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異世界忍者はナリユキまかせ  作者: 宗谷ソヤナー
第2章 クエスト攻略戦
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第26話 発動! 緊急クエスト

 デビルカタツムリ5匹討伐を完了したオレたちは、その翌朝に冒険者ギルドでライムから報酬を受け取った。キツかったけど、途中でリタイアしなくて良かった……。


「おめでとうございます! これで『チームナリユキ』は『竹ランク』へ昇格です!」

 

 ライムも我が事のように喜んでくれた。本当に良い子だなあ……。


「ありがとうライム。おいユリカ、報酬も手に入ったし、今日一日くらいはパーッと羽を伸ばそうぜ!」


 オレがユリカの方を振り返ろうとすると、


「ちょ、ちょっと待ってくださいナリユキさん! 実は相談があるんです!」


 ライムが受付窓口から腕を伸ばして、オレを引き留めようとする。


「何だよライム、相談って?」

「ナリユキさんたちが昇格した『竹ランク』で、緊急クエストが発生したんです。できれば、それに参加してもらえればと思って……」


 オレの問いに、ライムは申し訳なさそうに頭を下げた。ユリカも質問に加わってくる。


「緊急クエストって何なの? 詳しく説明してもらえるかな~?」

「昨日なんですが、ギルドの冒険者が魔物を退治した時に、その魔物から情報を入手したんです。『西の塔の最上階に、魔王軍の秘密兵器が保管されている』と」


 ひ、秘密兵器……だと……!?


「いったい何だ? その秘密兵器というのは?」


 だが、ライムは首を横に振りながら答えた。


「具体的に、それが何なのかはわかっていません。あくまでも私の推測ですが、伝説の魔剣や妖刀の類であるとも考えられます」

「その秘密兵器というのを、持ち帰るのが依頼内容か……」

「はい。昨日のギルド職員会議で決定しました。秘密兵器を魔王軍に使われる前に、人間の手で奪取するべきだという結論に至ったのです。この件を緊急クエストにしたのは、一刻も早く秘密兵器を手に入れたいからです」


 う~ん、秘密兵器が何かわからないのは不気味だな。このクエスト、受けてもいいものか……?


「でもでも~? その情報ってホントなの? ガセ情報じゃないの?」


 あっ! ユリカのヤツが初めてまともな事を言ったぞ!?

 その質問に、ライムの表情が曇った。


「そうなんですよね……。発言をした魔物も今は死んでしまって……ガセの可能性も否定できません。このクエストを最高ランクの『松』ではなく『竹』にしたのも、そのためです」

「空振りかも知れないのか……だとすると、あまり行きたくないな……」


 悩むオレだったが、ここでライムは衝撃的な発言をぶつけてきた。


「実は、エルディア姫様からナリユキさんにこのクエストをチャレンジするよう、ご指名を受けているのです」

「ええっ!? 姫様にこの事を話したの!?」

「はい、昨日の夕方、ギルドマスターが王室へ相談しに行ったら、エルディア姫様が対応してくださって。もしナリユキさんが達成できたら、王城の庭園で2人きりでゆっくり話がしたいとおっしゃっていました」


 2人きりで? それって、もしかして……?


「行く! 行く行く! オレ、このクエスト引き受ける!」


 オレは迷わず宣言した。隣でユリカがオレを白い目で睨んでいたような気がするが、気にしないことにした。


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