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エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-  作者: さいとう みさき
第六章
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第六章6-13おかたずけ

おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。

異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。


アレッタさん、想像以上のたゆんたゆん!?

くっ、も、もいでしまいたい!!(ユカ・コバヤシ談)

6-13おかたずけ



 ソルミナ教授がにこにこしている。そしてソルガさんの腕をとってべったりとくっついている。



 本日あたしたちはボヘーミャへと帰還しなければならない。

 精霊都市ユグリアとエルフの村への渡航時間は師匠の関係で限られている。

 

 「まさかソルミナ姉さんの思い人がソルガ兄さんだったなんて、一体何考えてるのよ!?」


 「いいんです! 時間がかかっても兄さんを振り向かせれば!! それに今がチャンスです!」


 「お前なぁ‥‥‥」


 聞いた話によるとソルミナさんのお見合いの話はファイナス市長同行の元しっかりとお断りを入れ、先方も了承したそうな。

 しかしとばっちりでソルガさんは先方の娘さん、マニーさんが年齢的に若いからすぐには嫁には出せないと言われ沈み込んでいた。


 おかげでソルミナ教授はにこにこ顔。

 シェルはあきれ顔だ。



 「英雄ユカ・コバヤシ、そして弟子のエルハイミ=ルド・シーナ・ハミルトンよ、世話になったな。この恩は忘れん。また何かあれば遠慮なく来てくれ。儂らに出来る事は協力する」


 そう言ってメル長老は愛らしくにかっと笑った。

 

 「メル長老、お世話になりました。ご協力感謝します。それとマーヤの事ですが‥‥‥」


 「わかっておる。マーヤとて我らが同胞、無下にはせんよ。呪いの事も原因はその秘密結社ジュメルなるものの仕業であろう?」


 「はい、その通りです。全てはあの秘密結社ジュメルが原因です」


 師匠のその言葉にメル長老はファイナス市長を呼ぶ。


 「ファイナスよ、ジュメルとやらの情報は着く時、英雄ユカ・コバヤシに連絡を入れるのじゃ。われらエルフに牙を向けた償いはさせねばならんからの」


 「わかりました、メル様」


 ファイナス市長はうやうやしく頭を下げる。


 「メル長老、それでは失礼します」


 「うむ、達者でな、おぬしらに精霊の加護を」


 師匠が別れの挨拶をしてあたしたちもそれについてエルフの村を後にする。




 * * * * * * 




 「うあぁぁぁ! あれが精霊都市ユグリア? エルハイミ、行ってみたい!!」


 「ちょっとシェル! あたしたちはボヘーミャに戻るんだからそっちじゃない! それとエルハイミを引っ張らない!!」



 あたしはティアナとシェルに片腕ずつ共に逆方向に引っ張られる。



 「ちょっとくらいいじゃない!」


 「あんた一人残るなら構わないわよ、あたしは一度にみんなをゲートで運ばなきゃならないんだから!!」



 お願い、あたしを引っ張りながらケンカしないで、まだ本調子じゃないんだから‥‥‥





 「おお、間に合ったみたいだな、ユカさん久しぶり!」


 声のした方を見るとイチロウさんが風呂敷包みをもって立っていた。

 後ろには超グラマス美人巨乳のエルフの女性が同じく風呂敷包みをもって立っている。


 「いろいろ話は聞いてるよ、相変わらず忙しいみてぇじゃないか、ユカさんよ」


 「イチロウ・ホンダですか。お久しぶり。相変わらずのようですね?」


 師匠は日本風にお辞儀している。

 イチロウさんはそれを見て慌てて同じくお辞儀する。

 ついでに後ろのエルフの女性も同じくお辞儀する。



 「本当はユカさんに出来立ての和食を試してもらいたかったんだがな、もう帰るらしいからこれをもっていってくれ」


 そう言って風呂敷包みを掲げる。


 「イチロウ、これは?」


 「和食御前のお重だ。日持ちしねえから帰ったらすぐ食ってくれ。おい、お前」


 「はい、お初にお目にかかります、英雄ユカ・コバヤシ様。家内のアレッタと申します。いつも主人がお世話になっております」


 「これはご丁寧に、ユカ・コバヤシです」


 なんか和やかに挨拶をしているが、アレッタさんが頭を下げた時の胸の揺れに師匠は一瞬びくっと動いたのをあたしは見逃さなかった!


 アレッタさん、ソルミナ教授の話だとだいぶイチロウさんに可愛がられているよねぇ~。

 あたしは思わずにまにましてしまった。

 ティアナやアンナさんもソルミナ教授から話聞いていたからちょっと赤い顔している。

 ソルミナ教授もうらやましそうな顔している。


 「しかし、イチロウが所帯を持つとは。幸せそうにしているので何よりです」


 マスクで誤魔化しているけど、きっと視線はアレッタさんの胸に行っているはず!

 だってちょっと師匠がふるえてたの見たもんね。


 「へへっ、まあぼちぼちとな。それよりユカさん、あの鰹節は大当たりだ。今後も頼む。どうしてもこのユグリアじゃぁ海産物は手に入らねぇからなぁ」


 「わかりました。鰹節もどぶろくも量産体制には入っています。ゆくゆくは清酒も生産できそうですから試作が出来ましたらこちらにも送りましょう」


 イチロウ・ホンダさんは驚きの顔をする。


 「流石ユカさん、鰹節だけじゃなく既に日本酒まで行ってるとは! こりゃぁますます楽しみが増えるってもんだ!」


 イチロウさんは会心の笑みをする。


 

 「ん? エルハイミの嬢ちゃんどうしたんだ、元気なさそうだが?」


 「どうも、いろいろありましてまだちょっと本調子ではないのですわ」


 「うん? まあ、ユカさんとこれでも食って早いとこ元気になってくれや!」


 そう言って先ほどの風呂敷包みをアレッタさんの分含めあたしたちに二つとも渡してくれた。

 結構大きなものなので、それをロクドナルさんとショーゴさんが受け取りお礼を言う。



 「今度来るときはもっとゆっくりしていってくれ、そうすりゃ腕によりをかけてうまいもん作ってやるからよ!」



 そう言うイチロウさんに見送られながらあたしたちはゲートへ入っていく。

 ソルミナ教授がソルガさんとの別れを惜しんで最後にゲートに入る。



 「ユカ、いろいろとありがとう。こちらでも何かわかったら連絡します」


 「お願いします、ファイナス市長。それとマーヤの事も‥‥‥」


 「ええ、分かっていますよ。それではあなたたちに精霊の加護を」


 ファイナス市長の言葉を最後にあたしたちはボヘーミャへと戻るのであった。




 * * * * *




 「ここがボヘーミャね? うわー、人がいっぱい!」


 はしゃぐシェル。


 「シェル、あまり好き勝手に行動しないでくださいね!」

 

 「はーい、分かってますよ、ソルミナ姉さん」


 少し沈み気味のソルミナ教授だったけど、シェルがいれば大丈夫かな?



 「さて、丁度いい時間です。せっかくなのでイチロウの作ったお料理をみんなでいただきましょうか」


 師匠はそう言って食事の為に師匠の居住区にみんなを案内する。

 人数も人数なので師匠の所の大広間を使うことになった。

 和式の広間に風呂敷広げ、取り皿準備して箸、フォークがみんなに配られる。

 そしてお重を開くと‥‥‥



 おおっ~~~~!!!!



 何これ!

 おせち料理かと思わせるようないろいろな食べ物が並んでいる!!

 しかも下の方は食べやすい海苔巻きやいなりずしまである!?


 

 「うわっ! 何これ!? きれい!」

 

 ティアナはまずその彩色に驚く。


 「なんかいい香りもする!?」


 シェルも野菜の煮込みや栗きんとんぽいものにすんすんと匂いを嗅いでいる。



 「流石イチロウ、見事です。では早速いただきましょう」


 そう言って師匠は箸を出す。

 それを合図に他のみんなも手を出し始める。



 「「!!」」




 「うっまぁー!!」


 マリアが感動して飛び回る。


 「これは何とも! 食べた事の無い味ですな!!」


 「ほんと、見た目もきれいだし、味も食べた事の無いおいしさだし、この野菜の煮つけなんて不思議です、素材の味がしっかりしているのに味付けもしっかりとされている。歯ごたえも舌触りも何とも絶妙なものに仕上がっています!」


 「主よ、これはなんという料理だ? 量は食えんが久々に食欲がわくぞ!」


 みんなも絶賛しながらイチロウさんの料理を食べる。

 もちろんあたしもこんな体だけど取りっぱぐれない様に必死に箸を伸ばす。


 

 お稲荷さんうまぁ~!!



 他の料理も懐かしい味を堪能しまくる。

 と、のどが渇いたのでお茶に手を出すと、ティアナがあたしにぐい飲みを渡してくる。


 

 ぐい飲み?



 食事の方に気を取られて気にしていなかったがよくよく見るとなぜかみんながぐい飲み片手に食事をしていた!!!?



 「エルハイミぃ~、まだ体調が戻ってないのは分かるわよぉ~、でもエルハイミはシェルに甘えすぎぃ~!!」


 「えっ?」


 「エルハイミ、何これ? 少し甘くておいしいわね? すごく飲みやすいけど何? なんかふわふわしてきたし」


 シェルがふらふらしてこっちに来た。


 「エルハイミちゃん、最近私に甘えてくれないんですよね、また抱っこして一緒に眠りたいのに‥‥‥」


 え、あ、アンナさん??


 「ぐすっ、イチロウあんなに幸せそうに‥‥‥ しかも奥さんあんなに大きな‥‥‥ エルハイミちょっとこっちへ来なさい!」


 し、師匠っ!!!?



 あたしはさーっと血の気が引いていた。

 いつの間に師匠どぶろくがふるまわれていたのよ!



 「いやはや、この酒はこの料理に何とも合いますな!どんどん行けてしまう!」


 お酒に強いロクドナルさんもへんなエンジンかかってきてるぅ!?


 「うう、兄さんの行けず‥‥‥」


 ソルミナ教授は一人酒モード。


 ぴこっ?


 アイミが女の子すわりでこちらを見て小首を掲げている。

 その表情が物語っている。

 手遅れだと‥‥‥




 あたしは頬に汗を一筋流しながら恐る恐る振り向く。


 「え~る~は~い~み~ぃ~~~~~」


 「エルハイミぃ」


 「エルハイミちゃん」


 「エルハイミっ」



 や、やばいっ!!



 「「「「エルハイミ!!!!」」」」



 「ひょっ、ひょえええぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!」




 お座敷にあたしの断末魔がこだまするのであった‥‥‥



 

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[一言] 断末魔の理由は、ノクターンの方で詳細にお願いします。
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