第三章3-24大魔導士杯決勝戦その五
おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。
異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。
圧倒的ではないか、我がゴーレムは!!(エルハイミ談)
3-24大魔導士杯決勝戦その五
カシャンっ!
その真っ赤に輝く金属質の肌を唸らせティアナのゴーレムは一歩踏み出した。
ティアナのゴーレムの威圧感に耐えられなくなり、ホリゾンの怪人は力任せにその鍵爪の腕をティアナのゴーレムに叩き付ける!
しかしティアナのゴーレムは細いその腕でそれらの攻撃をいとも簡単に薙ぎ払う。
「なんだあれは!? あんなにか細い腕でゴーレム試作一号の攻撃を受け払っているだと!?」
ビエムは目を見開き驚いている。
そして歯をギシギシ鳴らしてから大声で叫ぶ!
「あのお方も見られているのだ! そんなおもちゃ、とっととぶち壊せ! やれゴーレム試作一号!!」
ビエムの声にホリゾンの怪人は「ま”っ」と言ってから更に攻撃を仕掛けるが、ティアナのゴーレムに傷一つ付けられない。
「効かないわよ、そんなんじゃ。」
ティアナはそう言って静かに伏せていた目を見開きビエムを見る。
カッ!
「そんな生ぬるい攻撃なんかじゃ全く効かないわ! 行けゴーレム!!」
ティアナの声に女型のゴーレムは攻撃してきた怪人の手首をあっさりと受け止める。
そしてどこにそんな力があるのか、そのか細い腕からは考えられない力で怪人の腕を握りつぶす。
「ま”っ??」
驚くホリゾンの怪人。
ティアナのゴーレムの攻撃はこれだけで止まらない。
握りつぶした手首を引っ張ったかと思うと逆の手で怪人の顔を殴り飛ばす。
たまらず怪人は吹っ飛んでいくが、その拍子に握られた腕はもぎ取れてしまった!
ティアナのゴーレムはもぎ取った怪人の腕を一瞬で紅蓮の炎で燃やしてしまった。
手のひらに炎を揺らめかせ、ティアナのゴーレムは一歩怪人に近づく。
ホリゾンの怪人は慌てて起き上がり残った腕を振り回しながらティアナのゴーレムに襲いかかる。
その攻撃をティアナのゴーレムは容易にかわし、怪人の頭に手のひらを向ける。
そしてゼロ距離から炎のインパクトを発し怪人の頭を吹き飛ばす。
「!?」
そのあまりの破壊力にビエムは言葉失う。
「これで終わりよ! 【紅蓮業火】!」
ティアナが力ある言葉を口にする。
途端にティアナのゴーレムから炎の柱が立ち昇る!
逆流する滝のごとき炎の柱はティアナのゴーレムをさらに輝かせそのままホリゾンの怪人に体当たりをさせる!
「三十六式が一つ、チャリオット! はああぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
気合と共に炎の柱をまとった体当たりはホリゾンの怪人を瞬く間に炎に包みながらバターのように溶かしていった!
そして攻撃を喰らった怪人は最後に数歩ふらつきながら後退して仰向けに倒れ爆発してしまった。
どぉおおおおんんっっっっ!!
爆炎と煙がたち昇る舞台上、ティアナのゴーレムはいまだその炎をわずかに体の節々に残していたが勝利の宣言をする右腕を高々と天につきあげる。
「勝者ガレントチーム!!」
うぉぉぉぉおおおおおおおおおぅぅっっっっーーーーーーーー!!!!
観客の歓声がこだまする。
立ち上がり拍手する者、紙吹雪を放り投げる者様々な反応を示している。
「やった! 勝った!! エルハイミ勝ったわっ!!」
大喜びするティアナ。
彼女は俺の方を向いて大喜びしている。
俺はティアナから手を放し、ふらふらと座り込む。
自慢の金色の髪の毛の先端が白くなっている。
急に疲れが俺を襲う。
「良かった‥‥‥」
その言葉を最後に俺の意識は急速に薄れていく。
最後に聞いたのはティアナが叫ぶ俺の名前だった。
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