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エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-  作者: さいとう みさき
第七章
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第七章7-20ガルザイルへ帰還

おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。

異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。


満天の夜空かぁ・・・

マーヤどうしてるかなぁ?(シェル談)

 7-20ガルザイルへ帰還



 翌日あたしたちは荷台に回収したアイミやその他荷物を積んでいた。



 「これで準備良しっと! これさえあればお尻痛くならないわね!」


 見るとシェルがどこかで手に入れてきたのだろう、座布団のようなものを持っている。

 あたしたちは来た時と同じような格好をして出発の準備をする。


 するとレギニオンさんがやってくる。


 「すみません、このキャラバンもう出発ですか?」


 「はいもうすぐ出ますけど?」


 サージ君がレギニオンさんに答える。

 レギニオンさんは申し訳なさそうに話始める。


 「実は手違いが有りまして乗合馬車に乗るはずの神父様を乗せ忘れてしまいましてね、もし可能であればこのキャラバンに同乗させてもらえないかと思いまして」


 「神父様? どんな人?」


 サージ君が答えるより早くティアナが質問する。

 

 「実は私なんですよ」


 そう言ってレギニオンさんの後ろからヨハネス神父さんが出てきた。


 「昨日の騒動に気を取られていてつい乗合馬車の時間を過ぎてしまいました。急ぎガルザイルに向かいたいのですが次の乗合馬車は三日後と言う事で困っています。荷台でもいいので乗せてもらえないでしょうか?」


 そう言って困ったような顔をする。

 ティアナはちらっとあたしを見る。

 特に問題は無いだろうし、アイミたちの荷台で無ければ良いのではないかな?

 そう思いあたしは無言で首を縦に振る。

 

 「狭いですけどいいですよ」


 ティアナのその言葉にヨハネス神父様は嬉しそうにお礼を言う。

 レギニオンさんはほっとした顔つきで小袋を渡してくる。

 

 「これは少ないですが神父様の分の代金です。うちの不手際が有りましたので多めに入れてあります」


 そう言ってサージ君に手渡す。

 ここで拒否するわけにもいかないのでサージ君はそれの中身を確認する。


 「え? ちょっと多すぎないですか!?」


 「いえいえ、無理言ってお願いするのですからお礼も入ってます。どうぞお受け取りください」


 レギニオンさんのその言葉にティアナは「わかりました、隊長、宿場村では美味しいご飯食べさせてね!」とか言ってる。

 まあ有って困るものでもないし途中の宿場村で美味しいご飯が食べれるからいいか!


 「それでは皆さん、よろしくお願いします」


 そう言ってヨハネス神父様を乗せてあたしたちのキャラバンは出発するのであった。



 * * * * *



 一日目は野宿となる。


 既にキャラバンは路肩に馬車を止めて野営の準備をしている。

 空は薄暗くなってきているので所々で焚火と魔法の光をともす。



 「はい、出来ましたわよ。サージ君、みんなに配ってですわ!」


 「エルハイミ、こっちもいいわよ! 焼きあがった!!」


 あたしとティアナが中心に食事を作る。

 なんだかんだ言ってあたしたちが作った方がおいしいし評判もいい。


 サージ君がみんなにご飯を配っている。

 あたしは神父様の分をおわんに入れてティアナが焼いたナンも持っていく。


 「ヨハネス神父様、ごはんです、どうぞ」


 「これはこれは、ありがとうございます。おおっ、美味しそうですね!?」

 

 ヨハネス神父様は嬉しそうにそう言い「早速いただきます」と言って食べ始める。


 「うん、美味しいですよ、エルハイミさん。これはいいお嫁さんになれますね!?」


 「あら嫌ですわ、お上手ですわね、どうぞごゆっくり」


 あたしはそう言ってティアナの元へ戻り一緒に食事を始める。


 

 しばらくしてみんな食べ終わり食器の回収をサージ君が始めた。

 あたしたちも水生成魔法でたるに水を張り食器を洗い始める。


 「もしよければ手伝わせてください」


 そう言ってヨハネス神父様はあたしたちと一緒に洗い物を始める。



 *



 「ふう、ヨハネス神父様のおかげで洗い物が早く終わったわ、ありがとうございます」


 「ほんと、助かりましたわ。ありがとうございますですわ」


 あたしとティアナは腕まくりをもとに戻しながらお礼を言う。

 

 「いえいえ、美味しいご飯のお礼ですよ。しかし皆さんこのキャラバン長いのですか?」


 ぎくっ!?

 

 なんか変な所でもあったかな?


 「なんでですの?」


 「いえ、きれいなお若い女性が三人もおられているのですから驚きましてね」


 「まあ、本当にお上手ですわね神父様なのに!」


 ははははとヨハネス神父様は笑っている。

 流石に神父様だけあって人あたりが良いな。


 「え~あたしは入ってないのぉ?」


 マリアが飛んでくる。


 「マリアさんはとってもチャーミングですよ」


 「うわーい! チャーミングだって!! ねね、聞いたエルハイミ!?」


 「はいはい、良かったですわねマリア」


 喜び飛び回るマリアが残すキラキラした軌跡にあたしは上を見上げる。

 すると満天の夜空にはきらめく星々が光っている。

 あたしは思わずそれに見とれる。


 つられて皆も夜空を見上げる。


 「きれいね、しばらく夜空なんて見上げていなかったわね」


 「ほんと、でもここでも夜空って同じに見えるんだね、村で見たのとおんなじだぁ‥‥‥」


 ティアナとシェルも夜空を見ながら感想を述べる。


 「夜空には女神様たちの星座が有ってそこに女神様たちの魂があって私たちを見守ってくれているのですわよね、ヨハネス神父様?」


 ヨハネス神父様は少し間をおいてから「ええ、そうです。女神様は見守ってくださいます」と誰にとなく言う。

 そして祈りを捧げた。



 「さて、明日も早いですわ。そろそろ寝ましょうですわ!」


 あたしはそう言って女性用のテントに向かう。

 見張りは交代交代なので先にあたしとティアナが寝ることになる。


 もっともすぐには眠れないけど、むふっ!

 みんなに聞こえないように注意しなくっちゃ♪



 * * * * *



 「全く、エロハイミとティエロは声がでかい! あたしが風の精霊使って無音にしなかったらみんなに聞こえてたわよ!?」


 小声でシェルに怒られる。



 だって、あたしが襲うはずだったのに逆にティアナに襲われて久しぶりだったから二人とも盛り上がっちゃって‥‥‥



 『まあ、どこでも盛るのは控えるって事ね。宿場村に行けばもっと落ち着いてゆっくりやれるのにね』


 シコちゃんにも言われる。


 既にキャラバンは出発していてあたしたち三人は幌付きの荷台で話をしていた。

 なんやかんや言ってもシェルとシコちゃんにいじられまくるあたちたち。

 反論しようにも昨日の夜は流石にシェルに感謝だった。

 あまりにも激しくし過ぎて確かに声が大きくなっていた。

 聞けばすぐ何してるか分かるくらいに‥‥‥


 「すみませんわ、今後注意しますわ」

 

 「‥‥‥ごめん」


 結局最後に反省させられて落ち着いた。

 ずっと馬車に揺られるだけなので暇だからこういう事はすぐに話のネタにされる。


 ガルザイルまであと二日はかかる。

 今晩は宿場村だから少しは落ち着けるだろう。



 そんなことを思っていた時だった!


 『エルハイミ! ティアナ! シェル! 気を付けて! この感じ、敵襲よ!!』


 シコちゃんの警告を聞いたあたしたちはキャラバン全体に警告を発する!


 するとすぐにその敵意は現れた!

 しかも上空から!?


 「【絶対防壁】!」


 あたしは有無を言わさず各馬車に魔法を発動させる!

 そしてその魔法が完成すると同時に【炎の矢】が着弾する!!



 「なっ!? なんですの? いきなり防御されましたわ!?」


 見ると蝙蝠の融合怪人にぶら下がってジェリーンが空中にいた!?


 

 「あんたはおっぱいお化け!?」


 「誰がお化けですの! この小娘が!!」


 ジェリーンは地面に降りてきて【氷の矢】を出現させる!

 

 「全くとんだところで出会わせてしまいましたわ! しかしマシンドールはいないみたいですわね? これでも喰らいなさい!!」


 そう言って【氷の矢】を飛ばしてくる。



 こいつ意外とやる!?

 一気に数十本の氷の矢が飛来してきてあたしたちを襲う!


 すかさずあたしとティアナが【炎の矢】と【絶対防壁】、そしてシェルが弓矢で迎撃する!

 何本か間に合わなかったけどほぼほぼ被害は無し!


 

 「よくもやってくれたわね!?」


 「ふん、まだまだ行きますわよ!!」


 と、今度は【火球】を何十個も作り出す!?

 ショーゴさんもロクドナルさんもこちらに駆け付けてきた!

 まだ融合怪人は動いていない!

 前衛の二人が駆けつけてくれたのでこれで魔法に集中できる!  



 「いったい何が起こっているんですか?」

 

 攻防の最中ヨハネス神父様が顔を出す!


 「まずいですわ! 神父様危険ですから馬車の中に隠れてくださいですわ!!」


 あたしが叫び防御魔法でカバーする!!

 しかしいくら待っても【火球】の攻撃が来ない?

 どういう事??


 見るとジェリーンの様子がおかしい?

 顔を赤らめ熱い視線でヨハネス神父様を見ている。


 「ああ、いい男・・・  くっ! 引きますわよ!!」


 そう言いながらあたしたちとの間に閃光弾の玉を投げつける!



 ぼんっ!

 ビカッーーーー!!


   

 「くっ!」


 「うわっまぶしいいっ!!」


 流石にあたしやティアナは目をカバーするけどシェルはまともに喰らったらしい!?

 勿論ロクドナルさんやショーゴさんもまともに喰らう事は無い!



 しかしその刹那でジェリーンと融合怪人は姿を消していた。


 「逃げられたか‥‥‥」


 ティアナは悔しそうにしている。



 しかしこんなん所にジュメルの連中がいるの?


 『慌てて逃げ出したから物資が不足してるんでしょ? キャラバン襲ってくるとは強気ね?』


 シコちゃんのその声にあたしたちは周りをもう一度確かめる。

 どうやら黒ずくめやほかの怪人はいない様だ。


 「またすぐに襲って来る事は無いと思うけど注意が必要ね」


 ティアナに言われロクドナルさんもショーゴさんも無言で首を縦に振る。

 

 「でもなんでいきなり引いて行ったのですかしら?」


 「さあ、神父様がイケメンだったからお化粧直しにでも戻ったんじゃない?」


 ティアナははカラカラ笑いながら椅子に座りなおしている。。

 どちらにしろここから先は注意が必要だ。


 

 「目がぁー! 目がぁぁぁっーー!!」


 まだ騒いでいるシェルに【回復魔法】をかけてやる。

 やっと落ち着きながらシェルはぼやく。


 「ううーっ、ひどい目にあったぁっ!!」

 

 憤慨しているシェルも馬車に乗せてあたしたちは動き出す。 


 


 この後あたしたちはジュメルの影を気にしながらガルザイルに戻る事となったのだ。

 

 

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