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4 試合に動きがあったもようです!

茲ノ井「あれは何かを探しているようですね。

私の経験上、女性がああいう動きをする時は、男の浮気(うわき)証拠(しょうこ)を探している事が非常に多いです」

妻木「浮気の証拠探しですか!

確かに赤部選手は彼女の他に、人妻にも二股(フタマタ)をかけていると茲ノ井さんからお話がありましたが、彼女もそれに気付いているのでしょうか?」

茲ノ井「その可能性は非常に高いですね。

女性は男の浮気を見破る能力が非常に高いので、赤部選手が浮気をしている事を、彼女は女性特有のアンテナで感じ取り、証拠を(おさ)えようとしているのかもしれません。

これはあくまで私の推測(すいそく)ですが、今回赤部選手の茶箪笥(ちゃだんす)にコンドームが入っていなかったのも、

赤部選手は必ずコンドームを買いに外に出るのを見越して、

彼女が以前部屋に来た時に、こっそり捨てたのかもしれません」

妻木「何とぉっ!浮気の証拠を探す為にそこまで計算していたと言うんですか!

したたかです!彼女は相当したたかです!」

高田「妻木さん、どうやら彼女は本当に赤部選手の浮気の証拠を探しているみたいですね。

何やらブツブツ言いながら部屋をガサゴソ漁っています」

妻木「どうやら彼女は本当に浮気の証拠探しをしているようです!

それはさながら殺人事件の手掛かりを探る名探偵のようだぁっ!

夜の団地に令和のシャーロック・ホームズが降臨(こうりん)したぁっ!」

茲ノ井「これは緊迫(きんぱく)した状況になってしまいました。

ですが試合前には必ずコンドームを用意するほど用心深い赤部選手の事ですので、

浮気の証拠をうかつに部屋に残すような事はしていないと思います。

彼女に部屋を探し回られてもいいように、キチンと対策はしているでしょう」

妻木「確かに、彼女は部屋のいたる所を探していますが、浮気の証拠となるようなものは見つかっていないようです。

この辺りは赤部選手の浮気隠しは万全という事でしょうか」

茲ノ井「しっかり対策はできているみたいですね。

世の男性も見習ってほしいものです」

妻木「それは何ともコメントに困るところですが、

おっと?しかしここで彼女は床に落ちている何かを拾ったぞ?

ここからではちょっと見えにくいですね。

一体何でしょうか?レポーターの高田さん、分かりますか?」

高田「はい、彼女は髪の毛を見つけたようです。

しかもそれは彼女のものではないようですね。

『これ、誰の髪よ⁉』という声が聞こえました」

妻木「おおっとぉっ!ここでついに浮気の証拠となる物が見つかってしまったようです!

茲ノ井さん、これは大変な事になってしまいましたねぇ」

茲ノ井「そうですねぇ。

髪は女性の命と言われるように、髪の毛一本の存在も女性は見逃しませんからね。

それを部屋に残してしまった赤部選手がくやまれます」

妻木「さあ試合会場は大変なことになっていますが、もうすぐそこに何も知らない赤部選手が戻って来ます。

茲ノ井さん、こういう場合はどうすればうまく切り抜けられるでしょう?」

茲ノ井「何より大事なのは、彼女に浮気の証拠を突きつけられても動揺(どうよう)しない事ですね。

あの髪の毛が浮気相手の物だという証拠はどこにもない訳ですから、

自分の母親だとか妹の物だと、平気な顔をして(うそ)を突きとおせるかがポイントになります」

妻木「まずは冷静に、そしていかに(たく)みに嘘をつけるかという事ですね」

茲ノ井「赤部選手の浮気男としての真価(しんか)(ため)される所ですね」

高田「妻木さん、赤部選手がドラッグストアから戻って来ました!」


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― 新着の感想 ―
[一言] 二股相手の人妻かぁ……読んでいて不吉な単語があったなぁ……
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