第六章 6-19約束 *
おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。
異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。
ぴろりろりん!
エルハイミは新しい称号を手に入れた(笑)。
6-19約束
「そうですか。とうとう四連型魔晶石核が完成しましたか」
師匠はそう言ってお茶をすすった。
あの後アイミが四連型魔晶石核の事実上コント―ロールユニットなってしまい、アンナさんなんかアイミとの分離合体が出来るように改造しようとか言い出す始末!
あ、でも合体変形させてパワーアップはちょっと引かれるかも?
なんてことをついつい考えてしまう。
「それで師匠をもとの世界に戻す件なんですが、まだまだ研究に時間がかかりそうなんです」
申し訳なさそうに言うティアナだったが、意外な話が師匠からされる。
「それに関しては急がなくても構いません。安全性を優先しなさい。以前のようにこの世界を崩壊させるようなことが無いように細心の注意を払い問題が無ければ初めて私のわがままを聞いてください」
師匠はそう言ってお茶をすする。
その言葉には嘘も無理も感じない。
師匠にとってもこの世界は大切な第二の故郷なのだ。
「わかりました。そうアンナたちにも伝えます」
そう言ってあたしたちは報告を終わり席を立とうとした。
「と、時にティアナ、それはだいぶ育っているのですね?」
立ち上がる時にティアナの胸は重力に、物理の法則にのっとった動きをしていた。
そう、揺れたのだ。
「え、えっと、最近また大きくなりまして‥‥‥」
「ど、どのくらい大きくなったのですか!!!?」
師匠の持つ茶碗がふるえている。
小刻みに‥‥‥
「どのくらいと言われてもですね‥‥‥ 揺れを感じるくらい?」
「!?」
師匠はティアナの回答に動揺の色を隠せなくなっている。
「わ、私だって揺れるくらいはあります。しかしいくら成長期とは言えその発育は。ティアナ! どうしたらそこまで急激に成長できるのですか!!!?」
師匠のその圧倒的な気に押されたじろぐティアナ。
確かに最近の成長はすさまじい。
多分計測すればティーカップを超えられるかもしれない勢いだ。
あたしのこの手に収まりきらなくなってきている。
しかしまだだ!
まだまだ足りない!!
あたしの好みの大きさまで大きくするのだ!
‥‥‥ちなみにあたしもちゃんと大きくなっています。
年相応に。
そう言えばティアナはもう十四歳になるのか。
来年はとうとう成人だなぁ。
四連型魔晶石核も無事稼働してソルミナ教授の講義もあと半年で終わる。
今度の夏休み前にはあたしたちもここでの目的をすべて終わらせていよいよ卒業か。
長かったような短かったような学園生活もとうとう終わりかぁ。
‥‥‥とその前にゾナーとのあの約束を果たさなければならない。
この二年近くティアナの血の滲むような努力をあの変態王子に見せつけて‥‥‥
見せつける?
ちょっと待て、それってティアナの胸をあの変態に見せるって事?
いやいやそれはだめよ!!
ティアナはあたしのモノだもの!!
たとえ計測でもあいつに見せるわけにはいかない!!
だったらどうすればいいの?
「エルハイミぃ!!」
ティアナが泣きついて来る。
ふと見ると涙目でさっさとあたしの後ろに隠れている。
そして師匠を見ると‥‥‥
「エルハイミっ、そこをどきなさい! ティアナにはその秘訣を吐いてもらわなければなりません!」
し、師匠??
なんか殺気立ってる!?
「し、師匠、落ち着いてくださいですわ!! ティアナのこれは‥‥‥ そ、そのイチロウ・ホンダさんと同じことをした結果なのですわ!!」
「イチロウと同じこと‥‥‥ ?」
殺気立っていた師匠の雰囲気が一気になくなる。
そして「ぼっ!」という音を出して真っ赤になって頭から湯気を出す!
「し、師匠??」
ティアナがあたしの後ろからそ~っと覗き見る。
「ま、まさかあなたたちそこまで進んだ関係だったとは!? そ、そんな、ものの本で読んだことがあります。『お、お姉さま』とか『うふっ、かわいい子猫ちゃんね』とか言いながらあんなことやこんな事、あまつさえはそんな物まで持ち出して‥‥‥」
真っ赤になっている師匠は両手をほほにあて、いやんいやんしている‥‥‥
初めて見るわね、こういった師匠‥‥‥
「 はっ!? 」
師匠はいきなり我に戻り、襟元なんか直して咳払いする。
「すみません、取り乱しました。そうですか、あなたたちはもうそこまで‥‥‥ こちらの世界では許される事なのかも知れません、私もお祝いします。式には呼んでください。祝福します。しかしそうですか、そこまで濃厚な関係だったとは‥‥‥」
なんか最後の方は一人でぶつぶつ言っている
「勿論です!式にはちゃんと皆を呼びますので師匠も来てください!!」
おいティアナ、なんでそうなる??
まさかこっちの世界って本当にそう言うの有るの??
あたしは聞いたことないぞ!?
にこにこ顔になったティアナを引き連れて師匠の所を後にする。
あたしはため息つきながらティアナに向かって言う。
「ティアナ喜んでいる暇はありませんわ、約束の時まであとわずか、これから私の部屋で測量いたしましょうですわ。私の見立てではあと少し、あと少しで勝利できますわ!!」
「そ、そうね。まずはあの変態王子に勝たなきゃだもんね。じゃあ早速エルハイミの部屋行きましょう!」
そしてあたしとティアナはあたしの部屋へと行くのだった。
* * * * * *
「あら? 鍵なんて私閉めたかしら??」
自分の部屋に戻ったら扉が開かない。
鍵を閉めた記憶はないのだけど最近ドタバタしていたから無意識に閉めたのかもしれない。
あたしは面倒なので魔法で鍵を開ける。
そしてティアナと一緒に部屋へと入る。
「んっ!」
あれ?
シェルの声??
あいつあたしの部屋にいたんだ。
「シェル、いるのですの??」
ガタンっ!!
どたんっ!
ガタガタっ!!!!
あたしの声に驚いたのか、どうも慌てているようだ。
どこにいるのよあいつ?
そう思いベットの方を見るとシーツが向こう側にずれ落ちている。
おやと思って覗き込むと‥‥‥
「いたたたぁ、エ、エルハイミいつの間に!?」
「いつの間にも何も、ここは私の部屋ですわ。私が戻ってきたら‥‥‥ な、なんで裸なんですのシェル!?」
「あ、いや、これはそのぉ‥‥‥」
え、えっ!?
あたしは思わずベットを見る!
ベットに何やら転々と跡が‥‥‥
ぼっ!!
あたしは真っ赤になって頭から蒸気機関車のように湯気を出す!
「しぇ、シェルぅ!!」
「エ、エルハイミ! それ以上言わないでぇ!!!!」
シェルも真っ赤になって胸をシーツで隠しながらも手をぶんぶん振っている。
ティアナが覗き込んでくる。
「さっきから何騒いでるのよ? シェルがいるの? どうしたの‥‥‥ って!?」
様子を見たお年頃のティアナは一瞬で状況を理解してあたし同様真っ赤になる!
「あ、あんたエルハイミの部屋でなんてことしてるのよ!!」
見られたシェルは半泣きで顔を真っ赤にしながらこちらを睨んでいる。
「もうっ! 入ってくるならノック位しなさいよぉっ!! エ、エルハイミのばかぁ!! エ、エルハイミなんかもう『エロハイミ』よぉっっっ!!!!」
『『エロハイミっ!!!?』』
思わずあたしとティアナの声が重なる。
シェルのその言葉にあたしは今日、不名誉な名称が加算されたのだった‥‥‥
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