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エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-  作者: さいとう みさき
第五章
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第五章5-3ソルミナ

おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。

異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。


私だって頑張ってたんですよ!!

自分でも沢山揉んだんだからぁ!(ソルミナ談)


5-3ソルミナ

 


 あたしたちの情熱に押されてソルミナ教授はそのエルフの話を始めた。



 「参考になるかどうかは分からないけど、確かにあの子は人間界から帰ってきて大きくなってたわねぇ」


 ソルミナ教授は上目遣いであごに指を当てその記憶を引っ張り出す。

 教授の話では種族的に大きくなりにくいはずのエルフの中でも彼女は異常だったらしい。


 「そ、それで、いったいどんな方法で大きくなったんです!?」


 ちょっと興奮気味なティアナ。

 流石に先日あたしとあまり変わらない大きさだったと言うのはショックだったらしい。


 「確か~、思い出した。マッサージが効いたとか言っていましたね。ただ、普通のマッサージではなく恋人にマッサージされないと効果が出ないとか言ってましたが」


 そう言って、ソルミナ教授は自分の胸を見る。


 「私も試してみたいのはやまやまなんですが、問題は相手の恋人がいないんですよねぇ」


 ちょっと肩を落とす。

 って、そんなに人間界ぶらぶらしていてそっちの方面はからっきしかいっ!?


 この人、大丈夫なんだろうか?

 別の心配が頭をよぎる。


 「でも、なんで恋人じゃないとだめなんですか? マッサージですよね?」


 「なんでも、只のマッサージでは気持ちも何も高場らないのでだめらしいですね。相手に優しくされると効くらしいですよ? 実際自分でやっても変わらなかったのでその辺は確かじゃないかと思いますけどね」


 ‥‥‥それってホルモンの活性ってやつなんじゃ?

 生前なんかの話題で聞いたような気がする。

 確かにある程度は有効らしいけど。

 そうすると、エルフには効果てきめんだったって事かな?


 「そうですか‥‥‥」


 しゅんとするティアナ。

 仕方ないよねぇ、あたしたちにはまだまだ縁の無い話だもん。


 「そう言えばエルフの村でって言ってましたが、こちらに出られてからは胸の大きなエルフの方に有った事は無いのですの?」


 「ああ、そう言えばいましたね」


 え?

 おるんかい!?


 「そ、それはどういった方ですの?」


 「ええ、人間の男性と仲良くなって居を構えてます。精霊都市ユグリアに住んでましたね」


 「やっぱり恋人とかいないとだめなのかぁ」


 落胆するティアナ。

 この辺は仕方ないな。




 と、食事も終わって元気になったソルミナ教授が話題を変えてきた。


 「ところで、二人が戻ったおかげで量産型のノルマも問題が無くなったのでそろそろ四連型の開発に入りたいと思います」


 そう、この学園に戻ってきた目的の一つでもある四連型魔晶石核。

 理論上では無限の魔力を発生できる夢の機関。

 この開発もこのチームの命題である。


 「それでですね、ちょっと問題があって、召喚できる精霊で土の精霊だけうまく呼び出せないんですよ」


 おや?

 ソルミナ教授にしては珍しい事を言う。

 この人は精霊に精通している教授なのに土の精霊が上手く呼び出せない?


 「それってどういうことですの?」


 「ええ、実は風や水の精霊は簡単に呼び出せるのですが、土の精霊とはウマが合わなくて私では呼び出しができないのです」



 そんな、エルフにも得手不得手の精霊がいるなんて!?

 なんとなくアンナさんを見る。


 「本当らしいです。ソルミナ教授も頑張ってみたのですが全然答えてもらえなくて」


 「うーん、他の人は呼び出し出来ないのかしら?」


 ティアナもやはり困り顔でアンナさんを見る。

 しかし、もともと精霊魔法使い自体が少なく、学園内ですぐに使えそうな人がいない。

 

 「何かいい方法は無いのでしょうか?」


 アンナさんはソルミナ教授を見る。


 「そうですね、学園内に協力を呼びかけ呼び出せそうな人を探すか、それでもだめとなると外部から探さなければならないですね」


 言いながら魔晶石原石を撫でるソルミナ教授。

 手元にはすでに融合が終わっている他の三種類がある。

 あと一つ、それで全部そろう。


 と、あたしは有ることを思い出す。


 「ソルミナ教授、精霊都市ユグリアには沢山のエルフの方がいますわよね? その中に土の精霊を呼び出せる方ってお知り合いいませんかしら?」


 そう言われてソルミナ教授はちょっと嫌そうな顔をする。

 少し言いにくそうにして目線を外す。


 「い、いることはいますが、その、頭が固い人なので協力してくれるかどうか‥‥‥」


 うん?

 いるじゃん、そう言う人!


 「では、時間を作ってゲートでユグリアまで行って協力をお願いしましょうですわ!」


 あたしのにこやかな提案に額に汗を浮かべながらソルミナ教授は言いにくそうに言った。


 「わ、私もいかなきゃダメですか?」


 「その方を知っているのは教授だけじゃないですか? 大丈夫です、ゲートなんて何も怖くないですよ!」


 元気に言うティアナにソルミナ教授は更に言いにくそうに言う。


 「しかし、協力してくれるという確約が取れるかどうか‥‥‥」


 アンナさんは不思議そうにソルミナ教授に聞く。


 「そのお知り合いの方って一体どの様な方のですか?」


 ここにきて追い詰められたソルミナ教授は消え入りそうな声で答える。


 「そ、その人は私の兄です」


 へー、お兄さんなんだ。

 へー。


 ‥‥‥って!


 「ソルガさん!?」


 

 こくりとうなずき、ソルミナ教授は相変わらず嫌そうな顔をしていた。 

 

 

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