第八章8-13砦の増強
おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。
異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。
養殖池って魚の牧場みたいね?(ティアナ談)
8-13砦の増強
どうも本格的に長期戦になりそうだった。
偵察部隊の情報ではこの半月にどんどんと砦を作っているようで近くの森もだいぶ伐採されているらしい。
あれから半月が経つがホリゾンは攻め込んでくる気配がない。
こちらも時間的余裕が出来たので他の事をいろいろと始めることになった。
「水もだいぶ落ち着いて来たみたいね? 精霊たちが馴染んできたわよ?」
シェルは養殖池の状態を見ている。
あの後にあたしは隕石落として大きな穴を作り、ゴーレムで整備してから川から水を引いた。
ちゃんと水の循環を考えてまた川に水が流れ出るようにもした。
しかしそうなるとこちらの管理も考えなければいけない。
流石にこちら側からホリゾンが攻めてくる可能性は低くても用心は必要だ。
そこでここにも砦を建設しようと言う事になった。
「しかし川と池の間に砦を作るとなると素材が足りんな。まさか泥で砦を作るわけにも行くまい」
ゾナーはそう言ってこの近辺の地図を見る。
あたしは指を立てゾナーに説明を始める。
「その点は抜かりありませんわ! 数日前にロックゴーレムを作ってこちらに向かわせていますわ!!」
あたしは砦の話が持ち上がった後、ショーゴさんに頼んで西側の山岳地帯にまで馬で連れて行ってもらって岩からロックゴーレムを作りここへ移動するように命令をしていた。
余裕を見て沢山のゴーレムを作ったけどここに来るまでに時間がかかっていた。
でも多分もうじきここに着くだろう。
「それじゃあ砦も簡単にできるわね? あとは養殖を管理する人の家とか作らなきゃかな?」
ティアナはだいぶ水がきれいに澄んできた養殖池を見ている。
既に川から逃げ込んできた魚もいるみたいでたまに池の真ん中あたりではねている。
「当面は砦と住居を同じ場所で獣除けの柵を作ろうと思いますの。これだけ大きな養殖池ですわ、そのうち小舟とかも必要になりますもの。」
あたしも養殖池を見る。
手加減しない隕石は見事に大地に大きな穴をあけてくれた。
多分東京ドームの数倍はある。
中央に行けば行くほど深くなっているけど、淵は水遊びできるくらい浅い。
暑い時期はここに水浴びに来るのもいいかなぁなんて思っているとシェルがあたしたちを呼ぶ。
「ねえ、あれがエルハイミの作ったゴーレム??」
見ると数日前にあたしが作ったゴーレムたちがやってきた。
確かその数百体を超えていたはず。
『単純なものだったから簡単に作れたけど、この数ってエルハイミじゃないと出来ないわよね? それにこれってそのまま対ホリゾンに使えるのじゃない?』
サポートでシコちゃんにも手伝ってもらったけど確かにこのゴーレム部隊そのまま使えるわね?
一体あたりが大体五、六メートルの巨体を持つ岩のゴーレム。
俊敏な動きは出来なくともその鉄拳は恐ろしいほどの破壊力を持っている。
「まあ、それはそれとして今は砦を作らなくてですわ! シコちゃん、サポートお願いしますわ!!」
あたしはそう言てまずは土台となる地面を掘り起こさせ小型のゴーレムを崩し小石にして大型のゴーレムで踏みつぶさせ地ならしをさせる。
次いでシコちゃんに魔力を注ぎ込み【錬成魔法】を使って次々と同じ形の同じ大きさに岩を変えていく。
それを大型ゴーレムに積み上げさせ物見台の塔を作る。
その塔を中心に砦の外壁をどんどんと積み上げ城壁を作り半日もしないで砦の基本部分を作った。
「全く、毎度毎度エルハイミ殿には驚かされる。小さな砦とは言え半日でほとんど作ってしまったぞ!?」
「ちゃんと測量と設計図がありましたからその通りに作ったのですわ。なにも準備しなければそう上手くは行きませんわ」
びっっと人差し指を立ててあたしは力説する。
出来上がった砦はなかなかの出来で、あとはこれに木材を使った扉とかつければ大体出来上がりだ。
「そうなるとここへも衛兵の駐在が必要だな。むしろそのまま砦を中心に小さな村を作った方が早いかもしれん」
そう言ってゾナーは砦の中に入る。
あたしたちも一緒に入るが石造りの砦はかなりしっかりしたものであった。
「ふむ、良い感じだ。エルハイミ殿、図面さえあればこのくらいの砦ならすぐに作れるのか?」
「そうですわね、ちゃんと準備出来れば今日くらいの感じで出来ますわ」
ゾナーは「そうか」と言って何やら考え込んでいる。
「エルハイミ、魚の方はどうするのよ?」
「ジルから聞いた話では近くの沼にも食べれる魚がいるらしいですわ。それを捕まえてここに放てば自然と増えると思いますわ。あとは定期的に餌をまく魚が集まりやすい場所を作っておけば良いと思いますわ」
ティアナは物見の塔に上って養殖池を見る。
戦争で出来た湖よりは小さく、人工的に整備をしているのできれいに丸いその形は見てて気持ちがい。
「なんか変な感じね? 自然の池と違ってきれいすぎるわ」
シェルも物見の塔に上がってきて池を見ながら感想を言う。
「使い勝手優先ですわよ。それにまだまだ形は変わりますわよ?」
小舟の船着き場や水の引き入れ口や引き出し口の管理も始めなければならない。
とれる魚の養殖も上手く行わなければならないから池の健康管理も重要だ。
あたしがそんな事を考えているとゾナーがやってきた。
「エルハイミ殿、頼みがある。これからこのような砦を大幅に増やしたい。東にもう一つ、西にもう二つ同じような砦を作ってもらえないだろうか?」
来るなりゾナーはそんな事を言う。
勿論出来なくは無い。
「でもなぜ急にそんな事をですの? そこまで幅を広げる理由は何ですの?」
「キメラ部隊だ、それとジュメルの怪人どもだ。長期戦が始まれば確実にそいつらがこちら側の補給ルートをつぶしにかかるはず。そいつらは人間では超えられない場所を超えられるかもしれん。数は多くないだろうが補給ルートや後ろからちょっかい出されるのは気に食わん。そう言った意味でも可能な限り監視の目を増やしたい。
」
そう言ってゾナーはホリゾン側の森を見る。
確かに人ならざるものなら超えて入ってくるかもしれない。
既に長期戦になるのは覚悟済み。
あたしはティアナを見てからうなずく。
ティアナも無言でうなずき返してくれる。
「わかりましたわ! 頑丈な砦を作って見せますわ!!」
ティナの町の発展と安全の為あたしは頑丈な砦を作ることにしたのだった。
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この後はいいつも通りに戻りますので引き続き「エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-」をよろしくお願いしますね~!!




