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エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-  作者: さいとう みさき
第六章
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第六章6-30帰国

おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。

異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。


静かになってティアナとゆっくり一緒にいられると思ったのに!

シェルぅぅぅっ!!!(エルハイミ談)


 6-30帰国



 「あちらでも達者でいなさい。また何かあれば連絡を入れます」



 師匠はそう言ってあたしたちを見送ってくれた。


 あたしたちはゲートに入りいよいよガレントに帰還する。

 ティアナやアンナさんの荷物一式はサージ君が率いる馬車が時間をかけてガレントのお城まで持っていく。

 身近で急ぎ必要なものだけ持ってあたしたちはゲートで帰還となる。


 「いろいろお世話になりました師匠、またいずれお会いしましょう!」


 「師匠、私はまたすぐこちらに来ますが今後もどうぞよろしくお願いします」


 「師匠、数々の技を直伝いただきありがとうございました。自分も切磋琢磨にさらに上を目指します」


 みんな最後の別れを師匠に言う。

 そしてあたしも‥‥‥



 「師匠、本当にお世話になりましたわ。師匠のおかげで私は‥‥‥ 前を、前を向いてこれからも歩いていきますわ!」



 師匠は無言でにこりとしてうなずいた。


 「では師匠、いずれまた会う時まで!」


 ティアナが最後の挨拶をしてあたしたちはゲートを起動した。




 * * * * * 




 「それでですわね、大臣たちのお話では今の所北の砦は落ち着いているので一度実家に戻っていろいろと整理をしてきなさいと言われましたわ」


 ガレントに戻って早四日目。

 あたしたちは国王陛下に無事卒業をした報告を済ませ、ねぎらいの宴を開いてもらい、翌日には国王陛下から各々の役職について令が下された。

 フィメールさんから話に聞いていた通りなので特に問題は無いけどこれで正式に就職したわけだ。


 あたしの上司としてティアナがいる形になるけど、勤務するその前に宮廷の礼儀や常識を叩き込まれた。

 ほぼほぼ知識では知っている事ばかりなので形だけに近いそれであったが、それが終わった頃に大臣から先程の話が出た。


 「そうするとどれくらい実家に帰るの、エルハイミ?」


 「そうですわね、移動を含めると十日くらいでしょうかしら? 今後勤務先への連絡方法やら何やらをいろいろと話し合ってきますわ」


 あたしはメモを見ながらティアナに話す。


 「そうかぁ、十日かぁ。 そ、それでエルハイミ、お義父様には私たちの事は‥‥‥」


 もじもじしながら言うティアナ。

 あたしはちょっと照れながら言う。


 「勿論説得してきますわ! 私はティアナの所以外嫁ぐつもりは無いとはっきり断言してきますわ!!」


 「エルハイミ!」


 思わず抱き着いてくるティアナ。

 今は二人だけで話をしているので人目を気にする必要はない。


 一応調べたのだけど、過去にもガレントの王族ではあたしたちみたいな関係の者はいたようだ。

 王位第一継承者でない限りこう言った事にはだいぶ寛容なようで無理やり政略結婚とか何かで苦労をする事は殆ど無い様だ。


 なので晴れてあたしはティアナの所へ行ける。


 

 え?

 それで良いのかって??

 

 当然よ!!

 男と一緒になるなんてまっぴらごめんよ!

 あたしは前世の記憶があっても今はエルハイミとしてちゃんと自分が分かっている。

 男性に惹かれる事も興味を持つことも一切ありません。



 「エルハイミ‥‥‥」


 ティアナが少し赤い顔してあたしの顔に近づいて来る。

 あたしは目を閉じティアナを待つ。


 

 「全く、どこでもかしこでも盛るわね! このエロハイミ!!」



 「うひゃぁつ! シェル何時からそこにいたのよ!!!?」


 驚くティアナ。

 こいつ良いところだったのに!!


 「シェ、シェル、なんで邪魔するのですの!?」


 「邪魔も何も最初からずっとここにいるじゃないの! 勝手にバカップルで二人だけの世界に入ったのはエルハイミとティアナじゃない!! で、あたしって今後どうなるのよ?」


 ぷんすか怒っているシェル。

 本来こいつはソルミナ教授の所において来るつもりだったけどあたしにくっついて来るとか言い出して今に至る。

 しかしあたしは正式に国に従事してお仕事が出来たので今までのようにお気楽にはいかない。

 学園は立場上シェルはあたしの従者になっていたけどそれはあくまでも建前。

 今は特に従者でも何でもない。


 「シェルはどうしたいのですの?」


 「あたしは、そうねエルハイミの実家てのに行ってみたいかな? どんな所?」


 「どんな所と言われても普通の所としか言いようが有りませんわ。小さな頃はティアナも一時期一緒にいた所ですわ」



 あたしは初めてティアナと出会った時を思い出していた。

 活発な美少女と言うのが第一印象だった。

 あれから七年かぁ、ずっと一緒にいるんだよなぁ。



 「ふーん、ま、いいか、そんなわけでティアナ、エルハイミの実家行ってくるね!」


 「シェル、間違ってもあたしのエルハイミ取るんじゃないわよ!!」


 「取らないって、このお城にいると勝手に動き回れないしティアナの部屋に行くにも許可ないと勝手に行けないしでつまらなくて、つまらなくて!!」


 こいつ相当退屈していたんだ。

 仕方ない、あたしは軽くため息を吐きティアナに話す。


 「仕方ないのでシェルも連れていきますわ。どうせショーゴさんも一緒に来るつもりなんでしょうからもう一人増えても問題ありませんわ」


 「そう、じゃあ、あたしは先に北の砦に行ってるわね。ゾナーの様子も気になるし、砦の改築もほぼほぼ済んだって聞いているからね」


 前回シコちゃんのおかげでガレントの王城から北の砦までは短距離ゲートが出来ている。

 なのでその気になればすぐに移動できるので便利ではある。


 「それではティアナ、明日には出立しますわ。ササミーも既に復帰したらしいし、お土産にチョコレート持って帰りますわよ!」


 「うん、ありがと。じゃあ、あたしは北の砦にあたしたちだけの部屋作って待っているからね! シェルは別部屋よ!!」


 「はいはい、分かったって」




 こうしてあたしは実家に一旦戻る事となったのだった。

 

 

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