表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本連邦共和国  作者: トースト
第2章
40/40

シャルテイン連合王国

シャルテイン連合王国 

5つの地域、国家によって構成されたシャルテイン連合王国の事実上のトップであるルーペン首相は外務大臣の報告を聞いていた。


「……以上より日本連邦は我が国より進んだ技術を持っている可能性が高く、外交官の護衛のためだけにあれほどの艦隊を送り込める軍事力、国力は我が国にとって脅威であることは明白であります。あのような未知な国とつながりを深めることは危険ではございますが、海外の植民地を失ったことで多くの物資の供給が減っている現状、それらの資源の多くを輸出することが可能だと言っている日本連邦とは国交開設を進めるべきでしょう」 


机に広げられた各種資料大臣は読み上げていく。恐ろしい量の資料を日本連邦との初交渉からたった数日で用意してみせた外務省は相当な危機感を国交交渉に臨んでいるということがうかがえた。実際我が国の最新鋭空母よりはるかに巨大な空母始め、何隻もの巡洋艦によって構成された異世界の艦隊が訪れたことは国民に転移事変なみの衝撃を与え、新聞の一面を飾っていた。異世界の艦隊の監視につく我が国の巡洋艦は実際以上に小さく見え、心細く感じたのは私だけではないだろう。


幸いこれほどの規模の艦隊を派遣してきた日本連邦であったが、戦争をやりに来た意図は全くなく、この艦隊は外交官の護衛のためだけに用意したらしい。とはいえ我が国を威圧するという目的はあるのだろう。実際効果はあったのだろう外務省は日本連邦との交渉を最優先事項にし、相当の役職のものが対応しているとのことだ。


「現在国内では足りなくなった各種物資の増産を急がしていますがやはり、そもそも国内では採掘できないとしてどうにもならないものも多いのが現状です。各種物資の輸入は可能かとパリス共和国やロマーナ王国に打診したのですが、彼らも植民地を失ったことで物資不足に陥っており我が国に多くの物資を融通することは難しいとのことでした。転移事変が起きてから東側の陣営の動きがどうもきな臭く、早急に資源問題を解決すべきかと考えます」


転移事変が起きてから1か月後、初めて我が国に接触してきた未知の国、日本連邦共和国。異世界の未知なる国家とつながるのは危険ではあるが、背に腹は代えられない。変に慎重になり国力が低下するのはいつ戦争が起こるかわからないような情勢では危険でしかない。


「我らの陣営は植民地失って国力が低下しているだけではなく、合衆国を失ってしまったからな。仕掛けるなら今だと思っているのだろう。早急に日本連邦との国交交渉を進め、各種資源の輸出を求めるのだ」


「精一杯努めさせていただきます」


外務大臣の報告を聞くに向こう側も各種物資の輸出について前向きであるようだし、国交開設はうまくいくだろう。今の世界情勢を考えるとやはり兵器輸入も行いたいところであるが見知らぬ異世界国家に武器を売ってくれる可能性は低いだろう。



シャルテイン連合王国と日本連邦共和国の交渉は両国の情報交換などにそれなりの日数を使ったが、同じ民主主義国家であることもあって、無事何事もなく国交開設が行われた。1か月後には不足している各種物資が日本連邦によってもたらされるのであった。ただルーペン首相が望むような兵器輸出や技術供与などは日本連邦側も慎重であり、認められなかった。それでも両国交流は活発に行われており、国交開設されてすぐ両国が使節団の派遣を決定した。



シャルテイン連合王国に停泊していた艦隊は再び外交官を乗せて新たな異世界国家との交渉へと向かうのであった。



ベルリット大陸との接触が行われてからしばらくの間、日本連邦企業の進出は認められていなかった。これは東西陣営の対立激化しており、いつ戦争の起こるかわからないベルリット大陸に企業が進出することは危険であると政府が判断していたためであった。しかし地球計算で第二次世界大戦後の文明であるベルリット大陸の人々は購買力が高く、魅力的な市場であるため進出したいという経済界から声が強く、シャルテイン連合王国との国交開から約3か月後、2035年10月16日政府はベルリット大陸への進出を認めた。実際に進出できる国は国交のある主要国5つであり、ほとんどの企業がシャルテイン連合王国に進出した。これは独裁政治が行われているゲルニア帝国、ルシア共和国や排他的な国民性をもつパリス共和国に進出するのはリスクが高いと企業らが判断したためである。資源不足で困窮したシャルティア連合王国に多くの物資を日本連邦は輸出していたため、連合王国の国民は他の主要国と比べて親日的であり、多くの企業が進出することになったのだ。


依然として日本連邦共和国政府としてはベルリット大陸への進出はリスクは高いと言い続けていたが、あまり効果はなく、初めは尻込みしていた企業も先に進出した企業が大成功している様子が報道されると次々と進出していくようになった。


技術で80年近くの差をつけている日本企業の商品はベルリット大陸の人々にとって破格の値段であるにかかわらず飛んでもなく高性能であるため、飛ぶように売れることになる。これに味を占めた日本連邦企業はベルリット大陸へのより多くの製品を販売し、各国の経済に大きな影響を与えた。初めのうちはリスクが高いとして進出を控えていたゲルニア帝国、ルシア共和国、パリス共和国にも次々と進出するようになった。これらの国でも日本連邦企業の製品は飛ぶように売れ、こんどはベルリット大陸の他の国家にも進出できるようにと政府に運動を起こそうと多くの企業が企んでいたころ事件は起きる。



「報告します。ゲルニア帝国とパリス共和国の国境線付近で両国の守備隊の間で戦闘が発生し、両国の兵士数十名が死亡しました。これをきっかけにゲルニア帝国がパリス共和国に宣戦布告これに呼応しシャルテイン連合王国、ルシア共和国が参戦しました。この4つの主要国の影響圏の国々も次々と対立陣営の国家に宣戦布告しており、大陸中が戦争が広がっています。」


2036年6月のことであった。








お久しぶりです。投稿ずっとさぼっていて本当にごめんなさい。長期休みに入って久しぶり書く気になったので投稿させてもらいました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ