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Case.34『一人足りない』

 手錠を掛けて暫くすると、銃弾を無数に飛ばす女とそれを防ぐ男が戦場を変えたのか、こちら側でやりあい始める。


「――キング! もう終わったのかい?」

「……寧ろ、ブレイブがいの一番に終わらせてこっち来ると思ってたんだけど」

「いやぁ……あの子飛ぶから周囲被害も多くなりそうで、中々動けなかったんだ」

「手伝う?」

「いらない。ここまで戦場が広がれば……多少周りへ飛んでも被害無いからね!」


 周りを確認し、一気に速度を上げるブレイブ。……あれは基本的に基礎性能に特化した『スーツ』だから、ステルス等の特殊能力が無い分全てが高水準で纏まっている万能型だ。


「ヒャハハハハ!」


 空中に留まり、ガトリングを連射されている中――ブレイブが全く足を止めずに前進出来るのは、基礎の基礎である身体補助を最大限に使って筋力増大を促している証。

 ……過ぎた身体補助は自らの身を滅ぼしかねないのにブレイブが平然としているのは、それだけ自身を鍛え抜いている証とも取れるけど。


「ハ――」

「終わりだよ!」


 高速で近づき、弾丸をもろともせずに駆け抜けた先にある――警棒の射程。その範囲内で振るう電撃は『スーツ』の速度を優に超える光速。一度でも放たれたそれは逃げる判断すら許さず捉え、瞬時に気絶させた。


「……っと、終わったよ」


 そして墜落していく女を抱え、一仕事終えた表情。


「周囲への被害、無かったけど」

「キングが裏で仕込んだかい?」

「いや?」

「……動きが少し鈍っていたんだけど、見誤りなのかな……」

「――多分、アレじゃない?」


 指差す目線の先には、一つの人形が無音で佇んでいる。実際は無音ではなく、()()()()()()()()()()()で思考を鈍らせる結構えげつない物だが。


「あー……ここまで聞こえるのかい?」

「聞こえないけど、音波は見えるよ」

「……君は性能を犠牲にしすぎじゃないかい?」

「だって、前はブレイブとラビットがいるだろ? 俺は、裏方で仕込むだけだよ」


 一応『スーツ』と同じく『コンダクター』も改造している。一度眼球貼り付けたコンタクトレンズのような『コンダクター』を剥がして、コードで繋いだ違法パーツを網膜に追加で埋め込む作業。

 失明のリスクがある分より深くAR技術を使える、『コンダクター』普及前からあった術式だ。まぁ失明や不具合を調整等の作業が大変過ぎて、技術のある命知らずしか普通はしない物だけども。


「それで? 向こうは終わりそうかい?」

「――丁度、終わったわよ」


 姿を現すホワイト。その両腕には、あのコートを着た大男が抱えられ……持てないのか重そうに引き摺っている。


「ホワイ……重そうだね、それ」

「ブレイブ、手伝って。腕がもう折れそう……」

「はいはい」


 見かねたブレイブが大男を持ち上げ、解放されたのかホワイトは両手を振る仕草。


「後は二人――」

「後一人よ」

「ゼロ。終わったのか」


 同時期に大型の銃を抱えたゼロが、影の薄そうな男の片足だけを持って引き摺っている。


「そっちも終わったの?」

「終わった終わった。ゼロも……それ、個人的な恨みかい?」

「狙撃銃なんて大体こんな物なのに『銃ゴリラ』なんて言われたんだから、当然よ」


 誰が何をやるか決めた際、運転手で影の薄そうな男とブレイブ、トリガーハッピー女とゼロで別れたのだが、帰ってきた際には逆になっている。……何があったのかは自明だが。


「……そういえば、ブレイブとゼロは標的取り替えたの?」

「そうだよキング。あの運転手、案外口が悪くてねぇ……あの狙撃銃が対物だからってのもあるけど、彼女相手に暴言言っちゃったから……ああなっちゃってる」

「ブレイブ、何か言った?」

「何でもないよ」


 ――今後ゼロを煽るのは止めておこう。煽り耐性が余りにも無さすぎるので、下手をすれば後頭部を撃ち抜かれる。まさか『銃ゴリラ』程度でキレるとは……。


「最後はラビットだけど……」


 続々と集まっていくメンバー、だけどラビットだけは未だに帰ってこない。機動力と近接特化なだけに一番早く決着が付きそうだが、どういう事だ。


「……来ないわね」


 流石に帰りが遅いラビットに、皆違和感を覚え始めている。そういえば、相手はラビットに因縁を付けていた男。……まさかとは思うけど、動くか。


「――この少年を頼まれて良い?」

「何処へ行くつもりだい、キング?」

「……ラビットの捜索。俺だけの方が都合が良いから、皆はここで待ってて」

「……分かった。僕達は()()()()()()良いんだね?」

「――ありがとう、ブレイブ」

「何だかんだ君を見てきたからね。少しぐらいなら分かるさ」


 ヘルメット越しに俺の瞳を見て、ブレイブは何かを察した。


「ちょっと、私達も――」

「ゼロ、今回は待ちだ」


 着いてこようとするゼロを止め、見送るブレイブ。……後は、()()()()()()()によって、決まる。


「とにかく、ハッキング――」


 ラビットが飛び去った現場へ走りながら、周囲の監視カメラへとハッキング。今回はラビットの行方を見るだけなので、変に映像を検索しなくて済みそうだ――

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