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自信

 鷹の目を駆使した防御不可能な遠隔攻撃は非常に厄介だ。

 単発攻撃なら避けることは容易いが、乱れ撃ちなどの攻撃は回避は回避が難しい。

 出来ないこともないが運も絡んでくる。

 そして、何よりもこの後に控えているだろう展開に私は頭を悩ませる。


「喰らえ!【スネークショット】」


 きた…!

 蛇のように蛇行しながら迫り来るイーグルさんの攻撃、間違いなく追尾攻撃だ。


 サイドステップで回避するが、スネークショットは回り込んで追尾してくる。

 更に避けようとするも、あえなく被弾。

 私は450のダメージを受ける。


 防御不可と追尾のコンビネーションは厄介だ。

 回避も難しくクラフトで防げない。確実にダメージを与えていく攻撃は回避が重要な対人戦ではとても強い。


「どうした、マリ・トリデンテ。お得意のクラフトシールドが使えなくてお手上げか」

「勝ち誇るのは早いですよ!」


 私はNos.39【桜花爛漫】を発動して、【乱れ撃ち】を進化させる。


「桜花爛漫【五月雨撃ち】!」


 通常の乱れ撃ちは合計20本の矢が降り注ぐのに対して、五月雨撃ちは50本の矢が豪雨のごとく降り注ぐ。

 もちろん一ヶ所に集中して降り注ぐわけではなく、ある程度散らばるので50本全部が一人にヒットするわけじゃないけど、それでも十分すぎる火力だ。

 こちらも五月雨撃ちという実質回避不能な攻撃を繰り出してイーグルさんのHPを大幅に削る。


「なるほど、習得しているスキルの効果を引き上げるNos.39、想像していたよりも厄介だ」

「まだまだ! 切り裂け【かまいたち】」


 次は武器を大鎌へ可変させてから【真空波】を進化させた【かまいたち】

 これは追尾の速度が極限まで上がり、一瞬でイーグルさんを捉えた。

 しかし、何故かイーグルさんは笑みを浮かべる。


「素晴らしいな、その技」

「え?」

「マリ・トリデンテ……いや、マリくん。その武器を譲ってはもらえないだろうか?」

「へ!? 風迅弓をですか? ダメ、ダメです! これは初めてレアモンスターを討伐した時に手に入れた素材で作った思い出が詰まってるんですから」

「ふむ、ではこうしよう。私が勝ったら風迅弓を譲る、もし私が負けたら風迅弓はマリくんの物だ」

「元々私の物なんだから私にメリットないじゃないですか!!」


 なんて強引な人だ。

 クールで凛としたイメージが一転、情熱的で面倒な人に見えてきたではないか。


「いやすまない、好みの物が見つかると暴走してしまうのは私の悪い癖だ。戦いに勝った後でゆっくりと話そうではないか、マリくん」


 これは負けたら面倒な絡まれ方をしそうだな、と負けられない理由が1つ増える。


「舞い上がれ!【鳳蝶】」


 武器を弓に戻し、上空から鳳蝶を撃つが、イーグルさんもスネークショットで反撃してくる。

 当然上空へ舞い上がった私へ追尾をしてくるので見事に被弾。

 上空での被弾によりバランスを崩した私は地面へ落下し尻もちを付く形になり、次の動作へ移るのが遅れる。


「もらった!」


 このレベルの敵になると、この最大のチャンスを見逃すはずもない。

【変幻自在のマリアージュ】を使って盾で防ぐか?

 いやダメだ、クラフトの壁も盾での防御を意味を成さない。

 ならばこれしかない!


「桜花爛漫【神速】」


【縮地】を進化させ【神速】へ、移動距離と速度を引き上げたことにより、まるでテレポートしたかのように瞬時に位置を移動してイーグルさんの背後に立つ。


「桜花爛漫【サイレントアロー・極式】!」


 マリの【サイレントアロー・極式】が発動 → イーグルに 5000 のダメージ


「ひぇ……」


 キング戦の時は回避された極式だが、今回は見事に直撃。

 しかし与えたダメージがあまりにも大きすぎて思わず悲鳴をあげてしまう。

 5000のダメージを受けたイーグルさんはわけもわからないまま一瞬で戦闘不能になったのだ。


『な、なんというダメージだ! 一撃で相手を葬り去る、まさにバランスブレイカーだ!』


 スキュラ氏の実況が響き渡り、勝利者をコールする。

 ド派手なフィニッシュで勝利した私、しかし効果を引き上げて撃ったサイレントアローがバランスを崩しかねないダメージを叩きだしたことにより、修正対象になるのては、と少し不安に思うのであった。





 ◇




「マリっち、結構あっさり勝ったな」


 スタンドから私を見ていたヒビキ、会長、沙耶がホッと安堵の溜め息を漏らす。


「マリさん、気が抜けているというか油断しているのかと思いましたけど、違ったようですわね」

「そうだね、マリにあったのは油断じゃなくて自信。私達が心配するような事じゃなかったのかも」



 そして次は沙耶との決勝戦。

 おそらく沙耶と戦うなんて最初で最後の機会になるだろう、と胸を高鳴らせた。

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