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エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-  作者: さいとう みさき
第九章
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第九章9-27地上

おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。

異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。


主しゃま(ママ)のおっぱいでなきゃいやでしゅぅっ!!(コク談)



 9-27地上



 「主しゃま、どうぞコクとお呼びくりゃしゃい」


 

 黒龍様はそうはっきりと言った。

 そう、黒龍様は再生前の記憶を取り戻したのだった。



 「黒龍様、記憶が戻ったのですね? 良かった、それでお体の方はどうなのです?」


 「ママ、じゃなきゃった、主しゃまのおかげれよしょう以上に早くにしぇいちょうできましゅた!」



 なんか話し方はまだまだみたいだけどその外観に合って可愛らしい。

 両手をあげて抱っこをせがむしぐさをする。


 あたしは胸を隠してから黒龍様を抱き上げる。



 「うう~ん、主しゃまのだっこきもちいいれしゅ!」



 なんか思考自体幼児退行していない?

 まあ、可愛いからいいけど。



 「それで黒龍様、私たちは一刻も早く地上に戻りたいのですわ、地上に戻る方法を教えていただけませんかしら?」

 

 「主しゃま、コクれしゅ。今のあたちれは地上にまれ行けましぇん。 しょれに地上はリッチの結界れ出れにゃいのれしゅ」


 黒龍様はそう言ってしゅんとする。

 そのしぐさがまた可愛くて可愛くて。



 「リッチの結界ですか? と言う事はやっぱりここの出口ってジマの国なんですか?」

 

 イオマが確認をする。


 「そうれしゅ。あたちが魔法れ地上に行けりゅのはジマの国だけれしゅ」



 ジマの国となると今は亡者の王リッチが支配する国。

 生き残った住民の安否が心配されるがその情報自体が伝わってきていない。

 なので各国は既にあの国に生存者はいないと見ている。



 「そうするとコク、他には地上に行ける方法は無いのですの?」


 「主しゃま、有ましゅけどもう少しあたちが成長しないとしょれは出来ましぇん」



 またまたしゅんとする黒龍様。

 ううっ、本当に可愛いわね!!



 「そうしますと、後どのくらい成長に時間が必要ですの?」


 「たびゅん、主しゃまかりゃおっぱいをもりゃえば一週間くりゃいだと思いましゅ」



 えーと、記憶が戻ったのに魔力供給がおっぱいじゃないとだめなの?



 「コク、魔力供給はおっぱい以外ではだめですの?」


 「駄目れしゅ! おっぱいが良いれしゅ! きっと読者しゃまもその方が良いれしゅ!!」



 だから読者様って何っ!?



 それになんか他の方法でもいいんじゃないの? 

 あたしはため息をつく。

 

 「コク、どうやらおっぱい以外でも良いようですわね?」


 「いやぁれしゅぅ!! おっぱいが良いれしゅぅっ! ママのおっぱいが良いのれしゅぅ!!」



 あうっ


 

 可愛いのでやぶさかではないのだけど記憶が戻っている相手にそう言う事はちょっとね。

 あたしが良い返事をしないとコクはだんだんと大泣きモードに入っていった。



 「主しゃま、おっぱい~、おっぱいでなきゃいやでしゅぅ~!!」



 うわっ!

 何時にも増して騒がしいっ!!



 結局あたしは泣き止ませるために渋々その条件を受諾したのだった。  



 * * * * * 


  

 「うんっ、はぁっ‥‥‥」



 ちゅぽん!



 「ごちそうさまでしゅた。主しゃま」


 コクがあたしの胸から離れる。



 おかしい、絶対におかしい。


 あの後仕方なしに魔力供給を今までと同じにおっぱいでする事になったのだけど、どうもあの後からおっぱいの吸い方がおかしい。


 普通に吸うのではなく舌で舐め回すような吸い方をする。

 おかげでこの一週間悶悶とさせられてしまった。



 「コク、そろそろ一週間が経ちますわ、どうなのですかしら?」


 胸をしまいながら魔力をほとんど吸い取られたあたしはコクに聞いてみる。   


 「はい、そろそろ背中がムズムズすりゅので脱皮になると思いましゅ!」


 今のコクは大体二、三才くらいの女の子に見える。

 だいぶ髪の毛も伸びたし自分の足で歩けるようにまでなっている。

 たまにバランスを崩してこけるけどそのしぐさがまた可愛くて可愛くて。

 クロエさんなんてそれを見るだけで大騒ぎして大歓喜だった。


 今までの話は既にみんなにしておいた。

 なのでそろそろコクが力をつけてきて地上に出れる日が近づいてきたのだ。 

 

 あたしは脱皮しそうなことをみんなに言う為にコクを連れて大広間に向かう。

 


 * * *



 大広間には皆がいた。



 「主様、本日の魔力供与はお済ですか?」


 クロさんが聞いてくる。


 「ええ、終わりましたわ。ところでコクが背中がムズムズして脱皮しそうだと言っていますわ」


 するとクロさんとクロエさんは大喜びだ。



 「ここまで早く初脱皮を行えるとは、流石主様。黒龍様、おめでとうございます」


 「黒龍様、脱皮時にはぜひ私めがお手伝いさせていただきます。何なりとお申し付けください」



 そう言って二人ともコクに頭を下げる。


 「うん、大丈夫れしゅ。脱皮は自分で出来るでしゅ。しょれよりあたちが脱皮したりゃ地上に行くでしゅ」

 

 「黒龍様、ではいよいよあの憎きリッチめを滅ぼすのですね?」


 「黒龍様、お供いたします!」


 クロさんもクロエさんも意気込んでそう言う。

 しかしコクは違った。


 「駄目でしゅ。お前たちはここに残るでしゅ。あたちは主しゃまを地上にお届けしゅるでしゅ」


 「コク?」


 「あたちは主しゃまの命に従うものれしゅ。主しゃまの望みは地上に出る事でしゅ。リッチはあたちたちの私怨でしゅ」


 コクはそう言ってあたしを見る。

 そして可愛らしく膝まづく。


 「しゅべては主しゃまの御心のみゃみゃに」


 本来はすごいこと言っているのだけどその容姿も相まって可愛くて可愛くてしょうがない。

 クロエさんなんて黄色い声上げている。


 「ありがとう、コク。でもまずは脱皮してからですわね?」


 「ひゃい、主しゃまそろそろ脱皮しそうでしゅ、背中がむずむずしてきみゃししゃ」



 そう言って服を脱ぎ始める。

 コクは一糸まとわぬ姿になり四つん這いになる。



 そして背中にひび割れが入り始める。



 「おおっ! 黒龍様が人型で脱皮を始められるぞ!」


 「黒龍様、お美しい‥‥‥」


 「うわ、人型でも脱皮できるんだ!?」


 「なんか不思議な光景ですね、お姉さま」


 みんなもその様子に見入る。

 あたしも脱皮する人って見た事無いからその様子が非常に気になる。

 

 コクの背中はどんどん割れていき、その下から同じような白い肌が見えてきた。

 ずるりと言った感じでいきなり上半身が脱げ落ちる。

 それと同時に真っ黒な髪の毛を振りながらコクが上半身を起こした。

 そして立ち上がると同時に下半身の皮もずるりと脱げ落ちた。


 そして立ち上がったコクはいきなり五、六歳くらいの女の子の姿になっていた。

 

 あたしは慌ててコクに上着を羽織る。

 いくら脱皮とは言え一応男性の目の前、クロさんやショーゴさんがいる。


 「主様?」


 「コク、脱皮おめでとうですわ。でも今度脱皮する時は殿方の前でしてはいけませんわよ、分かりましたかですわ」


 「はい、主様がそうおっしゃるなら」


 うん、良い返事です。

 こんな美少女の裸を早々に晒すわけにはいかない。

 にっこりとするその顔つきはあたしにだいぶ似ている。


 ‥‥‥


 娘もつとこんな感じなのだろうか?

 なんか複雑な感じ。


 そんな事を思いつつ気を抜いたら一気に疲れが出てきた。

 あヤバイ、気が遠くなる。

 あたしはとにかく魔力回復の為一旦休ませてもらう事となった。  



 * * * * *



 目覚めてあたしは広間に行く。

 広間ではコクがクロさんたちと何か話していた。

  

 コクは黒を基調としたドレスを着込んでいて白い肌に反して非常に似合っている。

 ゴスロリチックだ。


 「もうよろしいのですか? それでは主様、地上へとお連れしますが今までの方法ではリッチの結界に阻まれて地上には出れません。そこで各層の出入り口に仕掛けられたゲートを使い一層目の出口にまで順に行きます。クロ、クロエ、あなたたちは命があるまでここで控えていなさい」


 「はっ、黒龍様お気をつけて」


 「黒龍様、何かあればお呼びください、すぐに駆け付けます」


 二人ともそう言って頭を下げる。

 あたしを待っていたシェルやショーゴさん、イオマは既に出発の準備が出来ている。

 あたしも既に準備は出来ているのでコクを見て頷く。


 「では主様こちらへ。皆さんもよろしいですね?」


 コクに導かれながらあたしたちは一つの部屋に入る。

 そこにはゲートが有り淡い光を放っていた。




 あたしたちはゲートに入りいよいよ地上へ向けて出発するのであった。

    

 

  

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― 新着の感想 ―
[一言] 脱皮シーン。 コマで見切れさせないならば、漫画では青年誌以上でないと……いや、下手すりゃRとOがつく患者向け雑誌でないと無理か?
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