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エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-  作者: さいとう みさき
第十六章
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第十六章16-14ジュリ教

おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。

異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。


そろそろお腹すいてきたわね?(セキ談)


 16-14ジュリ教



 「あのような演説をするとは、いよいよホリゾン帝国もガレント侵攻を始めると言う事ですね?」


 

 バルドさんはそう言ってお茶を渡して来てくれた。


 あたしたちは帝都エリモアの潜伏拠点にいる。

 船で潜入したがその時に丁度皇帝ゾルビオンの演説が声の拡大魔法で聞こえてきた。

 

 あそこまではっきりと宣戦布告してくるとは。


 しかし問題は一か月後に女神ジュリ様がお力を振るうと言う事だが、それは紛れもなく「狂気の巨人」の復活を意味するのだろう。



 「完全にやられました。ジュメルは既に『狂気の巨人』復活に対して準備が整っているという事ですか‥‥‥」


 ティアナはもらったお茶を飲みながらそう言う。

 そしてため息をついた時だった。



 「バルド様、大変です! とうとうホリゾンが各国に対して正式に宣戦布告をしました!!」


 「なんだとっ!?」



 ここの潜伏員のハスラーさんが飛び込んできた。

 バルドさんは立ち上がり驚く。


 「正式に宣戦布告をしてきたのですの?」

 

 あたしも思わず立ち上がってしまったが遅かれ早かれの話ではある。

 しかし、正式とは‥‥‥


 「なぜわざわざ正式に宣戦布告をする? 既にホリゾンは各国との交流がほとんどない。どう言う事だ?」


 バルドさんは腕を組んで考えている。


 「時間が必要なのですよ。各国がこまごまと攻め入るのを逆に宣戦布告で牽制し、各国が正式な戦争の準備をしている間に『狂気の巨人』を復活させ圧倒的な戦力でそれらを凌駕するつもりでしょう」


 ティアナは静かにそう言った。

 確かに勝利できる打算があれば逆に今は時間が欲しいだろうし下手に手を出してもらいたくないだろう。


 「ティアナ‥‥‥」


 「バルド、『女神の杖』の在りかは分かりましたか?」


 「いえ、それが‥‥‥」


 バルドさんたちも帝都に『女神の杖』がある可能性を知ってからすぐにでも調べ始めたが流石にそうそう簡単には見つからないだろう。



 「お母様、ベルトバッツたちにも探させましょう。このままでは‥‥‥」


 「コク、お願いできますの?」


 「勿論です。ベルトバッツよここへ」


 コクがそう言うと扉がノックされる。

 とたんに潜伏員の人たちは緊張するけどあたしたちは苦笑いしてその者を中に招き入れる。



 「お呼びでござるか、黒龍様」


 「ベルトバッツよ、この帝都エリモアにある『女神の杖』の在りかを調べよ。おおむねジュリ教の神殿か王城であろう。心してかかれ!」


 「御意!」


 そう言ってその場で液化ミスリルになってドアの隙間から消えて行った。

 その一連を見ていた潜伏員は固まり、バルドさんは苦笑いをしている。


 「流石に慣れましたが、ティアナ様、エルハイミ様の周りは常識が通用しないとゾナー様がおっしゃっていた。本当にすごい方たちだ‥‥‥」


 「普通でやっていてはダメなのですわ。なんとしても『狂気の巨人』復活を阻止しなければですわ」


 あたしはそう微笑んでそう言う。


 

 「ジュリ教ねぇ、ジュリ様ってそんな連中にあがめられているんだ?」


 「ジュリ様がどうかしましたか? セキ」


 「うん、ジュリ様ってそんな事しないお方だったはずなんだけどね? 『狂気の巨人』だってもともとは怒りと憎しみを食らわせて更なる高みを人間たちに目指させるのが目的だったはずなんだけどねぇ~」


 セキは上目づかいで昔を思い出している様だった。


 「しかし伝説では私たちのご先祖様が総力を挙げて何とか封印できたという化け物だと聞いていますわ。現に私は試練の間で過去の凄惨な戦いの記憶を見ましたわ」



 セキはコクに向かって聞く。


 「コクは最後にあれ見たの何時だった?」


 「私はディメルモ様がお亡くなりになって迷宮に引きこもる頃でしたか。そのころにはもうほとんどの女神様はお亡くなりになられていましたが」


 「あたしが最後に見たのはまだ『女神戦争』の真っただ中だったけど、聞くほど巨大でも凶悪でも無かったわね‥‥‥ やっぱり戦争で人間の怒りと憎しみが膨張して予想をしていなかった進化をしたのかもしれない」


 セキは当時の事を思い出すように目をつむり考える。



 「女神様の抑えが無くなった『狂気の巨人』か。暴走しているって事ね?」


 「そう言われればそうかもしれません。私が戦った時にはどんどんとその体を大きくしていましたからね。そして焼き尽くしても人間の怒りと憎しみを糧にすぐに再生してしまう‥‥‥ 厄介な相手でした」


 そう言ってコクも目をつむる。



 「エルハイミ母さん、そもそもそのジュリ教って何よ?」


 セキはあたしに目を向け聞いてくる。



 「女神ジュリ様の教えを世に広め戦い抜くことで生をつかみ取ろうとした教えでしたわ。特にこの北のホリゾンでは厳しい寒さの場所柄その教えは浸透していったようですわ」


 「なんかジュリ様が言っていたのとは少し違うわね? 『自分に対して常に厳しく、己と戦い己に打ち勝て』って言っていたのにね?」



 え?

 それって対外的に戦いを挑むのではなく自分自身に打ち勝てって事?



 もしそれが本当なら今のジュリ教は教え自体が間違ってしまっている。

 「人生は戦いだ、戦いに挑みそれに打ち勝て」なんてよく言うけど全く意味が違ってきてしまう。



 「所詮女神様の真意は我々人間へは正確に伝わらないと言う事でしょう。一部の権力者からいいように歪曲した解釈をされ、それがあたかも女神様ご自身のお言葉のようにされてしまう‥‥‥ 秘密結社ジュメル、彼奴等がその元凶です!」


 ティアナは腰の剣を握りしめそう言う。



 女神様の魂は天界の星座にいると言う事だが、そのお力が完全に無くなった訳では無い。

 事実過去一度だけ成功したと言われる女神降臨の秘術で女神ファーナ様の魂を司祭の体に降臨させて人々を飢餓から救ったという話は有名だ。


 但し、女神様の魂は絶大で奇跡が起こった後その司祭は塵へと化してしまったそうだが。



 「とにかくジュリ教は既に元の教えから逸脱し完全なる滅びへの『狂気』に捕らわれているという事ですわ‥‥‥」


 あたしはそう言ってふとあることに気付く。



 滅びを望む‥‥‥


  

 秘密結社ジュメルはこの世界が腐っていて破壊し再生すると言っていた。

 それは彼らにとっての都合がいい再生とばかり思っていた。


 しかし十二使徒の一人ユン神父は自分の命ですら簡単に捨てた。


 「ティアナ、秘密結社ジュメルの本当の目的はこの世界の完全消滅ではないのですの? 天秤の女神アガシタ様が人間の行いにこれほど手を出すとは、この世界が、人の世界が破壊し尽くされるのを恐れての事ではないのですの!?」


 「エルハイミ?」


 「そうですか、可能性はありますね。『狂気の巨人』を開放すれば人間がいる限り彼の者はその行動を止めません。破壊した後に再生する前に人類は全て食い尽くされてしまうでしょう」


 ティアナは驚きコクは何かに合点が行ったようだ。


 秘密結社ジュメルの本当の目的‥‥‥




 その可能性にあたしは背筋を凍らせるのだった。 

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ここまでにジュメルの目的なんども出てきて、主人公達も自分で世界の破壊と口にしてきたのに、今頃理解するってなんですか? 以前にも、再生だとか都合のいい話では無く世界の破壊だと言ってました…
[一言] >『狂気の巨』だってもともとは怒りと憎しみを食らわせて 狂気の巨神って、負の感情で動く、怒り肩した伝説の赤い量産機じゃないですかーやだー(棒) アフロ・レイを呼んでも制御しきれず、惑星なん…
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