世界会議1
2036年2月1日アルハイン市
各国の自慢の馬車で隊列を組みながらアルハイン市に入っていく。その馬車列を見ようと多くの市民が集まっていた。周りには多くの屋台が集まっており街はお祭り騒ぎである。
自国の文化,技術を宣伝できる貴重な期会である世界会議。各国の外交官は自国の芸術の粋を集めて作った馬車に乗って現れる。大抵の国が自慢の馬車,騎馬で現れる中、一部の国家は別の乗り物を使って現れるのであった。
「あれはネルマニア帝国の自動車か。馬の力を使わずに動く車、噂には聞いていたが何とも不思議な車だな」
各国の入場を見ていたひとりの商人が言う。
「師匠あっちを見てください。オーラント連邦もエミフェア共和国ヴェルバドル連合も自動車で入場してますよ」
「確かにあの自動車についてる旗は列強国達のは国旗だな。ただなこの目で見るまでこれからの時代自動車が移動手段になるのでは考えてきたが、実際この目で見ると自動車ってやつうるさいし,臭い煙を出す。しかも値段もかなり高いと聞く。我々一般市民が使える日は遠そうだな」
「そんな感じしますよね、僕も一度ぐらいは自動車に乗ってみたいものです。次の入場は日本連邦らしいですよ。トリエステ帝国に圧勝した噂の国家。師匠うちらも見に行きましょう」
「そうだな。日本連邦の外交官は何に乗って現れるのか気になるな」
そう言って人ごみをよけながら前へと進んでいく。
「なんだあれは。馬がつながってない以上自動車であるようだが列強国の物とは全然違うぞ。」
「確かに日本連邦の自動車は列強国のもとは違いますよね。煙を吐いてませんし,とても静かです。それに真っ黒でなめやかな車体が高級感を感じますね。なんというか列強国の自動車と違うというより日本連邦の方が洗練されているというのが正しい気がします」
「こんな自動車でやってくる国、日本連邦ますます気になるな。まあ私たち商人としては世界会議に日本連邦が多くの特産品をおさめてくれることを願うか」
世界会議か各国の外交の場であるが商人にとっては世界中の特産品を得られる可能性のある貴重な商売日である。各国は一定額の商品を世界会議におさめることを義務付けられている。世界会議はこの商品をオークションにかけ、手数料を得ることでこの会議の費用を賄っているのだ。ちなみに各国がおさめる特産品に下限はあるが上限はなく余裕のある国、主に大国は競い合って多くの特産品を納めるのであった。
世界会議アルハイン市本部
アルハイン市中央にあるアルハイン市本部は煉瓦製の巨大な施設である。施設内には1000人以上が収容可能な大会議場他いくつかの小会議場が20以上あり、小会議場は加盟国が申請させすれば自由に使える空間となっている。世界会議は特に中立性の高い機関であるためここの会議室は特に重要な国家間の取り決めを行うためによく使われている。実際世界会議を使って講和交渉を行う国も多いい。
各国の大使とお付きの者がそれぞれの国家の名前が書かれた席に着く。最前列は列強,準列強の席でありほかの後列のものより大きく豪華である。列強,準列強の次は世界会議に加盟した順である。そのため今回加盟した日本連邦はもちろん最後列である。
「世界各国の大使の皆さん約10年ぶりお会いできて私世界会議議長サンセス・グワードとてもうれしく思います。この激動の時代多くの国が誕生し,滅んでいきました。私は滅亡し今会議に出席できなくなった国々に深く追悼の意を表します。そして列強国に承認され世界会議に初めて訪れた国の皆さんおめでとうございます。あなたの国は世界に認められたのです。世界はここアルハイン市に集まりました。この世界会議自体には何も権力を持っていませんが、本日2月2日から1か月間世界会議は開かれます。私はこの世界会議期間中に各国の様々な問題が解決されることを望みます」
サンセス議長に向かって盛大な拍手が送られる。
「まず世界会議初登場国家の紹介をしたいと思います。ではみなさんが気になっていただろう謎の新興国日本連邦共和国からしていただこうとしましょう日本連邦の大使は前に」
後列に座っていた日本連邦大使は立ち上がり中央の演説台へと向かう。
「各国の大使の皆さんこんにちは日本連邦共和国大使の宮沢ですどうぞよろしくお願いします。まずこのような歴史ある場に招待していただいた列強国と世界会議に心より感謝いたします」
感謝の意を伝えながら各国の大使席に向かってお辞儀を行う。
「では早速我が国について紹介させていただきます。我が国日本連邦はパーク大陸の東にある日本大陸と呼ばれる大陸にある国家です。そんな大陸あるなんて聞いたことはないぞと思っている方も多いいでしょう。それもそのはず約半年前までこの世界には日本大陸などというものはありませんでした。いや正しくは半年前あなた方が世界と言うパーク大陸は私たちの世界に突如出現したのです。我が国はこの世界の国家と新たな関係を築くために訪れました。皆さんよろしくお願いいたします」
再び大使席に向かって深くお辞儀をする。世界会議の演説で突然荒唐無稽なことを言いだした日本連邦大使に各国の大使達は唖然としていた。演説が終わっても拍手はまばらであり少し経ち自席に戻る日本連邦大使に向かって盛大な拍手送られているのであった。ただ何人ものの大使は拍手を送りながらも御付きの者に日本連邦が言っていたことはどうなのかと聞いていた。それは列強国の大使も例外なかった。
ヴェルバドル連合大使
「日本連邦が言っていることは本当なのか」拍手を送りながら隣に座る秘書に聞く。
「めちゃくちゃなことを言ってるますがいくらか誇張があるかとしても世界会議というこの場で嘘をつく可能性は低いかと」
「未開の新興国だぞ、世界会議でも堂々と嘘をつくような国家かもしれないぞ」
「閣下日本連邦大使の演説は嘘をついてるようには見えませんでした。それにあの服を見てください皴一つなくとても動きやすそうだ。相当いいものを着ているようです。そんじょそこらの国では作れませんよ」
「確かにそうだなでは貴様は自慢の諜報員で日本連邦を調べてくれ」
「わかりました」
他の列強国も謎の多い日本連邦について調べ始める。そして自国の傘下に入れられないか画策するのであった。
日本連邦の演説のあとほか世界会議に初出席の他5か国の演説が行われ1日目の世界会議は終わる。2日目から7日目いくつかの国家により議題提唱され議論が行われる。初めに言った通り世界会議自体には強制力はないがこの後行われる国家間の交渉において大きな意義を持つのだ。
第8回世界会議で議題となった内容
パーク大陸北西部現在蔓延中の疫病対策。蔓延している国への支援策、国際研究組織の設立。
パーク大陸北東部で準列強同士の戦争の調停
トリエステ帝国崩壊で解放された元属国群への支援策
トーストです。今作に異世界転生/転移タグをつけようかここ最近かなり悩んでいます。
詳細は活動報告にかきました。見てもらえるとありがたいです