第七章7-18グランドアイミ起動!
おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。
異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。
ファイナ〇フュージョン承認!
でも更に追加装備が有った場合なんて言ったらいいのですかしら??(エルハイミ談)
7-18グランドアイミ起動!
マシンドールブラックは想定していたけど六体近い融合怪人は完全に想定外だった。
「まずいですわ、これじゃ双備型マシンドール八体相手にしている様なもの、いくらアイミたちでもさばききれないですわ!」
事実アコード様たちは押され始めている。
あたしは援護に徹しているし、シェルの魔法や弓じゃ効果がない。
後はショーゴさんの【爆炎拳】が有るけどそうするとあたしたちのガードがなくなってしまう。
まだ黒ずくめはちょろちょろと残っているので気を抜くとやばい。
「くぅっ! ウインドー飛んでるやつに攻撃魔法! ウォーターは防御に徹して! アース足止めの魔法!! フレイムはアイミとマシンドール押さえて!!」
アイミと違って他の四体は格闘戦が苦手だ。
魔結晶石に封じられている上級精霊はもともと魔法を使って相手を倒すのが得意なので記憶魔晶石を装備しようとしても拒否反応が出たそうだ。
事実直接格闘しているのはアイミだけである。
『まずいわね【雷龍逆鱗】はあいつらに効かないし、広範囲魔法は危なくて使えないしで手が無いわよエルハイミ!』
シコちゃんに言われてあたしも焦る。
しかしこの状況、あとはシェルに頑張ってもらってショーゴさんを突っ込ませるしかない!
「ショーゴさん、私たちの護衛はいいですから融合怪人をお願いしますわ!」
「しかし主、御身が危険にさらされてしまう!」
「私は大丈夫ですわ! シェルこちらに! ゴーレムの壁を作りますわ!!」
そう言ってあたしはゴーレムを作り上げる。
動きは遅いけど壁くらいにはなる。
「シェル、矢に強化魔法をかけますわ! アコード様たちの援護をお願いですわ!!」
「わかった!」
シェルはすぐにあたしのそばに来て、ショーゴさんは融合怪人に駆け寄る。
「【爆炎拳】起動!」
あたしのコマンド魔法が飛び、ショーゴさんの義手が反応する!
左の拳の爪が伸び、下腕の排気ダクトが開きブーストされた圧縮魔力が炎となって吹き出す!!
アコード様たちに攻撃魔法を飛ばしていた融合怪人はショーゴさんに気付きそちらに魔法攻撃を仕掛ける!
しかしショーゴさんはあり得ない跳躍で軽々この攻撃を避け一気に懐に入る!!
「うぉぉぉおおおおおっ! 【爆炎拳】!!」
魔法の発動である力ある言葉と共にショーゴさんは手のひらを融合怪人にぶつける!
ドガッ!
びきっ!
ばぁああぁぁんっ!!
当たった瞬間に中国拳法の発勁のようにそこから力がはじけ爆発するかのようにその部分が真っ赤に溶解して融合怪人を倒す!
ぶしゅうぅぅぅぅ‥‥‥
ショーゴさんの腕から冷却の排気が出る。
これの欠点は連発できないところ。
ショーゴさんはすぐにその場を離れる!
そこにすぐに他の所から攻撃魔法が飛んできた!
幸いすぐに離れたのでショーゴさんは無傷。
しかしまだまだ融合怪人は残っている。
「くっ! ここまで怪人が強いとはっ!」
いったん退いたアコード様は体制を整える。
あたしは【回復魔法】でアコード様たちを治すが動けなくなっている人が出始めた。
「おーっほっほっほっほっ! いいわね! お前たちもう少しですわそのままやっておしまい!!」
「ジェリーン! 海の通路から奇襲です! 融合怪人一体と魔怪人を連れていきますよ! こちらは頼みました!!」
「ええ、いいですわよフィジー、行ってらっしゃいな。私はこいつ等を始末してあげますわ!!」
そう言って女幹部の一人は踵を返して奥に行った。
つられて融合怪人と怪人がそれについて行く。
多少戦力が減ってもまだまだこちらが不利だ!
ショーゴさんが参戦してくれたおかげで融合怪人から負傷者を引き上げもできたが防戦で手いっぱいだ。
「エルハイミ! 矢がなくなる!!」
やばい、こっちも弾切れになりそうだ!!
「くそうっ! アイミ一人じゃ二体いっぺんに対応しきれない! リーチがもう少し長ければ!!」
ティアナも一対一ならガレント三十六式など使えるが流石に二体一度だとスキを突かれる。
リーチが長ければけん制もできるだろうけど‥‥‥
ん?
アイミのリーチを伸ばす!?
それだ!!
「ティアナ一度アイミたちを下げてください! アイミたちを合体させますわ!!」
「ええっ!? わ、分かった! アイミ!」
アイミたちはその場でマシンドールブラックたちに【炎の矢】を放ち隙を作る。
他のマシンドールたちもけん制の魔法攻撃を放ってからいったんその場を離れる。
「行きますわよ! 【最終融合承認】!!」
あたしのコマンド魔法を受けたアイミたちが飛び上がる!!
どこからか例の掛け声が上がったと思うとアイミたちは空中で一瞬Ⅴの字型にひかり、各マシンドールたちが変形を始める!!
そしてアイミにフレイムとウォーターが両肩から腕へ。
ウインドーとアースが腰から両足へ。
胸部に四つの魔結晶石が集まりそれを全体に緑色のクリスタルがおおう。
最後にアイミの頭に王冠のような飾りがつき、もみあげも金属のじゃらじゃらしたものが伸び、背中から八つの後光のようなリフレクターっぽいものが生える。
「完成! グランドアイミ!!」
どこからか掛け声が上がりグランドアイミが空中で決めポーズをとる!!
「な、なんなんですのあれは!!!?」
ご丁寧に変形合体が終わるまで待っていてくれたジュメルの皆さんはグランドアイミの威圧感に驚いている。
グランドアイミはゆっくりと地面降りてきてマシンドールブラックたちを見る。
ぴこっ!
その姿は女性のシルエットだがオーガの女性のごとく一回りも二回りも大きくなり体の所々にごついアーマーをつけているかのようである。
「くうっ! そのようなハッタリ効きませんわ! かまわないわ、お前たちやっておしまい!!」
「「ま”っ!!」」
ジェリーンのその声に融合怪人たちがアイミを襲う。
しかしグランドアイミが放った重い拳は融合怪人の一体をやすやすと粉砕する!
ぴこぴこっ!!
いや、普通の人には分からないって。
どうやらグランドアイミは「命が惜しかったら引きなさい!!」とか言っている。
しかし融合怪人たちはなおもグランドアイミに襲いかかる。
そんな融合怪人たちをグランドアイミは魔法攻撃を左手の青で水の壁を作り防ぎ、右手の赤黒で【火球】を作り出し打ち返す。
更に空中にいた蝙蝠型融合怪人のもとまで緑色の光を放ちながら飛び上がり空中で蹴り飛ばし地面にたたきつける。
マシンドールブラックたちも慌ててグランドアイミに【炎の矢】をマシンガンのように打ち出すがグランドアイミの水の防御壁にいとも簡単に防がれてしまう。
「いける! アイミ、行くわよ!!」
ティアナの掛け声と共に地面に戻ったグランドアイミはマシンドールブラックに向かって突っ込む!
マシンドールブラックは迎撃の【炎の矢】を撃つがグランドアイミはその巨体に似合わずひらりとかわし懐に入る。
右と左の手が炎と水の魔力の輝きを携えきらめく!
その両手を合わせ三十六式が一つランスのように突っ込む!
そして合わせた両手をマシンドールブラックの胸にめり込ませ双備型魔晶石核を引きずり出す!!
とたんに双備型を引き抜かれたマシンドールブラックは機能を停止してその場に崩れ落ちる。
グランドアイミは双備型をその場に投げ捨ててもう一体のマシンドールブラックを振り向く。
流石にマシンドールブラックも危険を感じ距離を取るとそこへショーゴさんが踏み込む!
魔力活性を行いながら腕に埋め込まれた魔晶石の力を解き放ち強力な一撃を入れる!
予想外の攻撃によろめいたマシンドールにとどめを刺そうとして詰め寄るショーゴさん!
しかしそこへ融合怪人が邪魔に入る!
「くっ!」
融合怪人の鍵爪をかわし大きく飛び退くショーゴさん。
その間にマシンドールブラックはさらに後退して遠方攻撃魔性の【炎の矢】を撃ってくる!
グランドアイミがその攻撃を防いでいる間に今度はロクドナルさんがショーゴさんを襲った融合怪人に切り込む!!
その刃は今度はきれいに融合怪人を切り裂く!
腕を切り落とされた融合怪人は傷口を抑えながら後退する。
「好機だ! 一気に攻め落とすぞ!!」
アコード様のその声に特殊部隊の精鋭も声を上げ切り込む!
あたしは再度支援の【防御魔法】をかける!
既に黒づくめはアコード様たちが一掃し終わって残るはマシンドールブラックと二体の融合怪人だけだ。
「くっ! マシンドール! こうなったら最後の手ですわ、おやりなさい!!」
グランドアイミのおかげで形勢逆転したジェリーンはマシンドールブラックに何かを指示した!?
マシンドールブラックは魔法攻撃を続けながらグランドアイミをけん制する。
しかしグランドアイミにそんな攻撃は通用しない!
グランドアイミはその攻撃を易々とかわしてマシンドールブラックのすぐ近くにまで行く!
その時だった!!
マシンドールブラックはいきなりグランドアイミに抱き着いてくる!?
どういうつもりだ!?
そう思っていたら急激にマシンドールの魔力が膨張する!!
『まずい! エルハイミ魔力ちょうだい! みんな下がらせて!! 【絶対防壁魔法】!!』
シコちゃんがそう言ってアイミのすぐ後ろに【絶対防壁魔法】を展開する!?
ドラゴンの炎さえ遮断すると言われるこの魔法、どういうつもりシコちゃん!?
と、次の瞬間マシンドールブラックが輝き始める!?
「アイミ!? 逃げてですわ!!」
あたしもここではじめて気づく、自爆するつもりだ!!
しかしいくらグランドアイミの力を持ってもそうそう簡単には振り落とせない!
「アイミっ!!」
カッ!
どがぁっぁぁぁーーーんっ!!!!
ティアナが叫ぶと同時にマシンドールブラックが自爆した!!
シコちゃんが使った魔法のおかげでこちらには被害が無いけど向こう側は神殿の一部まで破壊するほどの威力!!
劫火と崩れ落ちる建物の一部!!
周りを見ると既にジェリーンの姿は無い?
あの叩き落された蝙蝠の融合怪人もいなくなっている。
逃げたか?
「アイミっ!!」
ティアナがまだ効果を発している魔法の壁まで駆け寄る。
あたしもそちらに駆け寄る。
「ティアナ、アイミは!?」
「感覚はあるかだら大丈夫だと思う、でもこれじゃ‥‥‥」
しばらくして炎と煙が落ち着いてきたところにグランドアイミの影が見え始めた。
所々すす汚れているけどどうやら無傷のようだ!
『すごいわね、とっさに全精霊の力を使って爆発の衝撃と炎の一部を異界に飛ばしたのね?おかげでダメージは最小限に出来たみたいね』
シコちゃんが状況を考察する。
ぴこっ!
アイミがこちらを向いて自慢げにしている。
しかしとっさとは言え自分で判断して対応するなんて、アイミもどんどん成長しているようだ。
あたしたちは安堵の息を吐く。
すると向こうからきらきらと光の軌跡を残しながら飛来する者がいる。
「エルハイミ! ヨハンさんが大変だよ!!」
今まで隠れていたマリアが飛んでくる。
「どういうことですの?」
「あの変な女と怪人が来てヨハンさんたちがやられちゃった! ヨハンさんも大けがしてる!! 早く助けなきゃ!」
あたしたちの前を飛び回るマリア。
「ジュメルはどうした!?」
アコード様が近寄ってきて聞く。
「ヨハンさんたちやられた後に逃げてったよ!」
アコード様はあたしやティアナを見て「行くぞ!」とだけ短く言った。
あたしたちはグランドアイミを引き連れて海への抜け道へ向かうのだった。
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