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G・G SKILLで異世界奇譚!  作者: 下心のカボチャ
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第一章 転生編 『下民街の洗礼』

異世界生活三日目……。


何故に三日目かって?気付いちゃいましたか……。


まだ見慣れぬ天井……暫し木目のシミを眺めてみる。

カーテンから覗く朝の陽光の中を、埃が粒子の様に煌めいていた。

鳩の鳴き声で起こされるのは数年ぶりだが、此処が異世界だと考慮すると、えらい所帯じみた日常も新鮮なものである……まぁ元の世界では引きこもりだったから、所帯もクソもあったもんじゃないが。


改めて朝は弱いんだな俺……中坊の時、よく朝練行けてたわ~俺ってばエライ。


半開きで呆けた表情のまま、質の悪いベッドから上半身を起こして、足を降ろす。

つま先を動かしながら革靴をたぐり寄せ、無造作に足を突っ込む。


「靴下が欲しいな……それか中敷き、下民街じゃ売ってないし。」


夏が来るまでには是が非でも何とかしたい所であろう。


寝グセを掻きながら衣服を直し、ふとキャビネットの上に置かれた、見慣れたパッケージの小箱へ目が止まる。

一日一箱贈ってくれてるな~。

それを懐へ入れて、俺は個室を出てゆく。


「モンテ様、おはようございます。」


古びた廊下の前でそう声をかけられた……規律正しく、筋骨隆々な身体を神父服へパッツンパッツンに押し込めたダンディなおっさん。

ティガーという名の、このおっさんは顔だけみたら白髪白髭のナイスミドルだが、2mの厳ついガタイが初日に襲われたヤツを想起させた……。

いや、コイツだけではない……初日にヘトヘトになりながら深夜にこの修道院に辿り着いたのだが、なんと下民街のど真ん中にあり、出迎えた神父、修道士、修道女に限らず其処に暮らす全員がマッチョだったのだ。

曰く、修道院内では何故か身体を鍛え上げたくなるのだという……うん、あの神サマーだからな、納得だわ。


ともかく、番兵さんの忠告通りに下民街を避けて歩き回ってたのだから見つかるわけないわ……。

ティンさんにヤケクソ気味に目的地までのMAPを表示しろと言ったら、あっさり視界の右上に表示されたのには笑うしかないだろう。


あと、どうやらティガーを始め、修道院の運営に関わる主な人間はアーガマの啓示を受けていたらしく、俺を視るなり『神の御子よお待ちしておりました。』とか言って全員からハグされてしまう始末だ。


という訳で初日でキャパを越えるツッコミを連発したので翌日は何もする気が起きなかったんだよね……決して言い訳ではないよ、一応言ったからね。


踏みしめる度に軋む廊下を進み、コの字階段を降りると1Fの正面玄関なのだが、ふと途中で足を止め、上から眺めてみた。

内装は質素だが修道院らしいステンドガラスを切り貼りした、陽光を取り込む意匠が視てとれる。

だが内壁の上部が老朽化に伴い剥がれてきているな……他にも装飾部や手摺の木材が脆かったり、割れていたり、きちんと修繕されていないのだろう。


(ティン、この修道院って金ないの?)


『肯定します ガルマ派はアームベルンを総本山としながら王城建立と同時期に 王家が水秤の神ガデスを崇拝するキュベレーヌ派を支持した事により 傍流へと追いやられました。』


ああ、この間言ってた話か……ってか派閥の総本山なのココ!?


ちょっと引いてしまった……何なら聞かなければよかった。

どのセカイでも権力闘争ってのは石ころ並に転がっているもんだね、等と理解したフリを内心でしつつ勝手口から中庭へと出た。


建物自体は古くてボロいが敷地は広く、中庭も不釣り合いな程よく手入れされ、庭園と言い切っても遜色ない空間になっている。

庭園の真ん中に在る、これまた古びた屋根付の井戸へ歩み寄ると、吊るされた桶が風に揺らされるのが見えた。


基本的に飲料水や洗濯、風呂等の生活用水はこの井戸で賄っているらしい……厨房にはまた別の井戸があるとの事だがみんなが談笑する憩いの場として此処が最適なのだろう。

中庭自体の造りも他に外設された風呂場と汲み取り式のトイレへ通り抜けられる様になっていた。

現代日本の生活に慣れた俺にとっては不便な所もあるが、返って新鮮な気持ちを持たせてくれた……井戸なんて実際に視るなんてないと思っていたからね♪


口を開けている闇へ滑車付の桶を落とし込み、水を汲み上げる。

何か良いな……これが田舎暮らしの醍醐味か。

感極まって調子に乗った俺は桶に満たされた水を顔へ浴びせる様に飲んで、これ見よがしにプハッーと声まで上げてしまった。

まぁ、覚えたてってのは後で省みると大抵赤面する程に恥ずかしいものだよね……例に漏れず、俺もお約束をやらかしてしまうとは情けなし。

まぁそんな心境に至るのは、もう暫く後で、ティガーに修道院での振る舞いを諌められたからなんだけどね。


衣服が濡れている事など気にせず、ワイルドを気取った仕草で口元を腕で拭う俺。


「………。」


何気なく井戸の縁を覗く、RPGならこんなど真ん中に配置された井戸ほど怪しいもんはないわな♪探索出来たりして(笑)

流石にンな訳ねーわと笑った所で後ろから呼び止められた……ティガーだ。


「此処にいらっしゃたのですか?朝食の仕度が整いましたのでどうぞ。」


「あっ、わざわざ呼びに来てくれたんすか、あざす。」


俺はティガーの背中について、屋内へと入ってゆく。

ん?今さっき、自分の思考に微かな違和感を覚えなかったか?確かな足掛かりの様に思えたその欠片は、やはり欠片が故に一瞬で思考の沼へ呑まれて消えてしまった……。

まぁ気にするような事でもないって証明だよね。


だが思えば、このやり取りでもし気付けていれば、また違ったのかもしれない……この時の俺にはまだどうする事も出来なかったとしても、やはり後悔してしまうものだ。

ティガーの言葉に無意識とはいえ俺は勝手に違和感への答えを用意し、打ち消してしまったのだから。


さて、それから食堂まで案内されて俺は形だけだが食前の祈りに付き合っていた。

この修道院で広い部屋はふたつしかない、礼拝堂と食堂だ。

改めて、チラっと薄目を開けて視るとだだっ広い堂内に木製のテーブルが30脚程あるが対して人の数が明らかに少ない……俺を含めて十五人しか居ない、加えて天井には宗教画らしき壁画とシャンデリアが吊るされている。

ん?堂内の上座の横壁からパイプオルガンの一部らしきものが生えてるというか露出してるな……昨日視た礼拝堂にはパイプオルガンは無かったが、壊れたから礼拝堂を移転させたのかもしれない。


等とどうでもいい事を考えていると、お祈りが終わったのか食事が始まっていた。

献立はサラダと鶏肉のササミか……あれ?肉食えるの?あと教会の人ってポテトを主食にしてたりしない?

そんな疑問を対面して座るティガーに投げ掛けてみた。


「私共の宗派には肉食を禁じる戒律はありませんよ、上質な筋肉を作り上げるために、敢えて鶏肉のササミしか取り扱ってませんが、ポテト?……なる食材は知りませんな、どの様な形のものですか?」


知らないというか名前が違うのか、まぁ異世界だから当然か……俺は植物系には詳しくないが知りうる事を話してみた。


「ああっ、それはジャーマネンの事ではないですかな、モンテ様の故郷ではポテトという名称なので?」


「んー、正確には違うんだけどね……そういや今日中にギルドへ行ってくるよ。」


「それではっ!ついに御身自ら伝説への一歩を践むのですね。」


SUCCESS♪♪


「ん、ンン?まぁ、何時までも無職ってのもね……伝説は大げさでしょ、冒険者には憧れがあるけどさ。」


何だかな……温度差がスゴくない。


「そんな事はありませんぞ、モンテ様程の大人物なれば世に高名を轟かせるは必定!お世話をさせて頂く我らも誉れ高い限りで御座います。」


ちょっと何言ってるか分かんないよティガーさん?買いかぶりも度が過ぎるってもんよ。


ティガーさんだけでなく、他の全員も気持ち悪い程の満面の笑みを俺へ向けてくる……コワイってば。

俺は乾いた笑いを洩らしながら、ササミを頬張り、早々に朝食を切り上げる事にした。


ー 数十分後 ー


下民街の露店通りを囲む石垣へ腰を降ろして、俺は人の流れをボンヤリと眺めていた。

とはいえ、この一秒後には此処を後にしてギルドへ向かうのだが……。


とりあえずギルドへ足を運ぶ前に改めて職業(ジョブ)や魔法についてティンに聞く必要があると判断し、ネバーランドを起動していたのだ。


その結果、分かった事はジョブ別に固有のスキルや魔法を覚えるのでも無ければ、レベルの概念すらないという事実だった。

ゲームではなく現実なのだから当然といえば当然か……スキルはその存在自体、認知されておらず伝承や神話にのみ奇跡として記されている、まさに神からのギフトなのだという。

更に魔法は複数の体系が存在し、基本的には組合わせた術式を契約によって、魔力の源泉である魂の回廊へ納める事で効果を行使するらしい。

この説明を受けて、俺はひとつの疑問をティンに投げてみた。


契約と言う以上、結ぶ対象、相手が居る筈だろう。


答えは精霊や魔族、上位の存在で言えば神や悪魔……ティンの言葉を借りるなら、人間の霊質は高純度であるらしいが進化の度合いという観点では未熟であり、超常の存在たる彼等の手を借りて、初めて擬似的にではあるが高次元の力を三次元で行使出来るのだという。


ではアーガマによって精神と身体を創り変えられた俺は契約を必要としないのではないか?

その答えはイエスだった……何故なら俺の場合、魂の回廊は創り変えられ、ネバーランドへとアクセスする外部端末として大幅な強化が為されていたために契約というプロセスを必要としなかった。


つまり、精霊や魔族と同程度には魔力を触媒にして高次元から力を引き出せるのだ。


ただし……かなり残念な弊害も判明してしまった。

大幅なアップデートによって、高度になり過ぎた魂の回廊に通常の術式では規格が合わず力を発現出来ないらしい。

単純な組合わせの術式ならばティンのサポートで使えるようだが、複雑化したものは不可能だと断言された。

今後、もしフルスペックの魔法を行使すると願うなら、精霊や魔族の魂を解析し、彼等の術式を取得するか神クラスの神言を授与されるしかない。


現状、殆んど魔法を覚えられないのか……ガッカリした、ウィザードとか憧れてたのになぁ。


さて……最後に職業(ジョブ)についてだが、これがまた大概なものだった。

前述通り、職業別の固有能力が付与されたり、身体パラメータが 変化したり等はない。

あくまでパーティを組んだ場合の役割分担を判り易くするための職業であり、ギルドの本分として魔物や魔獣の討伐、また自然災害や魔物が大量発生した地域への探索等が主である。


故に一例として、魔術杖を装備した格闘家も珍しくないのだという。


規模では各国に支部を持つ程の巨大組織であるギルドであるが、所属する冒険者は国籍に関わらず他国を行き来する権利を持ち、上位の者となれば現地の行政機関へ働きかける事も可能である。

原則として国家間の戦争、言い替えて人間同士の殺し合いには不介入を徹底し、もし加担した事実が認められた場合、冒険者としての全ての権限を永久剥奪、及び専用の監獄島『デスクリン・アイランド』へ収監すべく拘束者(クリチャー)を放たれるらしい。


随分と厄介そうな組織じゃないか……どこ馬の骨である俺が入れるのか?

そう思った瞬間、食い気味にティンが肯定してきた。


『門戸は広くがギルドの自由理念であり 所属自体は容易です。』


なるほど……来るもの拒まずetcなら、虎穴に入るのもアリだな。

よし、決意は固まった!後は冒険の海原へと足を踏み出すだけだっ!!


そう思い、ネバーランドの接続を切った途端だった……。


それは偶然に、というか俺が視線をズラした一瞬をスリに狙われたのだろう。

そいつは俺の腰にぶら下げた布袋を掠め盗り、露店通りの人混みへ走り込んでゆく。


「てめっ!?俺の銀貨!!」


苦労して……というかティガーから借りた貴重な金をスラれただとっ!!

冒険への一歩所か追跡へ踏み出しとるわっ!?


瞬間、激昂しながら腕を振り、ストライド走法で人混みへ飛び込む。

元陸上部の俺に走りの勝負を仕掛けるたぁ良い度胸だ!!ゼッテェ捕まえて説教する、火ィ点いたわぁ!!


背格好は覚えている、小柄でフードを被ったヤツだ……居た、向こうも俺に気づいて既に人の流れに逆行する様に走っていた。

上等、障害競技と一緒だ、俺は低い前傾姿勢で走りながら犯人の背中を追い掛ける。

差はおよそ10mだろうか、途中、飛び出してきた犬を飛び越え、邪魔なカップルの間をスライディングで通り抜けて、再び走り始める。


にゃろう!あと約6mだ……よしっ犯人が転けて、路地を曲がった!追いつける!

俺は絶叫と共に壁を蹴り、三角飛びの要領で路地へ進入した……。


「………。」


少しだけ息を切らし、暗がりを睨み付ける俺……其処は裏路地の行き止まりであり、奥にはフードの犯人ともう一人、少女?が居た……そして一拍おいて。


「おいおい……金だけ持ってこいって言ったろうが!?」


しくじった……後方から反響して響くその声と、俺の影に被さる様に伸びる三つの人影で状況を悟る。


「知らないよ……言われた通り、金は持ってきたろ。」


そう呟きながらフードを脱ぎ捨てると、やはり其処に居たのは子供だった。

なんとなく、追い掛けてる最中に気づいてはいたが、誘い込まれてたのは気づかなかった。

現状は不味いな……出口は確認出来るだけでも三人に塞がれてる。

……子供の身なりはかなり汚れていた、ストリートチルドレンってヤツだな、おそらく人質にして現状打破する事も難しそうだ、使い捨てだろう。

なら後から距離を詰め寄ってくる三人をどうにかするしかない。


正直、三人相手で勝てると践む程、俺は自惚れてはいない。

こう見えて灰色の学生時代に路上のケンカも経験済みだ……囲まれたら、まず諦めるのが鉄則、どう逃げ出すかが肝心なのだ。

だがしかし、しかし……俺には認識阻害のスキルがある、路上のケンカでスキルを使い立ち回れば勝算はかなりあるだろう。


仄暗くほくそ笑み、振り向き様にまず一人を撲滅すると誓う……ハッタリとインパクトで圧力をかけるんだよン♪クソ野郎共がっ!!


感情が高まり、口火を切ろうとする最中……不意に少女へ視線を回す……これがいけなかった。


汚い身なりの、その金髪の少女は虚ろな碧眼を俺に向けている。

擦り傷やアザ……腕につく火傷の痕……だと、靴すら履いていない。


「おい……なんでその娘は靴を履いてないんだ。」


呟く様な俺の問いに対して、瞬間的に眼を見開いて激昂する少年。


「知るかよっ!如何わしい眼で視るんじゃねぇ!!」


BooBoo♪ BooBoo♪


あっそ……はいはい。


「ギャハハハ、なんだよアンちゃん、そいつが気に入ったのか?残念だったな~そいつは働けねぇ上に心がぶっ壊れてて反応がつまん……ねぇんだよっ!!」


いつの間にか肩を掴まれ、振り向き様に一発貰っていたのは……俺でした。


よろめき、脇に置いてあったゴミ袋へダイブする俺……臭い。


『提言致します 認識阻害のスキルを使用致しますか?』


ノーだ……「ああ~っ。」と呻きながら首を数回鳴らす仕草をして立ち上がると同時に両手を広げて見せる。


「お手上げだ……気のすむまで殴って構わねぇし、これやるから命までは勘弁して下さい。」


我ながら情けない宣言と共にポケットから、最後の銀貨を三人の暴漢の前へ投げ捨てる。


「おいアンちゃん……下民街に来て日が浅いのか?良いこと教えてやるぜ。」


そう言うと一人がおもむろに銀貨を拾い上げると、俺へとこれ見よがしに銀貨を掲げ……。


「ココじゃあな、地面へ落ちてるもんは誰のものでもねぇ!拾ったヤツのもんなんだよぉ!!」


BooBoo♪ BooBoo♪


ンな豆知識はいらねーよ……。


次の瞬間、躊躇ない膝蹴りが俺のみぞおちへめり込む、呼吸困難で倒れ込みながら苦い胃液を嘔吐しちまう。

だがそれでも三人の暴漢は足を休めない……地面と俺の隙間へ差し入れる様に蹴りを振り抜かれ、思わず仰向けにされる。

そこへ容赦ねぇ踏みつけで変な嗚咽が洩れた……。


波状的に続く暴力、そんな最中でもティンが再三のスキル行使を提言してきたが……黙れと言っておいた。


不意にガキ二人が視界に入ってくる……なんて顔だよ……。


小僧の方はおぞましいものを視せられてるかの様に嫌悪と憎悪がない交ぜとなった表情で此方(リンチ)を睨み付けている。

きっと、この三人と俺も同列に見られてるんだろう……大人はみんな劣悪だってか?


笑わせる、才能、コネ、金……何の力も持たねぇ弱者は喰われるだけだろう。


そいつを嫌って程、理解した面だ……俺は精一杯、皮肉った笑顔を少女へ向けてみた。

だが少女の虚ろな顔が変わる事等ない……当然だよな、届くわけねぇよ。


掌を踏みにじられ、呻きながら俺は考察する……何で俺は無抵抗でいいようにヤラれてんだよ?


そいつはきっと中途半端に助けるべきじゃねぇ……最初にそう思ったのがキッカケだろうな。

コイツらの過酷な現実を理解してやるとは到底言えない、全てを劇的に救えるとも言えない……キリがねぇんだよ。


例えばこの少女に靴を贈ったとして、翌日には他のストリートチルドレンのガキに奪われているだろう、その度に新しい靴を買うのか?

一人に施したら次だ……決して全員は助けられない。

出来ない理由の方から埋まってく……なら、せめて黙って殴られてやるしかねぇだろ、このクソ野郎共も俺で満足したなら、今日はガキに手を出さねぇかもしんねぇ……希望的観測だがな。


いや……違うな、結局は自己陶酔で浸ってるだけか。


こんな状況に追い込まれて、どうしていいか解らずにフリーズしたってのが一番だな。


……なんやかんやでボロ雑巾にされ、頭を踏まれてる俺、どうせなら綺麗なお姉様にされたい所だよ。

クソ野郎共は息を切らせながら、満足したのか俺から離れて裏路地の出口へ歩いてゆく。


「おいっ!行くぞ、早くしろっ!」


小僧に手を引かれ、俺を通り過ぎてゆく少女……一瞬、彼女が俺へ視線を向けた気がした。


おいティン……俺を痛めつけたあの三人をフレンド認定しろ。


『了承しました……身体的特徴……声紋……共にデータベースへ保存完了……半径100m以内であればバイタルを感知探索可能。』


上……出来だ……少し寝るわ、なんか問題発生したら、起こせ。

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