第五章5-13八大長老 *
おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。
異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。
く、草津の温泉饅頭並っ!?(エルハイミ談)
5-13八大長老
なんだかんだ言って開発棟を修復するのに一週間くらいかかっていた。
あたしたちは異界の神に吹き飛ばされた開発棟のドーム天井修復をしていたが、みんなの協力もあって一週間くらいでほぼその修復を終えていた。
これって異常に速いペースらしい。
そりゃそうだ。
ロクドナルさんがバターでも切るかのようにすぱすぱ素材カットしてティアナがそれを大量に同じ形状に錬金術使って形成してアンナさんの指示のもとあたしとアイミがどんどんとそれを組み上げていく。
途中教授たちも手伝ってくれたけどほぼほぼいつものメンバーで仕上げてたようなものだ。
で、出来上がったドームはかなり頑丈に出来上がった。
多分当社比二倍くらいの物理強度と、対魔防御もあるだろう。
うん、良い出来だ!
「やっとできあがりましたわね!」
「ええ、あとは教授たちが対魔防御用の結界を張ってくれれば終わりですね」
「ふあー、疲れた! ねえエルハイミ汗かいたから一緒にお風呂入ろう!!」
そう言えばティアナは錬金術でかなり頑張っていたもんな。
久しぶりに一緒にお風呂入るか?
「ええ、そうですわね、汗かきましたからお風呂入りましょうかしら? アンナさんもいかがでして?」
「私はまだやる事が有るので後で入りますね。殿下とエルハイミちゃんで先入ってください」
そう言ってアンナさんはソルミナ教授の方へと行ってしまった。
うーん、残念。
久しぶりにアンナさんのナイスバディ―拝めると思ったのに。
「ではティアナ行きましょうかしら?」
* * * * *
「エ、エルハイミ、これは一体‥‥‥」
ティアナはあたしを見ながらわなわなと震えている。
今二人は一糸まとわぬ生まれたままの姿だが、ティアナと向き合っているあたしだって驚きが隠せない。
「ティ、ティアナ‥‥‥」
あたしは自然とティアナの胸を凝視してしまう。
そう、あれから何ヶ月、いや、もうすぐ半年となる渦中にあたしの胸は順調に膨らんできた。
最近は肌着がきつくなってきてラミラさんやサリーさんにお願いして胸当てを買ってきてもらったりしていた。
しかし、今あたしの目の前にあるそれは自分のものではない。
あたしと同じかややそれより小さいのは間違いなくティアナの胸だ。
「エルハイミどうしよう! これってエルハイミと同じくらいだよね!? なんで? ガレントからこっちずっと牛乳飲んでいたのに!!」
あ、牛乳はちゃんと飲んでいたんだ。
「こ、個人差はあるとは思いますわ。でもこのままでは‥‥‥」
そう、ティアナは最低限ティーカップより大きくなってもらわねければ嫁に娶られ、あたしは愛人コースの運命‥‥‥
い、いやぁあああぁぁぁぁぁっっ!!!!
まずい、まずいよ!!
「そ、そうだティアナ大臣たちが言っていたバストアップの運動は?」
「毎日欠かさずやっているわ!」
「じゃあ、マッサージは!?」
「自分でやっても効果ないのでしょ? 一応毎晩やっているけど!」
「で、では誰か高揚する相手にやってもらうのは!!!?」
「そんな相手いないわよ!!」
ええええっ!?
じゃ、じゃあどうすればティアナの胸を大きくできるの!?
あたしはあわあわ言いながら頭を抱える。
「一人じゃ無理なら‥‥‥ エルハイミ、あたしの胸をマッサージして!」
はっ?
なんですって??
「ティアナ? 今なんて言いましたのかしら??」
「あたしの胸をマッサージして!!」
ぶっ!!
「で、でもティアナ‥‥‥」
「自分でするより他の人にマッサージしてもらうと効果あるのでしょう!? 他に頼める人いないし、エルハイミだったらいいからお願い! このままじゃ全然大きくならないわ!!」
ごくり。
あたしは思わず唾をのんでしまった。
あたしがティアナの胸をマッサージ?
そ、そうよ、これはマッサージなのよ、決していかがわしい事じゃないのよ、それにあたしは今は女の子なんだから!!
「じゃ、じゃあティアナ、行きますわよ」
「う、うん、きて」
その言葉にあたしは恐る恐る手を伸ばしていく。
ぴとっ。
「んっ」
あたしはとうとうティアナの胸に触れてしまった。
そしてその胸を揉む・・・じゃなくて、マッサージを始める。
ふにふにふにふにふにふにふに・・・・
「んっ!」
がらっ!!
「殿下、エルハイミちゃんお邪魔しますね‥‥‥ !? え、ええぇっ!!!?」
裸のアンナさんが浴室に入ってきた。
執拗にティアナの胸を揉むあたし。
壁に寄りかかり顔を赤くして息が荒くなっているティアナ。
それを目撃してしまったアンナさん。
「そ、そんなっ! ふ、不潔ですぅぅぅぅぅっ!!!!」
アンナさんは真っ赤になって踵を返して浴室から走り出す。
「ちょっ、ちがっ! これはちがうんですのぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
久しぶりにあたしの心からの叫びがこだまする。
* * * * * * * * * *
何とかアンナさんを捕まえて事情説明をするも、しばらくは真っ赤なまま下を向いていた。
最後の方でやっと納得してもらったけど、ガレントに戻った時にファルさんの誤解解くのと同じくものすごく苦労した。
「でも、やっぱり自分以外にしてもらうと良いのかも。胸が熱くなって張って来た感じがしたもの。エルハイミ、またお願いね!」
「ティアナ、協力はしますが今度はもう少し人目のつかないところでお願いしますわ。また有らぬ疑いをされてしまいますから」
アンナさんを見るとまだ顔を赤らめ「これは殿下の為のマッサージ、これは殿下の為のマッサージ」なんてつぶやいている。
「皆さんこちらにいましたか」
あたしたちが落ち着いたころ、ソルミナ教授がやってきた。
ソルミナ教授は他の教授たちと一緒に対魔法の防御結界を張っていた。
どうやら終わったらしい。
「結界の設置は終わったのですの?」
「はい、問題無く終わりました」
ソルミナ教授はそう言って備え付けの果実ジュースを自分でコップに注ぎ飲み始めた。
そんなソルミナ教授を見ながらあたしはふと思う。
「ソルミナ教授、エルフ族ってどの女神様が作られたのですか?」
果実ジュースを飲み終わったソルミナ教授はあたしの方を見てきょとんとしている。
「そう言えば、私たちの主たる女神様って聞いたことないですね? 私たちは精霊と樹木から生れ出たとは聞いていますが、どの女神様がおつくりになられたかは聞いたことが無い」
「そう言えばエルフから英雄が生まれ出た話は聞きませんが何故ですの?」
前から思っていたのだが、英雄となる人物に亜人がいない。
仲間として伝承はされているが英雄本人になっている亜人は聞いたことがない。
「それは私たちは始祖なる巨人の土から生れ出てないからですよ。わかりやすく言うと魂が女神様たちとつながることが無いのです」
へ?
それってどういうこと?
「じゃ、じゃあ上級精霊と契約できないのですの??」
「いえ、もともと精霊との相性はいいみたいなので上級精霊が認めてくれれば契約は出来ます。もっとも、並大抵のエルフじゃだめですけどね」
エルフと言えば精霊魔法の使い手として有名だ。
その中で特に力あるものは上級精霊を使う事が出来る。
しかし、それでも上級精霊は呼び出す事は出来ても契約は難しいらしい。
「四連型魔晶石核は本当に前途多難ですわね‥‥‥」
「ええ、でも八大長老なら呼び出しくらいなら何とかなると思うんですよね。問題はどうやって協力を得るかですが」
八大長老と言うくらいだからかなりのご高齢?
もしかして気難しい人たちなんだろかな?
あ、でもファイナス市長も八大長老の一人っていうから中には協力的な人もいるかもしれない。
その辺はまた師匠にも相談してみよう。
でもその前に北に行って魔結晶石の確保が先ね。
またガレント戻ってノルウェンに行く準備しなきゃだね。
あたしたちは北への出発について話し始めるのであった。
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