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異世界忍者はナリユキまかせ  作者: 宗谷ソヤナー
第4章 最初の使者
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第56話 街道を西へ

「それでは、みなさん。道中は気を付けてくださいね」


 エルディア姫はオレたちに親書を渡すと、心配の声をかけてくれた上に、わざわざ城門まで見送りに来てくれた。本当に優しい姫様だ。

 西に位置するウェルゼナ王国への国王へ、同盟を結ぶための親書を渡す。それが、オレたちの今回の使命だ。

 そのメンバーであるオレ、ユリカ、エアリス、ベルファの4名は、意気揚々とザナトス王国を出発した。ウェルゼナ王国までは街道が伸びているが、徒歩で5日ほどかかる。帰りも考えれば、かなりの長旅だ。



 途中で、ブタとイノシシと人間を掛け合わせたような獣人のオークとか、ゴブリンとかが襲ってきたりもしたが、オレたちの敵ではなかった。姫様からもらった伝家の宝刀『鉄子』を使う必要すらなく、オレは素手でこれらのモンスターをブッ飛ばしていった。

 こう話すと、オレが戦いを楽しんでいるように見えるかも知れないが、決してそうではない。この異世界リーデシアに来る前のオレは、学校で『チキン』と呼ばれていたくらいの臆病者だったし、血を見るのも苦手だったのだ。


「ピークニック、ピークニック、やっほー、やっほー♪」


 しかし、そんなオレを尻目にユリカは妙な歌ばかり歌っている。ほとんど観光気分だ。

 肉弾戦をやっているオレやエアリスがほどんど無傷なので、回復役の彼女はどうせ出番が無いのだとタカをくくっているのだろう。いい気なもんだ。

 良かったのは、まともな宿に泊まってベッドの上で寝られた事くらいだ。街道なので、途中に宿屋があったのだ。


「ナリユキ、あんたは奴隷なんだから外で寝なさいよ!」


 ベルファは最初、こんなキツい事を言っていた。コイツは、相変わらず人使いが荒い。もう少し、優しくなってくれないかなあ。



 そして、3日目で国境となる関所を越え、5日目の夕方に予定通りウェルゼナ王国の都に到着した。

 国王への謁見は、その翌日に行く事になった。

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