表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

──《序章》『死んで………転生!?』──

神楽尊(かぐらたける)は考える。

何故自分は、男なのかを。

だがいくら探そうと見つかるはずはない。

そうとわかっているのに。

何故かそう、思ってしまう。

そしてぼーっとして……

「おい神楽。おい、聞いているのか、おい!」

「はっ!はい、すみません…」

タケルは授業中にぼーっとしていたため、怒られた。

「また、ぼーっとしてたのか。お前の悪い癖だぞ」

「はい…」

『だって仕方ないじゃ無いか』

タケルは心の中で言う。

『だって、……』

だって?

『だって…だって………』

ん?

『だって、だってだってだって!

女の子になりたいんだもん仕方ないじゃん!』

それは正に衝撃の告白だった。

まぁ、心の中ではあったが。

そんなの口にしてしまえばこの学生人生のあだ名が

オカマになってしまう。

当人が本気でも、周りはそんなこと露知らず茶化したがるものなのである。

はぁ、僕は駄目だ、そう尊はつぶやく。

そして授業に集中しなきゃ、と思うがその願望にやはり耐えられず

また、女の子になりたいという煩悩に浸るのだった。


───放課後

ボケっと歩くタケル。

家はかなり遠い。

だがそれはタケルにとって煩悩に浸れる時間でもあるので、別に家に帰るのに時間がかかることなど気にしていないのだった。

歩くこと十分。

今日は久しぶりに理想の自分姿が思い浮かんだ気がした。

(きっとこうなれたら可愛いな)

それは些細な事だった。だがタケルにとっては大きな自信となった。

未来が持てたと。

それは突然に起こった。

それは唐突すぎて、理解すらできなかった。

理解するまもなく、タケルは死んだのだった。



「たっ、たた、タケル!」

タケルの母親は今、後悔の色に染まっていた。

テレビの中で我が子が鉄筋の下敷きなった報道を見てしまったからだった。

(何故、教えていなかったの?

あの子が生まれたとき、担当の助産師さんが教えてくれたのに…。

何故、彼に、教えられなかったの?

もしも、きちんと話せていたなら、ちゃんと受け止めていられたかもしれないじゃない!

それなのに、どうして?

まだ話せていなかったのに…。

彼が性同一性障害である事を……。)

タケルは性同一性障害だった。だが彼はその事を知らずいた。

だから、これは煩悩だ、ダメダメな僕のせいなんだ、そう、思い込んでしまっていた。

でも彼はそれに思いをふけさせざるを得なかった。

(ちがうの、それは煩悩なんかじゃない!

タケルが、その事で悩んでるのを知っていたのに!

あれだけ女の子になりたいと、ノートに書き殴っていたり、

美容、容貌、体型に関する検索履歴があんなにあったりしてたのに…。

何故、教えてあげられなかったのかしら…。

もしも、きちんと話せていたなら、ちゃんと受け止めて、

考え事なんかせず、ちゃんと、この家に、そして、ここにいるはずだったのに……………。)

そう言った感情が、彼女の中で奔走する。

だか、それを伝えられる日はもう、きっと、こない。




───「んむぅ………。……どこ?………ここ…」

そしてタケルは見知らぬベットの上にいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ