中国の進出
中華人民共和国は世界1の人口、世界3位のGDPを持つ東アジアの大国である。共産党による一党独裁体制であり、周辺国と比べて圧倒的な国力をもとに軍拡を推し進めていた。13億という人口には多くのポテンシャルが秘められており、このままの経済成長が続けば5年以内には日本連邦を抜くだろうと予測されている。
そんな中国の東約2300kmの地点に突如出現したのがオルテイン大陸である。オルテイン大陸には無数の文明が存在しており、文明度はまちまちであったものの、高いものだと第二次世界大戦レベルの技術があるのではないかと思われる国も存在した。
その無数の国の内一つオルテイン大陸の西端に位置し人口90万人ほどのタンドロ王国という小国に中国は目をつける。このタンドロ王国は人口,国土面積で上回る国家に囲まれていた。国が山脈に囲まれてという守りやすい地形であるため、幾度となく侵略軍を撃退していたが、敵国との明確な国力差がある以上そのうち滅ばされてしまうのだろうとタンドロ王国の為政者は悲観していた。
そんなときに現れたのが中国である。孤立していたタンドロ王国は藁をもつかむ思いで中国と同盟したのだ。
よくわかんない国と同盟してなんの意味があるんだと思っている者も多かったが、そんな疑いの念はすぐになくなることになる。再び現れた中国使節団は、信じられないほど大規模であった。
タンドロ王国では作ることができない鋼鉄の巨船が何十隻と現れたのだ。王国上層部,国民の驚き要はすごかった。前回の使節団が使った船は大きかったものも王国でもなんとか作れるようなレベルであったため、そこまで問題にはならなかったのだ。
王国には全く理解できない巨大装置を使い中国はあっという間に今にタンドロ王国に新たな港を作り上げ、何隻もの巨船を入港させるのであった。
港ができてから中国の開発ペースはより早まっていった。港の拡張工事をしながらも次々と巨船を入港させ多くの労働者,物資を運び入れていく。大量の労働者によってより開発は進んでいく。労働者や軍人のための住居,娯楽施設,商業施設。タンドロ王国の中に1つの中国の都市が出来上がっていった。
この中国が作った都市であるが、一部の政府高官を除きタンドロ王国民が入ることは基本できなかった。それは治安維持の問題から必要なものではあったが、王国民からの評判は良くなかった。それはそのはず王国一の港湾都市の中に突然異国の都市が勝手に作られていくのだ。しかも鉄条網が張り巡らされてるせいで入ることさえできないのだから。また似たようなことを思っている者も王国上層部にはおり、
「我が国を助けると言いながら、本当は支配しようとたくらんでるはないか」
と唱える者もいた。ただタンドロ王国は周囲を敵国に囲まれている以上中国に頼るしかなかった。
中国とタンドロ王国が接触してから2か月後自体は動き出す。ドリミア連合がタンドロ王国に侵攻してきたのだ。
ドリミア10か国連合とはなにかこの同盟は大陸西部に位置する中小国の同盟であり、計10か国が加盟している。ドリミア連合全体の人は約1300万あり単純に考えて国力差10倍以上あった。タンドロ王国は宗教的違いから入ることはかなわず、逆に仮想敵国として扱われていた。
「同盟国と比べて兵が少なすぎる。予備兵を動員しろ」
「前線付近の住民を避難させるんだ、敵軍はもう近くまで来てるぞ」
「支援が受けられないか各国に打診するんだ。同盟と関係の悪い国なら支援受けれるかもしれない」
ドリミア同盟から宣戦受け、タンドロ王国は大混乱に陥っていた。何とかして同盟に対抗しようとする官僚も多かったが。もうだめだと絶望し、亡命しようとするものも少なくはなった。
多くの官僚が入り乱れ混乱状態になった王宮をより混乱させたのは、突然の中国大使出現であった。
「止まれ。ここは謁見の間だぞ」
一部の冷静な官僚が突然王宮謁見の間に入った中国大使を静止命じるが、止まらず謁見の間中央にまで歩き、やっと止まるのであった。そして手に持つ紙をひろげ読み始める。
「我が国中華人民共和国は同盟国タンドロ王国を侵略しようとするドリミア10か国連合に対し宣戦布告を行う。そして我が国からタンドロ王国に対す要請は一つです。何もしないでください。あなた方がいつも通りの生活を行ってるうちに戦争は片が付くでしょう。あなた方は何もしなくていい」
中国大使は立ち去った。官僚たちは呆然としていた。中国のそこまでの自信はどこにあるのかその時の私にはわからなかった。
結局のところ予備兵の動員も住人の避難も行われた。ただそれが意味のないことに気づくのに対して時間はかからなかった。
何気に投稿し始めてから一年以上たっていました。ブックマークも200超えて、総合評価1000p近づいてきてめっちゃうれしいです。本当にありがとうございました。
まだ投稿が安定しませんがこれからものんびり投稿していきます。どうぞよろしくお願いします。