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エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-  作者: さいとう みさき
第五章
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第五章5-14北へ

おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。

異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。


残業手当出るのかしら?(ソルミナ談)

5-14北へ



 あたしたちは四連型魔晶石核の原材料になる魔結晶石を探し出すためにノルウェンに向かう事になる。



 「それで今度は北のノルウェンですか?」


 師匠はお茶をすすりながらあたしたちの話を聞きそう言った。


 「はい、新しい四連型魔晶石核を作るには北の魔結晶石を手に入れたり、エルフの方々にご協力いただき上級精霊を召喚する必要があります。そこで、師匠にお願いがあるのですが、エルフの八大長老とお知り合いですよね? 上級精霊の召喚を何とか手伝ってもらえないでしょうか?」


 ティアナのお願いに師匠はふむと言って何事か考える。

 

 「確認しますが、ゲートで私を追加して運べそうですか?」


 「はい、師匠一人増えるくらい問題ありません」


 「では、八大長老には私から直接お願いしましょう。私がじかに動けば彼彼女らも応じてくれます」



 とうとう師匠自ら動いてくれるのか!

 ならこの問題はかなりの進展が望める。


 「それよりその希少な魔結晶石と言うものが必要数確保できるかどうかの方が問題ですね。上級精霊の召喚はほぼ問題無く出来るでしょう。むしろその原石の方が問題です」


 マース教授でさえ見たことが無い希少原石、魔結晶石。

 ウェージム大陸北にあるガレント王国庇護下の小国、ノルウェン王国。

 魔晶石の採掘で有名なこの国でさえそうそう簡単に見つからない魔結晶石。

 確かにそっちの方が問題が大きい。

 

 アンナさんやティアナはその購入のための予算確保をすでに申請している。


 そしてアンナさんが提唱する四連型魔晶石核の新たな使い方が多分ガレント王国としては非常に重要となってくる。


 スパイラル効果で無限の魔力を得るのは失敗したことになっているが、副産物で下位魔晶石核への共鳴による総支配を可能とする効果が見い出されたのだ。


 理論的には上級精霊の絶対服従効果が下級精霊に効くので稼働した四連型の広範囲共鳴効果が付近にいるマシンドールを一斉に支配下における。

 しかも四連型から供給される力によって各マシンドールは保有以上の力が発揮できる。

 それはアイミにも匹敵する力と予想される。


 アイミが二百体以上一気に攻めてきたら並みの軍勢など簡単に蹴散らしてしまうだろう。

 しかもそれらが一糸乱れぬ軍隊として稼働する様はかなりの脅威になる。


 宮廷会議にその件を報告したアンナさんは本国から必ず四連型魔晶石核の開発に成功するよう通達が来ている。


 「でも、完成してうまくいけば師匠の願いが叶いますね」


 「まだ早計です。報告にあった異界の神の召喚などと言う異常事態もあります。確実な方法で事を成しなさい。私の希望がこの世界を破壊するのでは今までやって来た事も無意味になってしまう。それにもし私だけ元の世界に戻れてもこの世界が破壊される様な事に成れば寝覚めが悪いし、今度はそれが私の心残りになってしまう」

 

 師匠はこちらに顔を向けてそう言う。


 この世界の平和を願い、魔術の発展をさせ、その力で元の世界に戻る。


 それが師匠の願い。


 「ええ、心得てますわ、師匠」


 「勿論です。こっちの世界が破壊されるようなことは私だって嫌ですもん!」


 あたしもティアナも心からそう思う。


 「それで、ノルウェンに行く事でお願いが有るのですがマース教授の同行をお願いしたいのです」


 アンナさんが師匠にお願いをする。

 今回の魔結晶石についてはマース教授が一番詳しい。

 実際に現地で購入したり探したりするにもマース教授の力は必要だ。

 ただ‥‥‥


 「各国の予算確保についてはマース教授の分は終わっていますが、教授自体の研究報告はまだ終わっていません。出資者である各国にはその資料提出で初めて予算出資の最終承諾が取れるのでこれだけは終わりにしてもらわないといけません」


 師匠はお茶をすする。

 学園側としても運営の為にはこれは譲れないことなのだろう。

 しかし、アンナさんはにっこりとしながら懐から資料を出す。


 「その件につきましては、私が教授を手伝って資料の作成は終わっています。師匠、確認をお願いします」


 師匠はふむと言ってその資料を受け取りパラパラめくって内容を確認する。


 「良く出来ています。これならそのまま提出しても問題無いでしょう。わかりました、入学式が始まる前に戻ってくるのですよ」


 師匠、学園長のお許しが出た。

 あたしたちはお礼を言ってから開発棟で待っている教授たちの所へ戻っていくのであった。



 ◇



 「そうか、許可が下りたか。それはよかった」


 うれしそうなマース教授とあたしたちはさっそく段取りを話し合う。


 「今回はあたしとエルハイミ、マース教授とアンナ、ロクドナル、アイミでノルウェンに行こうと思うの。マース教授もご存じの通り北側には今だ黒の集団の脅威が残っています。ここしばらく鳴りを潜めていますがもともとノルウェン近郊に一番出没していましたからね、ロクドナルやアイミの護衛は必要でしょう?」


 「今度は後れを取りませんぞ。捕まえて正体を暴いてやりましょうぞ!」


 ぴこぴこっ!


 やる気満々なロクドナルさんとアイミ。

 

 「いいですね~。私も北の方行ったことないから行ってみたいですね~」


 ソルミナ教授が いいな、いいな、を連発している。

 って、マリアじゃないんだから。


 「ソルミナ教授には双備型魔晶石核の作成の仕事がありますぞ。まだまだ完納には遠いですからな」


 笑いながらゾックナス教頭は言う。


 あたしたちの協力で魔晶石核はだいぶストックがあるが、それを共鳴して起動させる作業は止まっている。

 そのあたりの起動が上手いのはやはり精霊の扱いが上手いソルミナ教授が適任だ。


 「わ、分かっていますよ、ゾックナス教頭。やりますって」


 口をとがらせながら言うソルミナ教授。

 自然とみんなから笑い声が上がる。


 「でも入学式の前に戻らなくてはなりませんから結構忙しいですね」


 「そうね、すでにガレントの方には伝書鳩をサージに飛ばさせているから、明日にでも出発しましょう」


 言いながらティアナとアンナさんは予定を組んでいく。


   

  さて明日はいよいよ北へ出発だ。

 今日は早めに休んで明日に備えよう。

 あたしはそう決めて早めに休むのだった。




* * * * *




 ‥‥‥って、夜中にティアナはあたしの部屋にやってくる。


 「エルハイミ、起きてる? あ、あのさ、今日の分のマッサージやってよ」


 ええっ!?

 眠気も一発で覚めるティアナの要求!


 結局ティアナのマッサージは深夜遅くまでやる羽目になったのだった。


  

 



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