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エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-  作者: さいとう みさき
第四章
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第四章4-18大和撫子修行

おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。

異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。


立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花~♪


4-18大和撫子修行



 魔晶石核の新型開発は出来たので後は量産型への開発、研究が今後の課題になる。


 

 とりあえずそちらの方はひと段落したのだけど、その報告を聞いた師匠が別の課題の強化を始めた。



 「エルハイミ、お花の基本は三つの役枝から成り立ちます。主体となるお花とすべて同じ高さにしてどうするのですか?」


 今はなぜかお花をやらされている。

 こちらの世界に華道という概念はないのに。



 「エルハイミ、今日のお茶は熱すぎます。熱すぎると香りが飛んでしまい味も雑味が強くなります。お茶は約七十五度、茶碗には七分まで入れること」


 こちらの世界では茶道というものはないはず。

 しかも緑茶自体珍しく飲めるのもここボヘーミャくらいのはず。



 「エルハイミ、歌の一つもかけないとは情けない。教養は見せびらかすものではありませんがつつましくその片理をお見せするのも重要。教養がない女と思われぬようなさい」


 こちらの世界に川柳はない。

 無いったら無い!

 そもそも語源が違うから成り立たない!!



 「エルハイミ、百人一首くらい‥‥‥」


 「師匠、ちょっと待ってくださいですわ。こちらの世界には百人一首って無いはずですわ」


 「‥‥‥‥‥‥」


 「‥‥‥」


 「エルハイミ、そろそろみんなを呼んで、鍛錬の時間です」


 あ。

 師匠、今の間は何っ!?

 というかさっきの突込みはスルーですか!?


 師匠はとっとと自分だけ支度をして試験場に行ってしまった。

 

 ‥‥‥逃げたな。


 師匠としては大和撫子の何たるやを説いているつもりだろうが、こちらの世界にそぐわないものまで学ぶ必要ってあんの?

 あたしはこめかみを抑えながら試験場に行った。


* * * 


 いつものように師匠は手加減しない攻撃でみんなを鍛えるけど、流石にあたしは少しは耐えられるようになってきた。


 

 「うひゃぁぁあああっ!!」


 残っていたティアナが吹き飛ばされる。

 それをあたしは【念動】魔法で受け止め、何とか食い止めた。


 「ありがと、エルハイミ!」


 体制を整え次の攻撃に備える。

 が、師匠は次の攻撃をしてこない。


 「はい、今日はここまでです」


 「え?」


 「師匠、どういうことですか?」


 なんだろ?

 師匠があたしたちの意識あるうちに鍛錬を終えるなんて。


 「そろそろあなたたち二人は初期の目的の強さを備え始めました。気絶するまで鍛錬させるのはいじめですからね。アンナたちにはきついですが、そろそろ次の段階に移ろうと思います」


 って、気絶させるのはいじめって何よ!?

 しかもアンナさんたちにはきついけど次の段階って!?


 「師匠、次の段階って何ですの?」


 「そうですね、もともとあなたたち二人には英雄の要素がありました。しかし残りの二人にはその要素がありません。これは魂の問題なのでどうしようもないことです。ですから、英雄にはなれなくてもそれに準じる方法を教えます。もっとも、あなたたちには必要ないので同時進行で別の鍛え方をします」


 ぱちんっと刀を鞘に納め、気絶しているアンナさんとロクドナルさんに回復魔法と浄化の魔法をかける。

 あたしたちにも浄化の魔法をかけてから全員を呼ぶ。



 「いいですか、あなたたちは既に一般的な能力を大幅に超えています。ティアナとエルハイミに限っては英雄の片鱗も垣間見れるようになってきました。そこで今後の指導については次の段階へ進みます」


 そう言って師匠はアンナさんとロクドナルさんを見る。


 「アンナ、ロクドナル、残念だけどあなたたちは英雄にはなれません。これは努力だけで成れるものではなくもともとの素質に左右されます。しかし、英雄を手助けすることはできます。ですので今後はあなたたち二人には人の限界を超える方法を教えます」


 おいおい、なんかすごいことおっしゃりませんでしたか、師匠!?


 「人を超えるでありますか?」

 

 「英雄ならざる私たちが?」


 「そうです、もともと英雄の要素がなかったアノードも、エルハイミの母親のユリシアもこの方法で人を超えました。ですのであなたたちにはその方法で鍛錬を積んでもらいます」


 ちょ、ちょっとまて、アノードって魔人戦争の時の英雄じゃないの!?

 しかもママンもだって??


 驚いているあたしに今度は師匠はこちらに向き直り、とんでもないことを言う。


 「すでにエルハイミは私と同居していますが、ティアナ、あなたも私と同居して『大和撫子』に鍛え上げます」


 「師匠、ヤマトナデシコって何ですか?」


 初めて聞くその言葉にティアナは疑問を持つ。

 

 「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花と表現されるように女性の理想形の事です。今あなたたちに必要なのは精神面の充足、つまり確固たる意志を持つことです。それは同調を確実に継続させるために必要なこととなります」


 うーん、大和撫子にこだわっていたのってそう言うことか。

 イメージ的に凛とした静かな、しかし意志の強さは確かな女性。

 確かにそれって精神面の上で必要なことかもしれない。

 同調だって結局は意思の強さで決まる様なものだしね。


 しかし、ティアナに大和撫子か‥‥‥

 お姫様モードがあるから意外といけるか?


 って、それってあたしってまだまだダメってこと??

 まさか師匠、今朝の事根に持っているのじゃ??


 

 とにかくこうして各自鍛錬の方向が決まったのであった。

 


  

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― 新着の感想 ―
[良い点] えっ、大和撫子に成る事に拘る必要が有るですか? 師匠さん自分の趣味だけなのでは?(笑)
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