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異世界忍者はナリユキまかせ  作者: 宗谷ソヤナー
第3章 平穏な日々
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第47話 衝撃の出会い

 オレが目の前の男の事を思い出そうとしていると、向こうから声をかけられた。


「おぬしは、もしかしてナリユキか?」


 えっ!? この男はオレの事を知っているのか!? とりあえず答えよう。


「その通りだよ。オレの名はナリユキ。なぜそれを知っているんだ?」

「娘から、いろいろ聞いておる。娘は絵を描くのが趣味でな。おぬしの顔を描いた絵を見た事があるのじゃ」


 娘? この人の娘って、誰だ?

 オレの頭の中は、ますます混乱していた……その時だった。


「へ、陛下ぁ~っ! 困ります陛下! 王城へお戻りください!」


 小柄な貴族風の男が、こちらへ走って来た。歳は40歳くらいだろうか……えっ!? 今、陛下って言った!? ……って事は、もしかして……オレは震える声で尋ねた。


「あ、あんたって、もしかして国王様…………?」

「いかにも。ワシはこの国の王、ザリウス13世じゃ」

「シェー!」


 驚きすぎて、思わず昭和のギャグをやっちゃったよ! ポージングまで完全に! 赤塚先生ごめんなさい!

 そうか……見覚えがあると思ったのは、エルディア姫の父親だったからか……道理でエルディア姫に似ているし、ちょっとイケメンな感じだしなあ……。

 

「へ、陛下! こんな場所で遊んでいる場合ではございませぬ! 早くお戻りください!」

「うるさいのう、ターバル。今、いいところじゃったのに」


 国王は顔をしかめて、ターバルと呼ばれた男に連れられカジノを去って行った……。あのターバルって人、たしか参謀だったよな……あの人も国王に振り回されて大変だなあ。

 あっ! ベルファの事を忘れていた!

 オレは急いでベルファの元へ戻ろうとスロットマシンが並ぶ場所を歩いて行ったのだが。


「よし! いいわ! あと一息よ!」


 今度は、聞き覚えのある声がした。女性の声だが、ベルファじゃない。

 …………ん?

 オレは声のする方を振り返った。紫色の長い髪を下げた黒のタキシード姿の女性がマシンに向かって叫んでいた。

 美しい顔立ちだし、タキシード姿もキマっているんだけど……どこかで見たような…………?


「あああっ! お前は女神フェリオ!」


 思わず大声で叫んだ。オレをこの異世界に送った張本人だ!

 

「あっ、ナリユキ君! ちょっと! シーッ! シーッ!」


 オレの声に気付いたフェリオは、大慌てでオレの目の前に来て自分の口に人差し指を立てた。オレは構わずにツッコむ。


「アンタ、女神なのにこんな所で何やってんですか!? そもそも女神なんだから、お金なんか必要ないでしょ!?」

「や~ねえ。これはタダの気分転換よ! 神様をやってると、たまには羽を伸ばしたくなるのよ!」

「魔王が出てきて大変だとか言ってたのに、こんな事をやってる場合じゃないだろ! マジメに仕事しろよ!」


 全く悪びれる様子の無いフェリオへ、更にツッコむ。もう敬語など使っていられない。そんなやり取りをしている所へ、今度はローブ姿の男が駆けつけて来た。


「フェ、フェリオ様! どうか神殿へお戻りください!」

「あっ、エドモンド君! しょ~がないわね、いいところだったのに……。じゃあ、ナリユキ君またね! 応援してるからね♪」


 最後に投げキッスをして、フェリオはエドモンドに連れられ去って行った。

 オレは、あまりの出来事の連続に、ガックリと膝をついた。

 もう終わりだよこの国…………。


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