白き暗殺者
「それで、ここ数日の成果はどうだい?」
調査開始から数日間、私と沙耶はホームズこと佐藤さくらさんとは別行動で、私達と過去に関わりのあるNos.に聞き込みを行っていた。
私と沙耶が過去に関わったNos.でコンタクトが取れたのは4人。
内二人はトリデンテの住人である会長とヒビキなので実質クイーン、キングの二人になる。
Nos.2 金剛不壊のキング
Nos.3 疾風迅雷のクイーン
Nos.7 ファストアリアのリン
Nos.32 ベルカントタイムのヒビキ
そして関わった事があるが、連絡が取れなかったのも4人。
Nos.4 アカウントブレイクのツルギ
Nos.18 鷹の目のイーグル
Nos.24 ライトニングウェポンのマルアニス
Nos.25 大食いジェイミー
ツルギさんはアカウントブレイク事件以降、会ってもないし、今現在どうしているのかも不明。
闘技場で対決したイーグルさん、マルアニスさん、ジェイミーさんはフレンド登録をするほど親しくなったわけじゃないのでクイーンやキングにお願いして連絡をとってもらおうとしたが、イーグルさん達は最近ログインしていないらしく音信不通。
キングとクイーンもNos.37に関してはまったく情報を持ってはいなかった。
では、キングやクイーンが犯人かという可能性について。
少なくとも二人のNos.はリアル側の人間を傷付けるような可能性はなかったはずだ。
特にキングに関しては私が【アナライズ】で詳細な情報を確認したので間違いない。
「ふむ、僕の方でも何人かのNos.と連絡をとってみたが、有益な情報が一つだけ見つかったよ」
「有益な情報?」
「そう、どうやら被害者である一人がPKされた時、側に白いロープに身を包んだ不思議なPCの存在が確認されたそうだ」
「そ、それって場所はどこなんですか?」
「北海道地方にある小さな町の周辺さ」
北海道……随分と遠いな。
以前、闘技場で沖縄地方まで行ったが、真逆の最果ての地だ。
そういえば、闘技場にも北海道から参加していた人がいたような……。
「あ、そうだ。イーグルさん」
「うん? なんだい?」
「あ、いえ。闘技場にも北海道からイーグルさんが参加していたなって……」
いや、待てよ。
私がイーグルさんと試合した時に、彼女は私に対して何かを問おうとしたはずだ。それは確か――
「ホワイトフード……ホワイトフードを知っているか問われたんだ、私」
「ふむ。彼女は何かしらホワイトフードに関する情報を得て個人的に追いかけて、その末に殺害されたのかもしれないね」
「え……殺害って……?」
「北海道地方にて帰らぬ人になったのはNos.18 鷹の目のイーグルだ」




