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エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-  作者: さいとう みさき
第五章
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第五章5-12悩み

おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。

異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。


今度は大工さんですわ・・・(エルハイミ談)

5-12悩み



 「ふう、つっかれたぁ~!!」

 ティアナは大きく伸びをした。



 

 あたしたちはその後、今までの経緯を師匠に報告して、開発棟のドームの破損について平謝りした。

 師匠はあたしとティアナににっこりと笑って「修復は任せました。素材はこちらで準備しますから【創作魔法】を駆使して頑張りなさい」と言ってお茶をすすっていた。

 その雰囲気は反論は許さん! と言わんばかりの物静かさがあったのであたしたちは素直に「はい」とだけ言って退席した。


 くぅぅうううぅっ!

 こんなことなら教授たちも巻き込んでおけばよかった!

 ついつい何時もの癖で報告はあたしたちでやっておくなんて言っちゃったから師匠に無理難題押し付けられちゃったよ。


 あたしはため息をつく。 


 「建築は得意ではありませんが、図面を師匠からもらってきましたから何とかなりそうですよ。私も手伝いますから一緒に頑張りましょう」


 肩を落とすあたしにアンナさんは励ましの言葉をかけてくれる。

 ロクドナルさんを見ると爽快に笑いながら素材切断は任せてくれと言ってるし、ぴこぴこして溶接作業は得意とか言ってるアイミ。

 お弁当準備しますねと言って食堂行くサージ君や掛け声だけ元気なマリア。


 もう一度溜息をつくあたし。


 うん、いつものメンバーで修復するしかない。


 「ティアナ、【創作魔法】は使えまして?」

 

 「うーん、あんまり得意じゃないけど、何とかなるんじゃないかな?」


 「では、魔法陣と、元素材は同じ物にして錬金術で同型の資材作成をお願いしますわ。組み立ては私とアイミ、アンナさんでやりますので」


 そして図面をもとにアンナさんが必要素材を算出してメモ帳に記載していく。

 後はこれを師匠に渡して材料を準備してもらえれば修復が開始できる。

 夏休みが終わる前には修復終わりにしておかなきゃな。



 * * * * * *



 あたしたちは開発棟に戻り、もう一度ドームを確認する。


 

 ‥‥‥これって立て直した方が早いんじゃない?



 前方後円墳型のこの開発棟は円墳の半分くらいから上がきれいに消し飛んでいる。

 主な柱もきれいに半分くらいで吹き飛んでいるのでここはやや高い壁がある程度の状態だった。


 

 そうだよね~、近くにいれば【絶対防壁】魔法の壁四枚消し去る威力だもんね 


  

 せめてもの救いは瓦礫がきれいさっぱり吹き飛んでいる?

 いや、あの光のせいで消滅しているのか。


 「あら、お帰りなさい。学園長なんて言ってました?」


 あたしたちが帰ってきたことにソルミナ教授は気づき近寄ってきた。

 手には土の精霊が宿った魔晶石核を持っている。

 そう言えばソルガさんに予備で多めに精霊召喚してもらったんだっけ?


 あっ?


 あたしはソルミナ教授と魔晶石核を見てふとあることを思い出した。


 「ソルミナ教授、上級精霊って誰が呼び出しできるのですの? ティアナはもうイフリートの呼び出しが出来ないようですし、教授やソルガさんにお願いできるのですの?」


 そう言われたソルミナ教授は目をぱちくりしている。


 「え? エルハイミさんたちができるんじゃないのですか? 学園長からは英雄の資質を持っていると聞いていますが?」


 「いえ、ティアナはアイミのイフリートを呼び出した後、他のイフリートは呼び出せませんわ。それにあたしを含め他の人も上級精霊なんてとてもじゃありませんが召喚できませんわ」



 それを聞いたソルミナ教授はさぁーっと血の気が引いたような顔色になる。


 「も、もしかして誰も上級精霊と契約していないんですか!?」


 そもそも上級精霊と契約できるのは英雄の資質を持つ魂じゃなきゃ確率がすごく低くなるはず。

 あたしはどの女神様とつながっているか皆目見当つかないし、ティアナは契約済みだし、アンナさんやロクドナルさんは心眼使いだし。


 「いませんわね」


 あたしの言葉に固まるソルミナ教授。

 これはかなりやばいかな?

 ではどうすればいいか聞いてみる。


 「い、一番早いのは八大長老にお願いするのが早いですね。長老たちは上級精霊たちを呼べると思います」


 「あれ? そうするとアイミのイフリート以外にも別にイフリートっているんですか?」


 「ええ、いますよ。もともと上級精霊って女神様の分身で女神戦争の時にいっぱい分身作っているはずですから」


 って、ちょっと待て!!

 今さらっと、とんでもないこと言わなかった!?


 「ソ、ソルミナ教授! 上級精霊って女神様たちの分身なのですか!?」


 アンナさんが驚いている。

 いや、あたしだって驚いているよ!


 「あれ? 言ってませんでしたっけ? 英雄のほとんどが女神様と魂がつながっているから分身である上級精霊と簡単に契約できるんですよ」


 しれっと、とんでもない事実を言うソルミナ教授。


 「ソルミナ教授、そのお話簡単に口外して良い物なのですの?」


 「え? ダメに決まっているじゃないですか。エルフの村に伝わる秘密ですもの。まあ、あなたたちは特別なので教えても大丈夫でしょう?」


 いやいやいやいいや、そう言う問題じゃないでしょうに!?

 今明かされる真実。


 まさか上級精霊が女神様の分身だったとは。


 道理で簡単に呼び出しできなく契約も出来ないはずだ。

 これって人間界で知っている人いるのかな?


 「しかし、そうなるとだいぶ問題ですね。次に作る四連型魔晶石核は微細なコントロールが必要、なおかつ強い精霊力が必要となりますから下級精霊じゃとても対応しきれません。」


 アンナさんは悩む。


 「やはり何とかその八大長老に協力してもらわなければいけませんね。しかしその前に魔結晶石の確保もしないと。」


 あああ、やっぱり問題山積みか。

 

 あたしは大きなため息をついてから皆に向かって言う。


 「今は考えても仕方ありませんわ。とりあえず目の前の事からかたずけていきましょうですわ。まずは開発棟の修復して、魔結晶石探しに行って、エルフの村で八大長老にお願いして上級精霊を召還してもらう。これで良いのですわよね?」


 指を立ててお母様のまねをしながら宣言する。 

 

 「そうですね、エルハイミちゃんの言う通りですね」

 

 「うん、一つ一つやっていこう。」


 「八大長老に会わなきゃですか‥‥‥ うう、仕方ありませんね」


 「もちろんお手伝いしますぞ!」


 「あたしは何すればいいの?」


 ぴこっ!


 皆協力的でよろしい。




 あたしはもう一度屋根が吹き飛んだドームから覗く空を見るのだった。    




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