表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本連邦共和国  作者: トースト
第2章
39/40

欧州に似た世界

2035年 某日 外務省執務室


「B大陸の内の1国と国交開設がかなったと聞いたが、詳しく説明を頼む」


外務省職員が資料を手に持ち説明を始める。


「わかりました。まずB大陸全体の概要を説明します。B大陸は彼らはペルリット大陸と呼ぶらしいです。ペルリット大陸は日本大陸の南東約2200kmに位置し大きさが日本大陸の約3倍ほど。大小20ほどの国家が存在するようです。文明レベルは我々の冷戦初期ごろのと予測しています」


外務大臣はティーカップを口元からおろした。


「なんとなくペルリット大陸のイメージはつけた。次に我が国が国交開設を行った国について説明を頼む」


「我が国は大陸西部沖合に位置するの島国シャルテイン連合王国と国交開設を行いました。人口9000万人国土面積39万km²。王国ではありますが、この国の国王に政治的権力はなく実質民主主義国家です。この国は元の世界では多数の海外領土を保有した植民地帝国でしたが、今回の転移事変で本国だけになったようです。植民地との通商が途切れた結果物資不足が深刻だと」


「聞く限りまるでイギリスを一回り大きくしたような国家だな」


「はい文化もイギリスと似てるとか、国交開設交渉では休憩時間に紅茶とスコーンのようなお菓子が出され、紳士服に包んだ連合王国大使が紅茶を飲む光景はまるでイギリスに行ったようであったと我が国の大使は言っていました」


大臣は不思議そうに首をかしげた。


「文化までイギリスに似てるのか。というとペルリット大陸には他にもヨーロッパと似た国家はあるのかもな」


「かもしれません。まあそれはいいとして、先ほど言った通り連合王国は物資不足が深刻のようで我が国から輸入を行いたいとのことらしいですが、どういたしますか」


彼にとって文化の話はあまり興味がないようであった。


「特に支障なく国交開設できたようだし、特別侵略的な国家というわけではないだろう好きにやってくれたまえ。技術流出が起きすぎないようにな。後で輸出する物資の資料を頼む」


「了解です」


再び説明にもどった秘書官はペルリット大陸について説明を始める。


ペルリット大陸はシャルテイン連合王国を入れて5つの主要国と呼ばれる国家があり、その5つの国家が東西陣営に分かれ激しく対立しあってるらしい。職員の説明はペルリット大陸の情勢から各主要国についての解説に変わる。


「何度も戦争が起きたゲルニア帝国とパリス共和国,シャルテイン連合王国の中が険悪なのか。逆に西側陣営でありながらロマーナ王国はゲルニア帝国とも仲がいいと」


「政権が変わったことによってロマーナ王国は西側陣営になったようで、いまだ民間でのゲルニア帝国との交流は多いらしいです」


「名前も陣営をころころ帰るところもヨーロッパのパスタ好き国家に似てるな。すまん笑ってしまった続けてくれ」


ほくそ笑む外務大臣を無視して職員は話を続ける。連合王国の軍事についての説明に変わると外務大臣は気を引き締め、熱心に職員の話を聞くようになった。


「ジェット機,ミサイル技術は開発されてるようだしやはり核兵器をもってるのか」


連合王国で使用される戦闘機の写真を見ながら質問する。


「はい。連合王国のみならず、すべての主要国が核を保有してるようです」


外務大臣は顔をしかめ、職員に質問する。


「ペルリット大陸では核はどのような立ち位置なのだ。核による環境,人間への影響を気にせず使うのような国とは接触したくないのだが」


「幸い、ペルリット大陸においても20年前当時の列強の1国であったルシア連邦での内戦で核兵器が首都で使われ30万人近くがなくったことで、禁断の兵器という扱いになったようです」


「まあそれはよかった」


地球と核の扱いは大して変わらないことに少し安心したようであった。


「では最後に我が国の今後のペルリット大陸での動きを説明します。我が国は東西陣営関係なくペルリット大陸国家との国交開設を進め核戦争の回避を第一に動きます。また無駄な摩擦を起こさないためにも民間企業の参入はしばらくさせません。貿易は国家同士の取引に限らせます」


「うむ。相手は核を持っている不用意な行動はとらないように」






大西洋水深3000m


太陽の光が届かないこの暗黒の世界にはわずかな生物しかいないはずなのだが、そこには体長15mを超える異形の生物がひしめいていた。見た目は一昔前に流行った映画の王蟲にかなり似ている。


この王蟲にた生物はカイロウチュウと呼ばれている。深海に生息しており自分の体ほどの大きさの透明な管を作るという性質を持っている。この管は極めて頑丈であり、野砲の砲撃でも壊れず、理論上水深8000mまで押しつぶれない。


カイロウチュウを使って海中に作られる通路のことを海道と呼ぶ。ウマガード魔法帝国では民間では島と島を結ぶ道路として使われているが、軍用のより強度を上げられたものは自国と敵国を結ぶ補給網として使われている。


魔法帝国はいくつもの戦争で海道を使ったが深海に大量の兵士,装備を運ぶ海道があるなんて気づくことができた国はほぼ存在せず、運よく気づいても深海に海道を壊せるほどの攻撃をできる国などいなかった。


今までは。


無人潜水艦を使って深海生物の研究を行っているとある大学の研究チームに魔法帝国の海道を発見されることになる。


海道の発見はいくら海上封鎖しても補給が切れる気配のない魔法帝国に苦しんでいたnato軍を狂喜乱舞させ、すぐさま攻撃が決定された。


2036年6月某日 米軍原子力潜水艦による魚雷攻撃により海道を使用不能にすることに成功した。


海道攻撃成功の知らせは大々的に報道され、これで戦況が優勢になると人々に希望を与えることになる。



ウマガード魔法帝国異界侵攻軍総司令部



「失礼します。第206海道が敵軍の攻撃を受けました」


通信兵が参謀本部に入り報告を行う。


「一度も攻撃されたことないのだぞ」


「敵軍ではなく深海生物がぶつかったのではないのか」


侵攻軍の補給をすべてつかさどる海道が攻撃されたと知らされ混乱が広がる。


「黙れ。詳細を報告しろ」


「はっ。本日早朝5時ごろ敵軍潜水艇による魚雷攻撃により第206海道敵大陸から20kmの地点を攻撃されました。攻撃により海道に穴が開き大量の海水が流れ込みましたが、近くにいた魔法兵により海道内に障壁を作る浸水を止めることに成功しました」


「第206海道全体が使用不能になる事態は防げたか。被害はどれくらい出ている」


「死者86人行方不明者864人けが人165人です。また1個師団分の装備の損失が出ました」


「行方不明者は死者に数えて構わん。もう生きていないだろう。通信兵の報告感謝する」


「はっ。失礼します」


通信兵は参謀本部を後にした。



被害としては数百本もある海道を1本を一時的に使用不能になったというだけであるが、敵軍は海道を攻撃することができるという事実は大問題であった。対策に海道の周りに生物兵器を配置するという案もあったが、大陸と大陸を結ぶ長大海道を護衛するなど不可能であり、結局できる対策としては海道をより深い地点に作るというものであった。


潜水可能深度に制限のある潜水艦に対し海道をより深い所に移すというのは効果的であった。






































ブックマーク,評価をしてもらえると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です ロマーナ人はパスタが好きそうですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ