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異世界忍者はナリユキまかせ  作者: 宗谷ソヤナー
第2章 クエスト攻略戦
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第36話 立ち上がれ

「お、重い……」


 目が覚めた時、周りは真っ暗だった。

 オレは、落ちて来た塔の天井の下敷きになっていた。瓦礫を退けて、起き上がれるだろうか?


 ガラガラガラ……


 あ、背中の瓦礫が動いた。これは、どうにかなりそうだ。

 オレは少しずつ背中を持ち上げて、背中に乗っている巨大な瓦礫を動かしていった。ある程度動かしたところで、今度は両腕を使ってゆっくりと持ち上げていく。異世界でオレにとっては低重力になっている状況だけど、結構重たい。


 ドゴン!


 大きな音を立てて、瓦礫を脇へずらした。


「ふーっ」


 オレは思わず、深いため息を吐いた。

 オレの足元では、ユリカがうつ伏せになっていた。大丈夫だろうか?


「ユリカ、しっかりしろ! 目を覚ませ!」


 ユリカをあお向けにして、彼女の両肩を揺さぶった。


「ふにゅにゅ? おはよーナリユキ君……」

 

 ユリカはすぐに反応した。あまりにもマヌケな反応なので、ズッコケてしまった。どうやら全くの無傷らしい。ホッとしたけど、何だか少しイラッとした。ユリカは起き上がってオレに尋ねる。


「わ、私はナリユキ君のおかげで無事だったけど、ナリユキ君は大丈夫なの?」


 前言撤回。プリーストという職業だからかも知れないけど、こうしてオレの体の心配をしてくれるあたり、少しは良いとこあるじゃん。


「まあ、無事ってワケでもないけどな。体のあちこちが痛いけど、骨が折れたり、激しい出血は無いから何とかなるだろ」

 オレは立ち上がって、周りを見渡す。ゼグロン、グリフォン、石像の姿は既に無い。エアリスとベルファは無事だろうか?

 爆発の影響で、塔の天井はほとんど消し飛び、中央の柱と壁の一部だけが残されていた。あの魔法を直接食らっていたら、オレ自身も同じように消し飛んでいただろう……その破壊力に、背筋が凍る思いがした。



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