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日本連邦共和国  作者: トースト
第1章 
22/40

和平交渉

派遣軍の大半が壊滅しこれ以上の侵攻が不可能になったトリエステ帝国は日本連邦およびグルーセン王国との和平を決断した。


開戦から約三か月和平交渉は出雲国で行われることが決定された。


両国とも大使館が設置している近隣国家である出雲国が和平交渉の仕切り役として適任だとして出雲国が抜擢されたのであった。


大使館なんてほとんどの国に設置されてるのが当たり前でしょと思うかもしれないが、大使館という概念が生まれたのはつい最近でありそもそも大使館を設置してる国は少なかった。


出雲国のほかにも列強や準列強らが名を挙げていたが恩を売ってなにかしら利になることをしてもらおうとかと下心を持ってる大国に頼るよりかは自国より国力の低い出雲国ならいいだろと両国の思惑が一致したのであった。


しかし出雲国はどちらかと言えばグルーセン王国と友好的な国家であり、そこで講話交渉にするというのは日本連邦,グルーセン王国のほうが優勢であるということを暗に示しているのであった。



開戦から約2か月トリエステ帝国とグルーセン王国,日本連邦それぞれの外交官が和平交渉をするために出雲国外務局第一会議室に集まるのであった。


普段は外務局高官のための会議室であるため防諜もしっかりしており、80人以上の利用することができる。


第一会議室には着々と各国の外交官及びその補佐官が集まってきており、2時ごろには各国それぞれの外交官が出そろいそれぞれの席に座っていた。


席には出雲国の有名和菓子店が用意した緑茶と茶菓子が置かれていたのだが未だ継戦中の国家の外交官が仲良く茶菓子を楽しみながら談笑できるはずなく会議室は緊張感に包まれていた。



「14時30分になりました。それでは日本連邦共和国,グルーセン王国とトリエステ帝国の和平交渉を始めさせていただきます。今会議の司会進行は外務局次官の私,アキノリ・イトウが行わさせていただきます。先に出雲国としての立場述べさせてもらうと、出雲国は会議を円滑に進めるための第三国及びホスト国であり片方の国に肩入れは決してせず公平な姿勢であります。また発言は挙手制でございます、ご了承ください」


イトウ外務次官が挨拶を終えた会議場が沈黙に包まれる中一番初めに挙手したのは日本連邦の神河外交官であった。


「日本連邦のトリエステ帝国との和平ですが、今戦争は我が国及びグルーセン王国への一方的な要求による、トリエステ帝国側の侵略戦争だと認知しており、今戦争で発生した損害および費用はは全額トリエステ帝国が賠償すべきだと考えています。また貴国に国土の3分の1を占領されたグルーセン王国,国民は多くの被害を受けました。そのため我が国はグルーセン王国,国民に対する謝罪とグルーセン王国復興の全面協力を求めます。我が国がトリエステ帝国への具体的な要求内容ですが、こちらにまとめましたのでご覧ください」



 トリエステ帝国への要求事項


1トリエステ帝国に対する政治的要求

 

・国交開設及び大使館設置


 ・日本連邦共和国,グルーセン王国と20年間の不可侵条約の締結


 ・今戦争を侵略戦争と認め、グルーセン王国,日本連邦共和国に対する


謝罪の公式表明


 ・日本連邦共和国,グルーセン王国に対する内政不干渉


2トリエステ帝国に対する賠償要求


 ・日本連邦が今戦争で投じた費用      400億リール(日本円で約2.5兆円)


 ・グルーセン王国対する賠償及び復興協力金 240億リール(約1.5兆円)


 ・日本連邦共和国に対する賠償        9億リール(約500億円)



「我が国としてはこれらの要求を呑んでもらえれば、トリエステ帝国との和平が可能だと思っています」


トリエステ帝国のランド外交官は神河外交官の話が終わって間髪入れず手を挙げた


「トリエステ帝国としては今戦争を終わらせるために少なくない金をはらう用意があったが、650億リールとはなんだ、我が国の国家予算3分2だぞそんな法外金額はらえるわけないだろ。そもそも対等な和平条約だろ民間人はともかくグルーセン王国に対して我が国が謝罪するつもりはないし賠償として1リールたりとも我が国は払うつもりはないぞ」


対等の和平締結のための交渉だと言われ来たのに、初っ端から自国不利の要求をたたきつけられて怒り心頭であった。


「貴国の国家予算は1000億リールほどですか、因みに我が国の国家予算は貴国の約32倍 3兆2000億リールです。我が国としてはこの要求は今戦争で受けた被害を補填するものであり正当なものだと思っています」


「実際より国の規模を大きく見せて脅そうとしてもむだだぞ。それに、日本連邦側がどう思うが勝手だが、我々としてはこの要求は呑むことは決してできない」


日本連邦もトリエステ帝国も一歩も引く様子がなく、和平交渉は完全に硬直していた。


そんな中イトウはなんか解決策はないかグルーセン王国に話しかけた。


「グルーセン王国のほうはなにか要求または言いたいことありますか」


「私としては日本連邦のトリエステ帝国に対する要求に賛同します」


グルーセン王国は今戦争の当事者であったが、自国を占領してたトリエステ帝国軍を殲滅したのは日本連邦であったため、グルーセン王国は日本連邦に従うしかなかった。今交渉にグルーセン王国に出番はないのである。



最終的に日本連邦もトリエステ帝国も一部譲歩しあいグルーセン王国復興支援金という形でトリエステ帝国が400億リール払うというところまでは決まったのだが、日本連邦はグルーセン王国に謝罪することを要求しトリエステ帝国は断固拒否したため残念ながら和平交渉はまとまらず、交渉決裂という形で今会議は終わった。


トリエステ帝国は金に関しては妥協できても謝罪という簡単に見えて自国の面子をつぶす行為はできなかったのである。



1週間の停戦期間があいて日本連邦軍とトリエステ帝国軍は


再びぶつかることとなる。

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