じられない。


「サンダーフレア!」


 ゼグロンの右手が激しく光った。さっき放った電撃の魔法だ。

 しかも、今度は放った光が3つに分かれていく。


「くっ!」


 オレは、ギリギリでそのうちの1本をかわした。だが、残りの2本は……。


「きゃあああ!」


 同時にベルファの悲鳴が響き渡った。やはり、ベルファとユリカも狙われていたのか……!


「ベルファちゃん!」


 不幸中の幸いか、ユリカは偶然にも電撃をよけていたらしい。慌てて、倒れたベルファのそばへヒーリングをかけるべく走り寄った。


「よくもベルファを……! こうなったら、ボクが相手だ! キミたちは、陛下をお守りして!」


 すっくと立ち上がったエアリスが、そばにいた衛兵たちに指示を出す。お前、意外とリーダーシップがあるね。やっぱり、勇者を目指していると、こうなるのか?


「いくよナリユキ! フォーメーションBだ!」


 エアリスが、今度はオレに指示を出した。ちなみに、この手の作戦内容って、全部エアリスが考えてくれている。短期間だけど、一応練習させられたんだよね。

 オレはゼグロンへ向かって走り出し、エアリスもオレの動きに合わせるように走り始めた。

 そして、オレはゼグロンの右手側へ、エアリスは逆に左手側へ回り込み、ヤツの真横の位置から同時に襲いかかった。

 つまり、挟み撃ちだ。これなら、よけられないだろ!

 しかし、ゼグロンはその場で真横に両手を突き出して叫ぶ。


「ダブルトルネード!」


 その瞬間、左右の両手からそれぞれ天井まで届くほどの高さの竜巻が生まれ、オレは一瞬で飲み込まれてしまった。空中で激しく回転させられたあげく、最後は壁に背中を叩きつけられ、その反動で床へうつ伏せになって倒れ込んだ。


「ぐはっ!」


 そして、その数秒後に激しい金属音を立てて、名刀『鉄子』が部屋の隅へ転がり落ちた。しまった……唯一の武器が……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ